なんとか実験はスタートを切りました。(第4回ヒル研) | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

「今朝は、三人そろって元気に出ていきました。新型車両でした」と、見送りの保護者からメールが入りました、

何時もの時刻に駅に迎えに行くと、三人そろって嬉しそうに5000系電車から降りてきました。

研究所に到着して、何時もの様に献血してくれる鶏の世話をして、本日の予定の確認です。

今日は、天気予報が雨模様だったので、ピクニックを兼ねてヒル捕りに出かける予定を変更して解剖練習をすることにしました。

 

まず、先週吸血させたヒルの成長具合を調べる身体測定から始めます。

飼育ビンの中に脱皮殻はあるのかをチェックして、ヒルを瓶からつまみ出します。

体重、身長を計測して記録します。

昨年来試行錯誤して作り上げたテンプレートに記入すると、やりたいことが分かるようになっています。

「わぁっ、でっかくなってる」

見た目でもわかりますが、それをきちんと測定して数値化すると、説得力もできて変化もよくわかります。数字の力ですね。

 

大きくなっているのを実感して、午前の体重測定は終了しました。

 

昼食は持参のお弁当です。休憩をはさんで午後のプログラムは、解剖です。

E研究員も今まで欠席などのこともあり解剖は初めてのようです。T研究員と二人に、F研究員はヒル研の解剖手技を伝えていきます。

① 食品トレーにヒルを固定します。言葉はいいですが、要は貼り付けです。

⓶ 固定できたら、メスで縦に切っていきます。皮膚が硬いので簡単には切れないので、力加減をしながら内臓を傷つけないように外側の皮を切ります。

⓷ そのあとは、安全ピンを使って、ていねいに開いていきます。

 

とりあえず1匹目の解剖は、開き方の会得でした。みんな合格のようです。

2匹目に取り掛かりました。何か目的もって開いてみることにしました。

 

E研究員の作品はとてもうまくできて、内臓が余り傷つけられなくて解剖できていました。

解剖顕微鏡を出してきて、詳しくみてみると、初めて見る映像で急にテンションが上がりました。

 

嗉嚢盲管と思われる袋を見つけて、水を入れて膨らませてみようということになりました。

昔Y研究員が注射器で口から牛乳をいれていたのを思い出して、真似してみることとにしました。

この注射器で口から液体を注入する技術はかなり高度ななもので、何度も繰り返して試していました。

何とか、少し水が入り、再び解剖を開始しました。

3匹めでとても解剖が上手になり、目的の水が入った嗉嚢盲管を露出させることに成功しました。

その部分をこの解剖顕微鏡下で切り開き、水が出てくるのを確認していました。

水が出て来ているのを確かめて、ここに吸血した血液を貯めているのがわかります。

 

解剖練習を終了して、大急ぎで夕食の支度にかかりました。

大急ぎの理由は、今晩いなべの釣り師さんを迎えて渓流魚とヒルとの関係を聞かせてもらうことになっているからです。

T研究員が材料持ち込みでポテトサラダを作ってくれました。こんな手の込んだ調理はヒル研ではめったにしないので、特に美味しかったです。

 

約束通り、7時前に釣り師さんが来てくださいました。なんと釣り師さんの師匠さんまで来てくださいました。

私たちから、渓流魚がヒルを食べる瞬間の動画が撮りたいという話しをすると、渓流魚は動くものなら何でも飛びつく習性がある。水生昆虫ゃ水面に飛び交う昆虫類をものすごい量食べている。釣れたとき、胃の中を調べているが、ヒルは出で来ないけれどカエルなどは見つかることがある。ヒルが出てこないのは、それほど出会う確率がないからだ。とにかくミミズでもなんでも水中で動くものは食べている。

ということで、ヒルを食べることは疑う余地はない。写真に撮ることも、水槽の中で飼っているものを使えば撮れるだろう。私たちの知っている場所では、こんなところがあるので計画を立てて頼みに行けば、協力してもらえると思う。という場所を数箇所挙げてもらいました。貴重な情報を頂いたので、研究が前に進みそうです。ありがとうございました。

 

夜も遅くなり、急いで入浴をすませて就寝となりました。みんな疲れました。

あす、また頑張ります。おやすみなさい。