夏休みも終わり、いろいろな条件下のヒルの飼育も必要がなくなり、越冬準備のために大型水槽に集めて飼育することにしました。集めてみたら、50匹を越えました。来年春には、何匹生きているでしょうか。温度は、自然のままにして水分だけ気をつけて管理していきます。
集めたヒルは、たっぷり吸血出来てしっかりした体形のものもいれば、吸血がうまくできずにやせ細っているものもいます。
中でも、今年の目玉だった産卵後のヒルばかり集めてあった瓶の中では、8個も卵が見つかりました。1カ月以上様子を見ていても産卵の兆候がないので、大瓶に入れてありました。合計10匹入れていたのですが、ヒルは9匹生きていました。そして、卵が見つかったのです。いつ産んだのかは分かりませんが、全く気付きませんでした。
もうしばらく観察していたら、再度産卵動画が撮れたかもしれないですね。教訓になりました。
F研究員が、穴の開いている卵があることを見つけました。視力がいいのは羨ましいでね。
この穴は、幼生が生れ出た穴です。この幼生、うまく見つけらけなくて今も行方不明です。
またしても今回、糸状菌が発生していました。この穴の周りに菌があったところを見ると、幼生にも寄生していたと思われます。
この糸状菌は、昨年お世話になった牡鹿半島の鮎川トレイルセンターの佐藤さんに見ていただこうと思っています。前回送ろうとしたのですが、技術的にうまくいきませんでした。今回は、その教訓を生かして送ります。よろしくお願いします。
さて、この中の一つを解剖して中の様子を見ようと思います。
前回Y研究員が解剖したのは、産まれて間もないものでした。今回は、もう少し乾燥したものです。もう、幼生もでそうにないので、乾燥させていました。
綺麗な形をしています。この卵塊を、まず半分に切ります。
卵塊の中は、もう乾燥していてY研究員が切ったときのような白い液体は出て来ませんでした。空洞になっていました。その片隅に黒い塊があります。これを取り出して、幼生なのかを調べたいと思います。
卵塊のひだを外していきます。このひだは、セルロイドのように固いです。バリバリと音を立てて割れていきます。
黒く見えているところにほぼ迫りました。
なかなか固定が難しく、直ぐ転がっていきます。何とかとらえた写真です。光るリングは、照明の反射です。
右側の大きいかたまりの中央に幼生があります。まだ、硬くなっていなかったので、最近まで生きていたのかも知れません。
かわいそうなことをしてしまいました。
先日捕った丹沢のヒル約50匹が加わり、水槽の中は賑やかになりました。来年春まで、おやすみなさい。