何とかこぎつけた今年最初の研究会 | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

各地に緊急事態宣言が広まるなか、感染対策を十分とって第1回の研究会を開催しました。

もうこれ以上開催を延期すると、ヒルの出現ピークを過ぎて実験が1年間できなくなるので、規模を縮小して実施することにしました。

本来なら、遅れを取り戻したいので、宿泊研究会にしたいのですが、三密を避ける意味から、もうしばらくは、日帰り研究会にすることにしました。

 

今年は、新しく4年生のK君が入会してくれて、少しにぎやかになります。中学生3人と小学生1名という構成です。

中学生一人は、明日から定期考査なので欠席となりましたが、後は元気に8時半に集まって来ました。ボランティアも、仕事の合間を縫って来てくれました。

1年間、研究記録を閉じていくファイルを作成してから、研究計画を練りました。

いろいろな方にお世話になりながら、新しい発見を求めて研究の骨組は、2月に集まった時に作っていましたが、コロナの感染拡大によって、ままならなくなりました。それで、このような中でもやれることから始めようと、計画を練り直しました。

それは、カエルとヒルの関係の実験です。一昨年、東京農工大院の森嶋さんが発表されたカエルとヒルの宿主の関係を調べることにしました。

幸い、3週間ほど前に私が仕事の合間に捕まえて置いたカエルがいるので、それを使って実験することにします。


これは、トノサマガエルと思われますが、体長約6cmの大物です。

これを別の水槽に移して、底に砂を敷き、カエルを入れて、ヒルを6匹放す。どのようにしてヒルはカエルを見つけるのかを動画を撮って調べる、という計画です。

ヒルはカエルについて吸血するのは、去年確認しています。でも、あの時は、狭い瓶にカエルを3匹も入れてヒルを放したので、探さなくてもカエルを見つけることが出来ました。でも、それは自然界とは違うので、もっとカエルも逃げ回れる空間に置いて確かめることとしました。

 

実験装置をつくり、昼食となりました。

みんな持参した弁当を食べながら、新学期の情報交換をしていました。

午後から、何時もの山に出掛けて、ヒルを捕ることにしました。渓流釣りの人から、今年はこの時期ヒルが少ないという情報が入ってきて、もしかしたら空振りかもと心配しながら、出かけました。

あいにくの雨。駐車場で気温20℃、地表面温度14℃、湿度80%という気象でした。カッパを着て林道に入りました。

直ぐ道端で、新入りのK君がヒルを見つけて、捕獲方法を指導するまでもなく上手に捕まえていました。おしゃべりしながら歩いているうちに数匹ゲットしていました。すごい。毎年最初のヒルの発見者は新入りの研究員です。

いつものヒル捕り場に着いたら、僕たちが来るのを待っていてくれたかのように出てきました。少し息を吹きかけると、にょきにょきと中~大サイズのヒルが次々出てきました。

30分位で、予定の50匹に達したので、帰ってきました。

この中から、元気で大きなサイズのヒルを6匹選抜して、カエルの水槽に投入しました。

ヒルの代表と蛙の代表のバトルです。もしかすると、ヒルはカエルに食べられるかも知れないという心配も出て来て、動画に写らないか楽しみになってきました。

カメラをセットして、とりあえず3日後に一度調べてみることになりました。

入れて30分ほどの間は、ヒルは私たちの呼気の方に興味があるので水槽の上の方に集まって、脱出を試みようとしていました。カエルは、何か変わったことでもあるのと言う感じで外を眺めていました。何もおこらない平和な光景です。

まだ、一度も試みていないので撮影データがなく、カメラは1分間のインターバル撮影になっています。

 

子どもたちは、コロナ対応ということでいつもより早く帰ることにして、来週感染が拡大しない限り集まる案内をするとで別れました。

何か、すっきりしない、満足感が伴わない一日でしたが、研究のとっかかりはできました。コロナの性なので、我慢の範囲ですね。

 

まだ、今年もこのブログでいろいろ情報を発信できると思います。