ヒルは待ってくれないので・・・・・ | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

コロナの感染は相変わらずで、三重県は3000人強、四日市市は700人弱となっています。

先日ヒル研を一時閉鎖したのに、ヒルは待ってくれないので、厳重に管理した状態で産卵をテーマにしている中学生が集まりました。完全バブル方式で研究員の自宅と研究所を移動します。

 

今日しなければならなかったことは、二つあって

一つは、卵塊を2週間たったら切ることになっていたので、その日が来たということです。

卵塊を手術用はさみで半分に切断します。その切り口をカメラで撮影していきます。

ハニカムになっている一区切り(セルと呼んでます)の中が黒くなっているセルと白いセルがあります。黒いセルの中身を確かめるのに、さらに細かく切り出していきます。

上側の大きい塊が、卵塊を半分に切ったものです。約5mmの大きさです。それを半分にしたものが、斜め下の塊です。

一列に並んでいる中央にある黒い塊(左から4つ目)が、一つのセルです。その右側の黒い粒がその中から取り出したものです。なかなかすごい技術でしょう、U研究員が切っているのですが、もう、ピンセットやはさみの先より小さな塊りになっていて、限界まできました。

実体顕微鏡カメラで拡大しながら黒い塊をよくみると、ヒルのような影がみえました。まだ、定かではありませんが、大きさにすると大体0.2mm位かなと思います。前回の解剖結果と合わせると、ヒルはこのセルの中で発生していると考えられます。

来週もう一個解剖して確認しようということになりました。

 

二つ目は、吸血後まだ産卵しないヒルが次々死んでいくことです。3日くらい前から3匹も死にました。変な所が膨らんだり、血を大量に吐き出して死んだりするヒルがいくつかありました。

それを解剖して原因が分かればいいと思い、解剖することにしました。

厳重にゴム手ブクロをはめて感染対策をして、解剖しました。U研究員の執刀ですが、いつもより柔らかである、ということです。でも、出血が大量で、嗉嚢盲管に貯めてあった血が何も使われずにそのまま出て来ているような出血でした。これは、産卵用に栄養分が使われることなく、そのまま残っていたと考えられる。いわゆる食べすぎ状態で1カ月以上たって死んだのではないかと話合いました。産卵前のヒルを解剖したときは、これほど大量の血は出ませんでした。

たくさん吸血して丸々太ったヒルに産卵の期待をたくさんかけていましたが、これは必ずしも正しいとは言えなくなりました。

何事にも適量というものがありそうです。

 

厳重にマスクをして口数も減らして、コロナ対策をしっかりしながら緊張感ある研究会になりました。やってよかったという思いがあると同時に、参加させてない会員に申し訳ない気持ちが交錯しています。

この様な研究日が、後数回開きますが、コロナが急激に収まりみんなにおいでと言える日が来るともっといいと思っています。