飼育瓶の後片付けをしていたら…… | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

夏休みも終わり、いろいろな条件下のヒルの飼育も必要がなくなり、越冬準備のために大型水槽に集めて飼育することにしました。集めてみたら、50匹を越えました。来年春には、何匹生きているでしょうか。温度は、自然のままにして水分だけ気をつけて管理していきます。

集めたヒルは、たっぷり吸血出来てしっかりした体形のものもいれば、吸血がうまくできずにやせ細っているものもいます。

中でも、今年の目玉だった産卵後のヒルばかり集めてあった瓶の中では、8個も卵が見つかりました。1カ月以上様子を見ていても産卵の兆候がないので、大瓶に入れてありました。合計10匹入れていたのですが、ヒルは9匹生きていました。そして、卵が見つかったのです。いつ産んだのかは分かりませんが、全く気付きませんでした。

もうしばらく観察していたら、再度産卵動画が撮れたかもしれないですね。教訓になりました。

 

F研究員が、穴の開いている卵があることを見つけました。視力がいいのは羨ましいでね。

この穴は、幼生が生れ出た穴です。この幼生、うまく見つけらけなくて今も行方不明です。

またしても今回、糸状菌が発生していました。この穴の周りに菌があったところを見ると、幼生にも寄生していたと思われます。

この糸状菌は、昨年お世話になった牡鹿半島の鮎川トレイルセンターの佐藤さんに見ていただこうと思っています。前回送ろうとしたのですが、技術的にうまくいきませんでした。今回は、その教訓を生かして送ります。よろしくお願いします。

 

さて、この中の一つを解剖して中の様子を見ようと思います。

前回Y研究員が解剖したのは、産まれて間もないものでした。今回は、もう少し乾燥したものです。もう、幼生もでそうにないので、乾燥させていました。

綺麗な形をしています。この卵塊を、まず半分に切ります。

卵塊の中は、もう乾燥していてY研究員が切ったときのような白い液体は出て来ませんでした。空洞になっていました。その片隅に黒い塊があります。これを取り出して、幼生なのかを調べたいと思います。

卵塊のひだを外していきます。このひだは、セルロイドのように固いです。バリバリと音を立てて割れていきます。

黒く見えているところにほぼ迫りました。

黒いところを切り出しました。

なかなか固定が難しく、直ぐ転がっていきます。何とかとらえた写真です。光るリングは、照明の反射です。

右側の大きいかたまりの中央に幼生があります。まだ、硬くなっていなかったので、最近まで生きていたのかも知れません。

かわいそうなことをしてしまいました。

 

先日捕った丹沢のヒル約50匹が加わり、水槽の中は賑やかになりました。来年春まで、おやすみなさい。