ヤクシマビルは、どうなった? | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

2か月ぶりの合宿研究会。今度は、みんなの予定がうまく合わず、全員集合とはいきませんでした。でも集まったみんなは、楽しそうでした。

 

8月末に屋久島から送ってもらったヤマビルは、今、花崗岩か石灰岩が好きかを選ぶ選挙中です。

最近、毎日見ているのですが、息をかけてもなかなか出て来ない日が増えて来て、どうしたのだろうかと心配をしています。

それで、みんなが集まったのを機会にして、一度すべてのヒルを取り出し水槽を洗うことにしました。

まず、普通にして息をかけて出てくるヒルを捕まえて、瓶に移しました。

御在所側(花崗岩)にいたヒル 9匹、  藤原側(石灰岩)にいたヒル 10匹

でした。全部で27匹入れたはずなので、8匹も足りません。

 

葉の裏に隠れているのか砂の中にいるのか、次は、一つ一つ調べてみることにしました。まず葉を出して、一枚ずつ調べてみました。

やはり、隠れて

そこに水を入れて出て来るのを待ちました。水攻めをしているのですね。残酷。

そうしたら、 御在所側から 2匹出て来ました。 藤原側は、いませんでした。これで合計26匹です。1匹昇天したのだろうと思います。

 

水槽の中にはほぼ全員いたわけですから、いつもは息を察知しても、出て来ないものがいるという事ですね。"何もくれないのに呼ぶな"というストライキでしょうか……。

きれいに掃除をして、元に戻していきます。

今までの鈴鹿の山のヒルの実験でも、6月に送ってもらった丹沢のヒルの実験でも、みんな石灰岩側が好きという選挙結果です。

 

でも、屋久島のヒルの実験結果は、御在所側 14匹、藤原側 12匹、行方不明 1匹という選挙結果でした。

屋久島のヒルは、両方が好きというのかどちらも気にしないということなのか、それとも順応性が高いのか、いろいろ議論になりました。

屋久島は火山島なので、そこで生まれたヒルは花崗岩層以外は知らないはずです。もし、鈴鹿の山のヒルの行動様式を当てはめるなら、今回の実験結果は御在所側に沢山集まって、藤原側にはほとんどいなくなるはずですね。でも、結果は違いました。

ここに、大きななぞが隠れていそうです。

 

今年のヤクザル調査隊の総括集会で、僕たちの考えをまとめて発表したいと思っています。よろしくお願いします。

Y研究員は、それを断定できる実験を密かに思い描いているようです。何か、ヤマビルの進化の過程を調べる大テーマが出来上がっていきそうです。

いよいよ、僕たちも屋久島に行って研究しないといけなくなってきますね。

がんばれ、研究員。

屋久島でヒルを集めて送ってくださったヤクザル調査隊の皆さん。ありがとうございます。総括集会でお目にかかれるのを楽しみにがんばります。