高校生の新教科「探求」に、ヤマビルを活用 | 子どもヤマビル研究会

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2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

先取りで実施している高校の新教科「探究」のテーマに、ヤマビルを選んだ生徒がいます。

県立のY高校2年生です。

4月以来ヒル研特別会員として籍を置き、自分でいろいろ課題を持って探究活動をしています。

学校では山岳部に所属して、部員も彼女のヤマビル探求に協力しているようです。

 

微力ながら、ヒル研も協力しています。

先日は、どうしても研究の都合上十数匹のヒルが欲しいので、どこに捕りに行ったらいいかという問い合わせでした。もう、登山をしてもヒルに出遭わなくなったので、どうにかしたいということでした。

いくら温かい11月と言えども、朝夕は4℃位になっておりヒルはもう隠れているでしょう。日当たりがよく湿り気が保たれているところを2,3か所紹介して捕りに行ってもらいました。やはり、見つからなかったという報告でした。

 

普通、この晩秋にヒルがのこのこ出て来ることはないでしょう。

それで、ヒル研研究室で飼育しているヒルを貸し出すことにしました。

 

わが研究室では、丹沢ヤビツ峠のヒル、T大演習林のヒル、宮城県牡鹿半島のヒル、宮城県金華山のヒル、藤原のヒル、菰野町田光のヒルを飼育中です。

飼育瓶の中をよく見ると、演習林のヒルと宮城県のヒルは、とても元気ですが、後のヒルは瓶のふたを開けて息を吹きこんでも、邪魔くさそうに何匹が出で来るだけです。

室温は、最高12℃、最低6℃です。

 

今までの経験から、この時期ヒルは落ち葉や腐葉土、砂の中に潜りこんで出て来ないのが普通です。

でも、東北のヒルは特に元気で、私たちを感知すると瓶のふちをさっと上ってきます。

さすが、東北牡鹿半島のヒルだ、と思いました。

これも、研究のネタになりそうですね。今まで、私たちは、鈴鹿の山のヒルで調べた結果が、地温が15℃を越えると出て来て、気温が25℃の時がいちばん活発に動くという結論をえて公表していました。

でも、寒い所て生まれたヒルは、もっと低い温度に適応できています。

 

思い返せば、9月の気温が高かったとき、藤原のヒルととても活発でしたが宮城県のヒルは元気がないように見えて、実験する前に死んでしまうのではないかと心配したほどです。でも、寒い今は逆ですね。みんなに教えてやって、研究のテーマにしたらいなあと思っています。

 

という余分な発見がありましたが、ヒルは彼女の「探究」の被検者となりました。

 

頑張って成果を出してね。