草津市(滋賀県)で講演会(後編) | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

  <続 き>

 

開会時刻2時になりました。司会の副会長さんが開会を宣言されました。

そして、滋賀県獣医師会長さんのご挨拶となりました。

最近の子どもたちは、野山で遊べなくなりテレビゲームやバーチャルによる勉強が多くなり、自然と触れ合うことが少なくなってきている。だから、疑似体験しかできていない。たまたま「ヒルは木から落ちてこない」の本を読んで、自ら探究活動をしている子どもたちが三重県にいること知り、今日来てもらうことにしました。その子どもたちの話を聴いて、実際に自然に触れ合って勉強していく子が増えてほしいと思います。というようなお話を頂きました。

 

そして、M研究員の司会で私たちの時間となりました。

挨拶に続き、子どもヤマビル研究会の概要を説明しました。なかなか堂に入ったもので、会場の皆さんもスウーッと話しに引き込まれていました。

「対面なので、私の一言一言に頷いてくださる方があり、緊張もほぐれて話しやすかった」とM研究員。どこかの総理のように原稿棒読みではなく相手を意識して話していたので、きちんと伝わったと思います。

一般参加者は、15人ほどで100名入る部屋には、ちょっと寂しい人数でした。まあ、ヒルなんてマイナーの中のマイナーな生き物で世間では嫌われ者の代表格ですから、仕方ないですね。でも、小学生くらいの子が数人お家の人に連れられて来ていました。この子たちが、今年の自由研究でヒルのこと取り上げてくれると嬉しいなあ、と研究員たち。

テレビカメラも入っていて、後日獣医師会のホームページでアーカイブ放送をするそうです。

次は、F研究員のヤマビルってどんな生き物、という題でヒルの概要を説明しました。なかなかはっきり話していてわかりやすかったです。身を乗り出して聞く人もありました。ヒルは血を吸う生き物であるということが、理路整然と分かる説明でした。

S研究員は、はじめて人の前で話しするので緊張していたが話し始めると、そんなことすっかり忘れて堂々と話していました。最近乳歯が4本も抜けてしゃべりにくいのですが、頑張って話しました。研究発表の一つの形を提案したものです。この様にまとめたら自由研究は出来ますよ、と。難しいことでなく「ヒルには目がない」という簡単な気づきから、ヒトを見つけるヒルの知恵を説明できました。自由研究のサンプルです。

そのあと、M研究員がヒルがカエルの血を吸っているという話をしました。

 

中3のH研究員と高1のU研究員のふたりは、部活や受験勉強の都合で欠席になったので、ビデオ出演となりました。ちょっとお客様の反応は、ビデオだけだとよくないなあ感じました。やはり、人が直接話すのは大事なことだと思いました。

 

休憩時間となり、ロビーでは本物のヒルと触れ合ってもらえる企画をしました。

市内に貼られているポスターにも、本物のヒルが来ます、と案内されていました。

飼育瓶に入れてあるもののヒルの瓶に手を伸ばすのが、既に勇気がいるようでした。

おっかなびっくりで手を伸ばして瓶の中で元気に動き回るヒルを見て、息をのんでおられる様子が面白かったです。

しばらくするとみなさんからいろいろ質問が出始めました。

ヒルを飼っているの?  → 飼っています。

エサはどうしているの? → 鶏の血を吸わせたりしています。

ヒルが生きていく上でいつも血を吸わさないと飼えないの? → 一度血を吸うと1年くらい吸わなくても大丈夫です。

ヒルはどこから卵を産むの? → 口ではなく首の辺りからです。

どの季節に活発に動くの? → 梅雨の時期です。

どのようにしてヒルを捜すの? → 山に行って、落ち葉のある所で息を吹きかけると葉の下から出てきます。

私たちを見つけて飛びかかってくることはないのね。 → はい、ありまん。葉の下や腐葉土の中にいます。

小学生の子に「ヒルに息を吹きかけたり、指を近づけたりしてみてね」と話しかけたら、その子がヒルに息を吹きかけたり指を近づけたりしました。ヒルが寄ってきたので「わぁ!」とびっくりしていました。それで、「ヒルは二酸化炭素とか熱に反応するんだよ」と話しました。

スライドでヒルを腕に乗せていたけど血を吸われないの? と聞かれました。すぐには吸いません。吸いやすい場所を探してから吸います、と答えました。

触りたい人には「ヌルヌルしてます」と言って触らせてあげました。人差し指でちょっと触るだけだったけど・・・・。

さすが腕に乗せて遊べる人はいなかったです。

水で流れて拡がるということだけど、ヒルが自分から水に入って行くのか、それとも葉っぱか何かに付いて流されるのか、というようなかなり突っ込んだ話まで出ていました。

どの問いにも的確に答えて、すごいなあとボランティアのG君と後方から見ていました。

 

一番印象に残っていることは間違わず言えた事。全然緊張しなかったです、と言いながら、始まるまでは緊張していたのが伺えますね。そらそうですよね。10歳の子どもたちですから緊張しない方がおかしいです。

でも、この2時間余りの場を通して子ども研究員はとても成長しました。何しろ、初対面のおとなを相手に自分たちのしてきたことをまとめて話すのですから、この上ない訓練の場ですよね。

5年くらい前の夏山フェスタの場面を思い起こさせてくれました。

怖がりながらもヒルに興味を持ってくれたり、ヒルというものに関心をがあって質問して下さるので、答えるのも楽しかった、とは司会をしていたM研究員。確実に成長しましたね。

お越しくださったみなさん、ありがとうございました。子ども研究員にとって、何にも代えがたい貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。

今後とも子どもヤマビル研究会をよろしくお願いします。