2013.6.17
【前回記事からの続き】
〈アメリカ合州国憲法修正第1条〉(1791年成立)
【信教・言論・出版・集会の自由、請願権】
連邦議会は、
国教を定めまたは自由な宗教活動を禁止する法律、
言論または出版の自由を制限する法律、
ならびに国民が平穏に集会する権利および苦痛の救済を求めて
政府に請願する権利を制限する法律は、これを制定してはならない。
――――――――――――――――――
〈アメリカ合州国憲法修正第4条〉(1791年成立)
【不合理な捜索・押収・抑留の禁止】
国民が、
不合理な捜索および押収または抑留から
身体、家屋、書類および所持品の安全を保障される権利は、
これを侵してはならない。
いかなる令状も、宣誓または宣誓に代る確約にもとづいて、
相当な理由が示され、かつ、
捜索する場所および抑留する人または押収する物品が
個別に明示されていない限り、これを発給してはならない。
※以上の日本語訳は、在日米国大使館HPからのものです。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
1791年に発効した、第1から第10までの
アメリカ合州国憲法修正条項には、
「市民的自由」の核となる「個人の基本的権利」が
あります。
こうした修正条項が盛り込まれる背景には
宗主国だったイギリスが、
植民地だった北アメリカに行なった権力行使が
反面教師として影響していたはずです。
“18世紀、イギリスはアメリカ植民地の支配に手こずっていた。
イギリスは
アメリカ植民地と他のヨーロッパ諸国との貿易を阻止しようと試み、
アメリカの代表をイギリス議会に受け入れることなく
アメリカへの課税を実施しようとして、アメリカ人の反発を招いていた。
密輸の横行を取り締まるため、
イギリスは新たなタイプの監視手法を定めた。
援助令状として知られる一般捜査令状があれば、
イギリス官吏は基本的に、
容赦がなくとも一軒一軒を個別に捜査できるようになったのだ。
イギリス官吏はいつでもどの家にでも押し入ることが可能となり、
アメリカ人は激しい怒りを覚えた。
極端な話、
結婚式や葬式の最中であっても急襲されるかもしれないのだ。
法律家ジェイムズ・オーティス・ジュニアは1761年、
ボストンでの有名な演説で
「恣意的権力による最も悪しき手法のように思われる」と異議を唱えている。
一般令状に対する強い憤りは、
アメリカ独立革命を引き起こすきっかけとなった。
その怒りはまた、合衆国憲法修正第4条の土台となり、
そこには以下のように記されている。
「国民が、
不合理な捜査および押収または抑留から
身体、家屋、書類および所持品の安全を保障される権利は、
これを侵してはならない。
いかなる令状も、宣誓または宣誓に代わる確約にもとづいて、
相当な理由が示され、
かつ、捜索する場所および抑留する人または押収する物品が
個別に明示されていない限り、これを発給してはならない」
修正第4条は、アメリカの法執行官の基本原則である。”
(ジュリア・アンウィング(著)/三浦和子(訳)『ドラグネット』P.33-34)
近代立憲主義の先駆けであるばかりでなく、
近代に民主主義国家をはじめたアメリカ合州国では、
民主主義/デモクラシーを機能させるのに欠かせない
「表現の保護」も、重きに置くのでした。
“ 《修正第1条が掲げた「表現の保護」》
合衆国憲法修正第1条は否定的言い回しの権利である。
すなわち、してはならないことを言明している。
「連邦議会は、
国教を定めまたは自由な宗教活動を禁止する法律、
言論または出版の自由を制限する法律、
ならびに国民が平穏に集会する権利
および苦痛の救済を求めて政府に請願する権利を制限する法律は、
これを制定してはならない」
その結果、修正第1条が何を擁護しているのかをはっきりさせることは、
必ずしも容易ではない。
私は、複雑に入り組んだ法律を解明する手助けとするため、
修正第1条の著名な研究者でコロンビア大学学長でもある、
リー・ボリンジャーと膝を交えた。
(引用者中略)
建国者たちは、
デモクラシーを機能させるには政府を批判する自由が必要だ
と信じたのだった。
結果として、修正第1条に関するいかなる訴訟事例についても、
その最も重要な判断基準は、
「問題となる行為は民主的討論への参加を制限しているか」
というものである。
連邦最高裁判所は、
いかなる活動であっても、それを制限することが
民主主義への民衆参加を妨げる可能性がある場合には、
その活動の抑制には細心の注意を払ってきた。
たとえば1964年、最高裁判所は
ニューヨーク・タイムズ社が
公務員に関する虚偽を含む広告を掲載したことについて、
「公務員の行為を批判する者に
事実判定が真実であることを保証させる裁定は、
それに匹敵する自己検閲につながる」
として、その責任を負う必要はないとする判決を下した。
また2000年には、グループに会員の受け入れを強制することは、
表現のための結社の自由を侵害するという理由で、
連邦最高裁判所は、
米国ボーイ・スカウトが同性愛者会の会員を受け入れる必要はない
という判断を下している。
「修正第1条は、人気の有無にかかわりなく表現を保護する」
と最高裁判官を務めたウィリアム・H・レンキストは記している。
しかし、最高裁判所は、
自由な社会にとって監視が有害であるという主張に
理解があったわけではない。
1972年、最高裁は五対四で
「米国陸軍監視プログラムによる諜報対象となっていた米国市民は、
具体的な損害を被ったという立証ができず、そのため
法的救済に必要な『論争の結果に関わる個人的利害』を欠いている」という判決を下した。
2013年にもまた、連邦最高裁判所は五対四で、
NSAの令状なしの傍受プログラムによる諜報を受けた米国市民は、
訴訟に必要とされる『具体的で特定化され、かつ現実的または差し迫っている」被害を証明できていないとする判断を示した。
だが私は、1972年の判断における、
ウィリアム・ダグラス判事とサーグッド・マーシャル判事による
反対意見の雄弁さに感銘を受けた。
彼らは陸軍監視プログラムを
「修正第1条の原理と闘う、国という体のなかの癌」と呼び、
次のように記述している。
「情報部員が図書館で
反体制的な人すべてのショルダーバッグを検査するとき、
また、
ピケライン(※訳注:ストライキやデモに潜入するときに張る監視線)で
彼の脇を目につかないように通り過ぎるとき、
あるいは、彼のクラブに潜入するとき、
かつて自由の代弁者として世界中で称賛されたアメリカは、
もはやジェファーソンとマディソンが起草した姿ではなく、
ロシアのイメージに近いものとなっている」”
(『ドラグネット』P.85-87)
“しかし、技術の進歩によって、
修正第4条の抜け穴を利用することが可能となった。
最も重要な抜け穴には次のようなものがある。
公共空間
修正第4条は「身体、家屋、書類および所持品」だけを保護している。
最高裁判所の解釈によると、この文言は
「公共の場において個人はプライバシーへの合理的期待を有しない」
ことを意味するという。
しかし科学技術によって、
家庭内でのコンピュータの使用や裏庭の上空を飛ぶドローンによる監視が可能となり、
保護される私的空間の領域は狭まっている。
サードパーティ・ドクトリン
最高裁が確立した「サード・パーティー・ドクトリン」には、
「銀行や電話会社のような第三者(ザ・サード・パーティ)に渡している
データについて、
個人はプライバシーへの合理的期待を有しない」
と記述されている。
その結果、電子メールアドレスなど、第三者が保有する機密情報でも、
捜査令状なしに入手できることが多い。
メタデータ
メタデータとは、データ自体に関する情報のこと。
たとえば、手紙の入った封筒はメタデータと考えられ、
データは手紙そのものである。
裁判所は昔から、
メタデータの捜査には法的に低い基準を設定している。
たとえば郵便局では、
令状なしに封筒の写真を撮ることが可能であるが、
令状なしに封筒を開けることはできない。
デジタル時代にあっては、
あなたが電話をかける全相手先の電話番号や電子メールを送る相手、
あなたのいる場所など、多くのことがメタデータによって暴露される。
国境捜査
ほとんどの裁判所は、
修正第4条に対する「国境捜査の例外」を支持しており、
それによって政府は、捜査令状なしに国境での捜査を行なうことができる。
エレクトロニクス時代の今日において、
それは「国境では職員が個人所有の携帯電話やパソコンの全データを
ダウンロードできる」ということであり、
多くの場合、実際に行なわれている。
アメリカ合衆国税関・国境警備局によれば、
1日に約15件の電子機器の捜査が行なわれている。
デジタル時代の今、これらの抜け穴が拡大し、
かつて建国の父を激怒させた「合理的疑惑のない捜査」が
容認されるようになっている。
合衆国大統領は、
修正第4条の境界を越えることにはずっと慎重だった。
(引用者中略)
しかし、9・11テロ以降、
国内諜報活動を行なう際の明確な容疑の必要性など、
一顧だにされなくなった。
テロ攻撃から数日後になされた一つの決定が、
いかにして巨大な国内監視網の歯止めを外したのか。
かつてNSAの外注業者だったエドワード・スノーデンが暴露した文書には、その衝撃的な状況が描かれている。”
(同書 P.34-36)
『ドラグネット〔監視網〕』を読んでみて、
GoogleやAmazonなど
インターネットに関係するグローバル大企業に対して
ほんの少しだけ見方が変わったのですが、
あのアマゾンやグーグルですら、
アメリカの権力当局に対して、
顧客の個人情報の提出や検索記録の提出を
拒んだり、
お抱えの弁護士をもって抵抗したりしているのですが、
しかし、こと《監視に関する事柄》となると、
ヤリ手の弁護士を
大勢かかえているグーグルですら、
政府に対して、手も足も出なくなってしまうようです
――ただし、だからといって、
グーグルなどインターネット関連企業が、
インターネット利用者を
《トラッキング/追跡》してきていることの相殺には
ならないけれども――。
“2007年にはアマゾンが、
サイトで古書店から本を購入した人々の身元情報を求める政府の召喚状を
拒否して、裁判で争い勝訴した。
政府はアマゾンの外部古書店に対する脱税調査の一環として、
本の購入者に面接しようとしたのだが、
アマゾンは氏名の開示を拒んでいた。
裁判所は
「連邦捜査官が誰か別人に不利な証拠を探し回る際に、
法を守る市民の読書リストを嗅ぎまわるのは、
人騒がせで非アメリカ的な筋書きである」
と認めた。
だが監視の話になると、
インターネット会社は法的に不利な立場に置かれるので、
しばしば闘いに負ける。
インターネットには、
図書館の貸し出し記録を守る各州プライバシー法に相当するものは
ないのだ。
憲法修正第1条の要求は、
実際の損害がないとして退けられることが多く、
大半の技術者は、図書館員と違って
自分自身を知的自由のために闘う戦士とは考えていない。
インターネット通信のほぼすべての監視に適用される関連法は、
1986年制定された電子通信プライバシー法である。
これは、
電話や普通の郵便物に対する保護を
デジタル領域にまで広げる目的で制定されたが、
当時の法律は、人々が家庭外のコンピュータやサービスに
それほど大量の情報を保存することは想定していなかった。
その結果、
Eメールや携帯電話の位置記録などの保存された通信を、
政府が捜査令状なしに取得できることが多くなっている。
法律が政府に求めるのは、
そのデータが調査に「関係があり重要である」ことを示すだけだ。
したがって、捜査当局にとっては、
市民の郵便物を開封するより、
合法的にEメールを読むほうが簡単なのだ。
それだけでなく、
電子監視に関連した裁判所の命令は
極秘にされることが多く、
ユーザーは
捜査が行なわれたことを知らされない。
その結果、私たちのデータのゲートキーパーは、
顧客を守る闘いを続けにくくなる。
2012年、マイクロソフトは
捜査当局が要請した顧客データの83パーセントを提出し、
同年、グーグルは
情報を求められた事例の3分の2において、
ユーザーに関するデータを引き渡した。
グーグル、フェイスブックなどの主要インターネット会社は、
Eメールや携帯電話の位置記録の取得には
捜査令状が必要となるように、
合同で電子通信プライバシー法の改正を後押ししているが、
今までのところ、その法改正への努力は実っていない。
私たちのチームは
会社が政府の監視と闘った数少ない事例について調べてきたが、
彼らの闘いは成功しなかった。
2011年、ソニック・ネットは、
極秘の裁判所命令と闘い、敗れた事実を公表した。
その命令は、
2年間の間にウィキリークスのボランティア、ジェイコブ・アッペルバウムと
連絡し合った人々のEメールアドレスを要求するものだった。
裁判所命令に異議を申し立てることは
「かなり費用のかかることでしたが、
それは正しいことだと思っていました」
とソニックの最高経営責任者ディーン・ジャスパーは私に話すことで、
政府の要請について議論することを禁じた裁判所の禁止命令に
逆らっていたのだ。
(引用者中略)
他にも多くの事例があるが、すべてに一貫した特徴がある。
すなわち、インターネット企業は監視のことになると、
手も足もでなくなるということだ。”(同 P.164-167)
(つづく)
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〈サブ・スローガン〉
○全ての原発事故被害者に補償を!
○避難者への住宅支援打ち切り反対!
○「避難の権利」の確立を! ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
安倍政権NO!☆実行委員会さん出色のチラシ!
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3/18(金)早稲田大学早稲田キャンパス22号館201教室
齋藤純一(早稲田大学教授、政治学)
「市民社会と公共圏」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇桜と予言と詩人 神隠しされた街 若松丈太郎
アーサー・ビナード
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生業を返せ!地域を返せ!
福島原発訴訟さん
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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16:20~16:50 小野寺通「ワイマール憲法の崩壊」
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