産卵床の中のヒルの中間報告(第11回ヒル研) | 子どもヤマビル研究会

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2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

今回は、ゆったりとした時間の中で、継続観察の途中経過を見ています。

丹沢のヒルの実験と並行に、産卵実験の継続観察中です。

昨年までの経験則の積み上げて、かなり科学的な産卵実験レベルに上がって来ました。

 

昨年度見つけたのは、吸血後約5週間で産卵しもその後幼生が生れるまでに約20日かかるということでした。

これが分かったことで、実験計画を立てるのにゆとりが出来て、観察周期も計画的になりました。

しかも、飼育瓶を振ったり強い光を長時間当てたりするのは厳禁で、静かにそっと見守ることが大事ということも分かりました。

そのような注意を払いながら、7月3日にセットしたヒルは、今どのようになっているのかの観察です。

それぞれの瓶に十分吸血したヒルが3匹ずつ入れてあります。

残念ながら、一瓶だけ全滅した瓶がありますが、後は全部大丈夫です。

 

No1の瓶は、間違えて入れたようで、4匹も確認できました。その1匹です。

No2の瓶は、上からは見えません。そっと葉を浮かすと裏側で休んでいました。

No3の瓶は、杉の葉の下でじっとしていました。

No4の瓶と5、9の瓶は、ミズゴケが入れてあります。ミズゴケの中に潜り込んでいます。

この環境の方が住み心地がよさそうです。

No6、7は、再び腐葉土や葉っぱが入れてあります。カメラのライトを嫌って、すうーっと葉の下に移動していきました。

No8は、三匹並んで仲良く臨月を待っています。

よく見ると、体の先端付近から色が変わりかけたヒルが数匹確認できました。

これは、産卵の可能性があります。

体の中で卵塊の基が作られているものと想像しています。

ヒルの解剖結果から、嗉嚢付近で作られているようで、膣のすぐ傍です。今年、何匹も産卵できるようなら、その中の1匹を解剖して調べてみようと思います。

 

3週間たって、産卵の期待値が上がって来ました。

お世話になっている猟師さんにも、この成果をお届けしたいと思っています。きっと一緒に喜んでくださると思います。