いつもは、子ども研究員の研究を調整したり資料を探したり、成果を発表したりする場を探したりと裏方に徹している。
子ども研究員が主体を発動させ研究を続けていく場を設定している。その場の中で、研究員は探求の力を磨いている。
わたしも、そろそろ充電が切れて来たように思う。新しい視点や素材、考え方や説明の仕方など更新していかないと陳腐なままでいることになってします。
たまたま、今はヒルが余り活発でない時期でもありリモートで高い質の研究と出合えるチャンスがあります。
11月5日 屋久島いきもの調査隊サイエンスカフェ
屋久島でヤクサルの調査参加したことのある研究者の体験談や現在の研究の状況を発表を聞きました。
財政的にも力量的にも屋久島に行って調査隊のお手伝いができることは無理ですが、いろいろお話を聞きながら研究員を屋久島に連れて行ってやりたいと思いました。最後にマイクを向けていただく機会があり、そのことをお伝えすると何とかいい方法を捜しましょうということになりました。
実現できたら嬉しいです。
11月30日 NPO森と未来 のヤマビルの勉強会 がありました。
森嶋さんの「ヤマビルって何者?」というテーマのご講演でした。
森嶋さんは、以前ヒル研を訪ねてくださったこともあり、いろいろ情報交換をしたりしている方で、その森嶋さんがヤマビㇽについて話をされるということを知り、さっそく申し込んだ。ご講演の中で私たちのことも入れて、いろいろ紹介もしてもらいました。
内容は、私たちがみちのく潮風トレイルフォーラムで発表したことと大きな違いはなく、今のヤマビル研究の先端に私たちがいるなあ、と実感しました。
この勉強会で私が得たものは、「森林浴で森と都会を繋ぐ」という森と未来の会の考え方です。その結びつきを阻害する要因にヤマビル被害がある、という位置づけでした。でも、だからと言ってヒルが邪魔ものであるのではなく、ヒルと仲良くなって棲み分けをしたいというようなまとめをしておられたことに賛意を表したいと思いました。
12月3日 屋久島学ソサエティー
屋久島高校生の研究発表が8本ありました。なかなか楽しいものばかりでした。
午後、山極寿一先生のご講演があり、とても印象に残った言葉がありました。
SDGsについてのお話です。気を付けないといけないことは、西洋と東洋と自然観が違うということだ。
西洋の自然観は、自然は人間が管理しなくてはならないということに対して、東洋では自然は人間一体でなければならないというものだ。
これは、私たちが自然を研究するときの立ち位置を示してくださったのだと思います。どんなものにも神が宿るという日本人の心は、大事にしたいなあと思いました。
文化的多様性に関する世界宣言(2001年ユネスコ総会)の紹介をしてくださいました。SDGsを考え推し進めていくうえで生物的多様性だけでは成り立たず、文化的多様性もよく考えていかなくてはいけない。
これからの社会に必要なことは、自然、文化複合の新たな語りである。そのためには、学問と地域おこしという分野をつなぐガイドやツアーを考えていくといいのでは、というお話がありました。
オーストラリアに行ったとき、至る所で自然と観光を結びつけるレンジャーと呼ばれる人ががいて、自然の解説や接し方を教えてくれる。これも、一つの具現化されたものかなあと思いながら講演を聞かせてもらっていた。
昔なら、都市部に出向いて研究会に参加したりしたものだが、コロナ禍の産物というかズームによる会議が簡単にできるようになり、田舎にいても簡単にレベルの高い教育に出会うことができるようになった。私は、この3つの会議に出席できていろいろなことを学ぶことができた。
もちろんハイレベルの先生方の発表会なので、簡単に理解できるものではない。でも、その中に身を置かせてもらうだけで、私自身が活性化されている感じがしてくる。どんなビタミン剤よりよく効く。
明日からヒル研をコーディネートしていくときの大きな活力となりました。子ども研究員が目指す方向を、これらの研修の成果として語ってやりたいと思います。十分充電できました。
ありがとうございました。