ヒルの卵は卵嚢だった | 子どもヤマビル研究会

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2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

わたしたちは、今までヒルの卵は卵塊だとお伝えしてきました。

 

外から見て、蜂の巣のようなハニカム構造をしていて、それぞれ一つのセルに1匹ずつ幼生が入っていると思っていました。

昨年度、産卵の研究をしていたU研究員が、卵塊を切ってみました。もちろん卵塊の中はどうなっているのかがどうしても分からないので、切って調べるということになりました。

中々頑丈な球体で、簡単にははさみでもメスでも切れませんでした。何とか開いてみたら、サッカーボールのようになっていました。

そして、ドロッとした液体で埋まっていました。

一つ一つのセルは、幼生が入っているような形跡はなく、この白い液体の中に受精卵が入っています。そして、この液体の中で成育して幼生となり、このサッカーボールのような殻を破って出て来ます。

 

この卵から幼生が外に出て来る様子は以前動画でとらえており、セル一つ一つから出て来るのではなく、中から皮を押し破って数匹出て来ます。つまり、セル一つ一つから幼生が出て来るのではなく、この袋の中から薄いセルの部分を破って出て来ます。

受精卵がセル一つ一つに入って塊りになっているのではなく、袋の中に受精卵が入っている構造です。だから、卵塊ではなく卵嚢であることがはっきりしました。

 

私たちは、今までこれらのことはU研究員の解剖で分かっていても呼び名は気にしていませんでした。 <コレガマチガイ!!>

今年、U研究員が三重生物の発表原稿を作成しているとき、どうもしっくりこない部分が出できて、何だろうと考えていました。

 

ある所から、卵と卵塊の違いは何ですかという質問があり、話し合っているうちに卵塊ではなく卵嚢であることに気づきました。

今後、ヒルが産卵するのは卵嚢ということに代えます。

永い間間違った使い方をしていて申し訳ありませんでした。ここに訂正させていだきます。