ああ、やっと終わったファーストステージ | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

6月30日日曜日。今年も既に半年たってしまいました。

5月11日に吸血を開始してから本日まで、沢山のヒルに吸血させて、実験サンプルを作ってきました。40組を目標に取り組んできましたが、幾多のトラブルに見舞われ30組しか出来ていませんが、やり直しの効かない研究なので今日で第1段階終了となります。この実験サンプルは本当に貴重品です。
 

トラブルは、吸血中に鶏に食べられたり、羽の中のどこかに潜り込まれて発見出来ずに行方不明で処理したもの。吸血中に鶏の体熱で乾燥して死亡したもの、測定中に脱走して行方をくらませたもの(数日後干物状態で見つかります)など様々です。

でも、今年は吸血させたものが血を吐いて死亡する事故はなくなりました。

 

6月に入ってからは、今までやってない方法に切り替えて飼育観察を始めました。そのせいで飼育瓶がたくさん必要になり、今までいろいろな所からいただいたものを全部使ってサンプルケースにしています。

そのケースも番号をつけて、厳重に管理しています。

 

今年は諸般の事情で毎回研究会に参加できるのはF研究員だけで、一人でとんでもない量の観察記録をとっています。毎週各ヒルの身体計測をして記録し毎週新しいサンプルが作られるので、今では3時間以上集中して実験観察しています。

時々、ふと気が緩んだ時ヒルの脱走を許し精密天秤の皿の下逃げ込まれたりして探すのに余分な時間が要ります。行方不明になることもあります。貴重なデータがここで途切れてしまうので反省しきりです。

 

この研究は、5月当初はヒルは脱皮するかどうかの研究のサンプル集めをしていました。

しかし、1カ月たったころ脱皮の皮も何枚か採取できていろいろ話しあっている中で、過去には吸血後しばらくして血を吐いて死んだり、体の真ん中付近を締め付けられたようにして死んでいくヒルを見てきたが、吸血時間を短くするとそのような死に方をするヒルがいなくなることに気づいたのです。

 

それで吸血時間を1〜1.5時間に短縮すると死ななくなり、それでも産卵はするし脱皮もします。

中央の糸状のものが脱皮した皮です。

6月からはこの方法に変更して吸血させて観察しています。

今日は、産卵があり4個の卵嚢が手に入りました。このうち2個は、先週も産卵を確認しています。

この卵嚢から幼生が出てくる瞬間とその後の様子を動画で撮ろうとカメラをセットしています。

 

折角たくさんの雨が降ったので、ヒルの出現調査に再度山を見に行くことにしました。

麓では結構降ったのに山はそれほど沢山降った形跡はありません。谷筋には水が流れた跡はあります。

向かって左側の斜面で獣道の下りてきたところを探すと大きめのヒルが見つかります。

途中谷川が流れ出ているところに行くと、道も湿っていて水が流れた跡があります。ここは、昔ほどはいませんが大きいものをかなりゲットしました。

流れの跡を調べると、腐葉土や落ち葉がたまっている所にヒルはいます。

この林道のカーブしている下に駐車場があます。5年前にT研究員の考察で、山の上から林道を水とともに流れてきたヒルは、最終この下の駐車場に溜まると考えました。調べてみるとヒルはちゃんといました。それでこの場所を今日も調べてみると、いるいるかなりたくさんの大きいヒルが見つかりました。先週は一匹もいなかったのに、タクシのヒル捕り場は健在です。

 

梅雨の大雨を利用して、ヒルの山での拡がり方を調べ発表してきました。今日も、その確認に出掛けたのです。T先輩の考えは合っています。シカが走り回らなくても、ヒルはちゃんと拡がります。

 

今回(第14〜15回)の研究会は無茶苦茶密度が高く、休憩時間もほとんどとれずに集中した実験観察。入浴時間は22時を回っていてベッドインは23時30分でした。こんなことはヒルが落ちてこないを実証研究していた時以来のことです。宿題タイムもとれなくて、2日目の昼食後大急ぎで仕上げました

充実した研究会でしたが、疲れました。子ども達よく頑張ったね。お疲れさん。

 

7月から吸血実験は終了して、第二ステージに進みます。実験方法にミスがでると、すべてが無駄に終わります。緊張が続きます。