今日は、みなさんに予告しました、「ヒルvsカエル」のバトルの動画を解析するのが最初の仕事でした。
8時半に皆が集まってきたので、早速パソコン画面をテレビ画面に写して、どんな写真が撮れているかをドキドキはらはらしながら見ました。
1分ごとにシャッターを切っているので、枚数的には膨大なものです。それをスライドショーにして見ると早送りの映画になります。
水槽内に実験をセットしたのは、先週5月16日の16時ころです。
初めは特に何もなく、カエルも静かに座っていました。
20時ころから、カエルが積極的に動き始めるとヒルもそれに合わせてカエルを攻撃し始めました。
容量の都合で動画にはできないのですが、カエルの周りで6匹のヒルが攻撃しています。
いま、ちょうどカエルを探り当てたヒルが攻撃しています。が、カエルは素早く逃げて無事でした。
今度は、カエルの背後から二匹のヒルが忍び寄っています。
このような繰り返しが、明け方まで続きました。太陽が昇り始める、朝4時ころには休戦状態になり、静かになりました。
昼間はずっと、この休戦状態が続きカエルは砂の中に体半分もぐったり、ヒルも砂に体を隠したりという光景が見られました。
再び、夕方になり8時が近づくとカエルの活動が激しくなり、ヒルもそれに合わせて活発にカエルを襲います。
16日の16時から19日の15時までの観察ですが、毎日同じくらいの時刻に同じようなことが繰り返されました。
水槽の中は、まさにヒル地獄です。頑張ってカエルも7時間ばかり耐えている思いました。
その間に、吸血されたかどうかは、定かでありません。とにかくカエルが激しく動き跳ね回るので、ヒルがなかなか取り付けません。
この動画を見ながら、みんなで話し合いました。
カエルは夜行性で活動し始めると運動量が多くなり、二酸化炭素も沢山排出される。するとヒルがその微妙な変化に感づきカエルの方に近寄っていく。カエルは変温動物なので、熱を発することはない。ヒルが探知できるのは唯一二酸化炭素。鼻の方をめがけてヒルは進んで行き、あとは首を振りながらカエルを探している。カエルの体に触れると、カエルは驚き飛び跳ねる。このことの繰り返しが延々と続く。
このバトルは、カエルの習性をヒントに、T研究員の主導でまとめ上げられた結論です。
さて、そこで新しい問題が生まれました。去年の5月23日のブログを見ていただくと分かるように、ヒルはカエルに吸いついて吸血しました。今回は、そういう場面は見られませんでした。これは、カエルが大きく元気がいいというのもあるが、広く動き廻れるのでヒルが吸いつく暇がないのでは・・・・・。それなら昨年のように小さな瓶に入れて動きにくくしてヒルを入れようという計画を立てました。
午後になって、少しヒルを捕りに行くことにしました。しかし、今日はどうしたことかヒルはほとんどいなかったです。いろいろ探したのですが、どこにもいませんでした。
困っている私たちを見透かしてか、T君の足にヒルが付いていました。ほら、ここにいるのにという表情をしていました。
折角付いたのだから最後まで吸わせてやろうと、心優しいT君は静かに見守っていました。あとは、飼育瓶に移して観察対象になりました。
仕方がないので、前回捕ったヒルの中から代表を6匹選んで小さめの飼育瓶に入れて、観察することにしました。今日はアマガエルしか捕れず2匹入れました。前回のカエルは、しばらく休ませることにして、今回は新しいカエルでやってみることにしました。これで、少しはカエルが動きにくい環境になるので、吸血するヒルが映らないか調べることにしました。
ただ、今回トノサマガエルは見つからず、アマガエルなので上下の移動が上手だから、ヒルは取りつかないかも知れません。合宿研究会のときトノサマガエルを探して、再度同じ実験をしてみようと思います。
午後の研究会は、予定がいくつか外れて、まとまりのない半日になりました。でも、新発見があって楽しい研究会でした。