ヒルが足りなくなってきました。 | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

今年は、順調に実験が進んでいるので捕獲したヒルの数が足りなくなってきました。どのヒルも、何らかの実験に参加していて、無駄なヒルはいないのですが、ストックがなくなってきました。というものも、産卵実験用のヒルは大きなヒルでないと間に合わないし、御在所と藤原のどちらが棲みよいかを確かめる実験でも、同じ場所で採集したヒルが20匹いります。あまり小さいと数えるのが大変なのである程度の大きさを必要とします。ですから、今年は生れたてや3cmに満たないヒルは捕獲していません。

また、今迄はどこで捕ったヒルも混在して使用していたのですが、昨年度後半から採集地別に梅酒を作る大きい瓶に分けて飼育しています。

そのせいもあって、特定の地域のヒルが必要となってくると、不足が生じてきます。

今日明日は、午前中ヒル捕りに出かけて、午後はそのヒルを使っての実験となります。

 

今日は、私達の一番のホームグランドである藤原のヒルが足りなくなっているので、捕りに行くことになりました。

集合して、その足で藤原に出掛けました。

いつものヒル捕り場に出掛けましたが、この梅雨空の下でもあまりヒルはいませんでした。それで、必要数が足りないのでヒル捕り場から少し下がったところの新しい所に移動してみました。ここは前回の下見の時、非常にたくさんヒルがいるところでしたが、今日は探さないと見つからないという程度でした。それでも、何とか吸血用の大きいものを6匹ほど捕獲できたので、帰ることにしました。

 

計画では、途中の公園でピクニックランチを予定していたのですが、熱中症搬送のニュースがいくつも流れるので、今日は研究所まで帰ることにしました。

 

昼食を食べて少し休憩をしてから、鶏から吸血をさせました。今日は、先程捕って来た藤原のヒルの中からエースを選んで吸血させました。交尾機会を与えるのに昼食休憩の2時間ばかりをとりました。そして、13時半から鶏にヒルを順に9匹つけます。しかし、吸血を拒むヒルもいて難しかったですが、最終的に10匹吸血させました。約2時間から2時間半でまん丸の状態になり鶏からぽろっと落ちてきます。それで吸血終了です。それぞれの飼育瓶に分けて入れました。5週間後が楽しみです。

 

16時から、U研究員が吸血したてのヒルの解剖の二回目をやりました。前回は嗉嚢をメスでひっかけたので、リベンジだそうです。うまくできて、写真に納まりました。

そのあと、6/4に吸血させて体の前半分の色が黄色味をおびたヒルをどうしても解剖したいと、産卵用飼育瓶から取り出して解剖しました。

みんな、その様子を食い入るようにテレビモニター越しに観ていました。

今回の解剖は、嗉嚢の方ではなく膣を取り巻く上半身の解剖です。膣から卵が出て来るのだからその付近は何か大きな変化があるはずです。それをこの目で確かめたいというわけです。みんなには高級すぎる話ですが、彼にとっては重要事項です。メスの葉先に全神経を集中させて頑張っています。

小型カメラからディスプレーに映し出された映像を見ながら、U研究員の解説を聞いていました。何のことかよく分からないようでしたが、U研究員は何らかの手応えを感じたようです。予想が当たっている、とつぶやいていました。

さながら産科のラボの様でした。

 

新入会員もうずうずしてきて、僕たちもということで、解剖の練習をしました。

まだ、背開きのレベルですが、一応様になってきました。ピンで伸ばして開くということがなかなか理解できない子もいて、混乱していました。

でも、前回に続き今回で2度目の解剖実習ですが、新会員のF研究員はなかなかの力をつけてきました。

本日の1回目の上の解剖は、力を入れすぎて切れてしまいましたが、下側の2作目は、大変きれいに解剖できています。

解剖名人とばれる素質があります。期待します。

 

みんなが解剖と格闘している間に、U研究員は自分の解剖を終えてみんなの夕食つくりに励んでいました。今日は、鶏の唐揚げを作ってくれました。

この方の腕も上げて、コンビニの唐揚げより絶対うまいとべた褒めの料理ができました。本当においしかったですよ。

今日は、結構慌ただしい一日となりました。みんなも疲れたのでしょう。宿題タイムが終りお風呂に入ると、早々と休んでいました。

どんな夢を見ているのでしょうね。