ヤマビルによる土壌の選好性の実験開始 | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

今度は、台風14号にひやひやしながらの研究会になりました。

少しもゆっくり研究させてくれません。取りあえず危機管理をしっかりしてから、研究会を開催することにしました。家で、十分話し合って、万一の時に慌てなくてもいいようにしておくように連絡しました。宿泊の夜の台風情報をみて、二日目どうするかを決めることにしました。幸い、14号は研究日にはまだ近づかないことがわかり、予定通り実施できました。

今日は、小学生研究員がそろってジョニーTシャツを来てやってきました。すっかり研究所のある電車の駅で有名になり、駅員さんと色々交流しています。

地域の人たちも親しみを込めて見てくれていて、先日も子どもたちに食べさせてやってくれ、とジャガイモを沢山いただきました。スイカも時期外れだけれど、よかったらと大きいものをもらいました。地元てヒル研が位置づき始めたのが、とても嬉しいことです。

 

さて、夏休み期間に各地のヒルを送っていただき、ヤマビルはどんな土壌を好むのかの実験がレベルアップしました。すぐ出来たらよかったのですが、コロナで研究所を閉鎖していたので遅れての実験開始です。

昨年までは大型水槽でやっていたのですが、大きすぎて扱いにくかったので小型卓上用を作りました。

アクリル板で底を山形にして両側に土や水を入れられるようにしてあります。選好性実験装置と名付けます。

 

この両側に藤原の土壌と千葉演習林の土壌を入れて、中央に藤原のヒル、演習林のヒル、石巻大六天山のヒル、石巻金華山のヒルを順に10匹ずつ入れて、10分後、30分後にどちらに移動したかを調べています。

10分たってすべてのヒルを探し出し、どちら側にいるかを数えます。そして、そのヒルを再度同じように選好性実験装置にもどします。30分経過したら、同じようにすべてのヒルを探し出します。面白いことに、10分の結果と30分の結果がほぼ同じになるのです。どこの土を使っても、今の所同じ結果になっています。

簡単そうに見える実験ですが、中々手間のかかる実験です。最後の1匹がなかなか見つからず、2時間かかって探し出したケースも度々です。本当に上手に隠れています。特に土の中にもぐっていると見つかりません。

ということで、半日で土壌の組み合わせを変えて再度同じことを繰り返します。

この神経戦のような実験は、どっと疲れます。

 

小学生グループは、先日OB研究員のI先輩から、新しい実験のヒントをもらって実験を始めました。

それは、ヒルの吸盤の直径を測ることでヒルの大きさが決められるというものです。

後ろ吸盤は、長くくっついているので、物差しで測れます。しかし、身長さを測ろう

何度もやっていて、F研究員が新しい方法を見つけました。直接測れないなら、間接的に測ればよい。ヒルを歩かせておいて、その軌跡を測るのです。今まで誰も気付かなかったのですが、これは実にうまくいきます。F君の気付きや発見は、今迄もいくつかあるのですが、さすがです。期待が持てます。集中して研究しているとこのような新発見が生れてきます。この方法は、ヒル研の標準技術としてみんなで使っていきます。

ヒル研は、今迄もこのような小さな発見発明の積み上げで成長してきました。子どもたちが主体的に活動している結果だと思います。

緊張の後は、楽しい夕食が待っています。

今日のメニューは、8月にBBQパーティーをする予定で購入してあった鶏の胸肉を使ってのソテーです。ボランティアのI君とU研究員の作品です。

私が、ご飯に梅干を乗せました。

酸っぱいものか嫌いというF研究員、初めて梅を食べました。素敵な体験になりました。でも、酢を食べるとアトピーになりにくいとテレビで言っていたので、信じて食べましょう。

充実した一日でした。