今年度のヒル研にとっての最後の大イベントがあった。京大霊長類研究所の「ヤクザル調査隊総括会議」に加えてもらったことだ。
今年2月に、東農工大の院生だった森嶋さんのご紹介で、ヤクザル調査隊とつながりが出来た。わたしたちにとって、大学の研究者と接点が持てた所で、大変大きな力を頂いた。
屋久島のヒルの情報やヤクビルの提供を受け、私たちの研究は、深まった。
京大の半谷先生から、今年の活動の様子を発表するようにとのお誘いを頂き、お受けすることにしました。
前回の研究日に、今回の発表の骨子は作れたので、今日は、土曜日午後からの集合にした。
そして、ズーム会議の練習をして問題点を洗いなおした。
時間は十分あるから、説明を丁寧にしなおす所を何か所か直した。
そして、久しぶりにゆったりとした夜を迎えた。
20日の朝、Y研究員がもう一度練習しようとみんなを誘い、練習した。
会の雰囲気を知りたいので、半谷先生にお願いして、10時ころから会議室にいれてもらった。何やら難しい話をしておられた。サルの広がりと食べ物の関係の話のようだった。発表者は、サッパリ分からない数学を使ってそれを説明しておられた。数学の方が考えやすい方のために、というタイトルがついていた。そうか、数学という一つの思考言語を使って考えている。そのために数学を勉強しているのだと、研究員に説明したが、ちんぷんかんぷん。かくいう私もちんぷんかんぷん。でも、何やらサルが増えたり減ったりしているようすを聞いて楽しんでいた。
その間に今までやり残していた解剖したヒルの干物をラミネートする作業を並行して行った。
だんだん干物の資料作りも上手くなり、嗉嚢盲管に血液がたまっているものを何体かあった。素晴らしい資料だ。
少し早い昼食を食べて、会の始まるのを待った。12時ころまでは、みんな余裕をかましていたが、開始時間の13時か近づいてくると、いろいろ緊張感が増してきたようだ。そらそうだろう、テレビの向こう側は大学の先生や大学院生、大学生が並んでおられるのだから‥‥。
13時きっかりに半谷先生の呼びかけで始まった。
ヒル研の本日のリーダはY研究員なので、司会をしながら進めていった。
2016年の活動から概略を説明していった。いろいろな発見を紹介して、2020年の様子まで来て、次はヤクザル調査隊とのかかわりの深い花崗岩の山より石灰岩の山の方がヒルが多いということを証明した3年前の発表を、T研究員がした。T研究員は、今日の一番中心の話題提供者なので、ていねいに鈴鹿の山のヒルの分布と屋久島のヒルの話を結び付けて、一所懸命話していた。
そのあと、今年の僕たちの大きな成果であるヒルの産卵の話を、S研究員がした。
幼生が卵塊から生まれてくる動画を見せたのが驚きのようだった。
質疑が始まって一番最初の話題がこの卵の話からだった。
そして、いくつかの質問も卵関係の話が多かった。頑張って、質問に答えていた。質問は何が出て来るか分からないけれど、答えられる範囲で答えるように言ってあったので、頑張って答えていた。
すごい力だと思っている。
物おじせずに、それはまだやってませんとか、それは僕たちが見て確認しましたなどと、立派でした。ぼくたちは、このように考えています、というような意見も述べていた。
話が進んでいくと、ますます屋久島との関係性が浮き彫りになってきて、来年は僕たちが屋久島に行って調べてみたいです、と調査に行く話まで飛び出した。
1時間近く、この緊張状態に置かれた子どもたちは、ひとまず終了しますとの半谷先生の言葉を聞いてどっとへたり込んでいた。
今日の会議では、その後半谷先生のヒルの研究についての話が続き、沢山の勉強ができた。大学の先生方は、iDNA解析というような私達ではできない手法で、ヒルと動物との関係を回名称とされていた。ぼくたちは、僕たちなりの、出来ることでヒルとの関係を追及していくのだか、いろいろ大きなヒントが見つかり、来年度に向けての課題になりそう。
今年度のヒル研にとっての最大のイベントだったヤクザル調査隊総括会議は、私たちにとって大きな刺激と今後の見通しが持てた。
お誘いいただいた半谷先生に感謝申し上げるとともに、ヤクザル調査隊の皆さん、今後ともよろしくお願いします。
今日は、子どもたちも疲れ果てて家路につきました。仲間の片隅に入れていただいて、ありがとうございました。
素晴らしいクリスマスプレゼントになりました。