基礎技術を身につけよう(第11回ヒル研) | 子どもヤマビル研究会

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2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

朝6時になりました。よい子ちゃんの起床時刻です。宿泊研究2日目です。

みんな、昨夜はぐっすり眠れたようで、何時もと同じくらいの感じで目が覚めました。最近は、名前を呼んでやれば、起きるようになりました。

 

朝食の準備担当は、R研究員。キャベツの切り方から油でいためるまでの全工程を実習しました。朝食は、シリアルなので、副菜を作ったことになります。他の研究員は、少し散歩に出かけていました。天気も良く、清々しい朝の散歩になったようです。

食後は、昨日時間がなく、やり残してしまった学校の宿題をする時間です。漢字を練習する子、数学の問題をやる子、社会や理科のプリントをする子とまちまちです。一通り終わったことを確かめて、今日のヒル研の課題に入ります。

 

小学校で習った解剖顕微鏡、ちょと古いのが3台あるので、一人1台ずつ割り当てて使い方の練習です。

各部の名称とその働きを一つ一つ確認しながら、進めました。ちゃんと授業を聞いていたようで、名称を覚えていました。

そのあと、実際顕微鏡下でヒルの解剖をすることにしました。

細かい作業をするので新兵器を購入しました。柄付き針です。一人に2本あります。

<ヒル研は貧乏所帯なので、これは高価な備品なんです>

その使い方を説明した後、実習になりました。

まず、いつものようにメスを入れます。

内臓の切り取りたいところに行ったとき、柄付き針を使用してはじくように開いていきます。そして、メスも併用して更に切り開きます。

「わぁっ、よく見える」

興奮気味に仕事を進めていきます。

順にピンを刺して固定して、1時間ばかり解剖の練習でした。今までとは高度な解剖です。集中力のいる仕事です。

昨日とは違って、自分の能力を発揮しながら進めていました。次回は、目的を持って、例えば、膣を取り外すとか、消化管を引っ張り出すとかしてみたいと思います。

ただ、学校ではあまりやってないので、この使い方がよくわかってないことも判明しました。

解剖のための機器ですから、ステージに検体を乗せてレンズを通して切るのですが、研究員はまだ、虫眼鏡のように使っています。顕微鏡から外して、切ってからステージに乗せて見る。つまり、確認のための解剖顕微鏡なんですね。見ながら開くのではないのです。初めてなので仕方ないですが、順に練習していきます。スケッチもそのうちに取り入れます。

今日の出来栄えに満足して、昼食になりました。

昼食は、差し入れてもらった宮崎牛のレトルトカレーをいただきました。ごちそうさまでした。

 

午後は、再度カエルの被吸血実験をやろうということにしました。この前カエルが吸血されるシーンは、突然のシャッターチャンスだったので、偶然撮れた写真でした。今回は、きれいな瓶に入れて写真が撮りやすいようにして、撮り直そうということになりました。トノサマガエルの大きいものを見つけないと見栄えが悪いので、田んぼの水路に特大のトノサマガエルを探しに出かけました。

ほとんど、カエルは水田にいなくなっている時期で、真剣さがしたら、1匹大きいのがいました。しかし、取り逃がしてしまいました。

捕れたのは、親指くらいのカエルが2匹でした。

早速、持ち帰って観察瓶にいれました。

ヒルが3匹ずつ入っている瓶にそれぞれ入れました。

「かわいそうに。地獄に行くのだ。実験のためだから勘弁しろよ。来世は、人間に生まれて来いよ」

なんて、時代劇のように声掛けして、カエルを入れました。

前回は、すぐヒルが付いたのですが、今回はカエルの方が強くて、ヒルが近付くと後ろ脚で蹴とばしていました。

カエルにはちょうど30分、地獄を経験してもらったのですが、このまま来週まで入れておくのは忍び難いので、解放してやることにしました。

今回は、口はカエルに付いても後ろの吸盤が瓶にくっついているので、飛び跳ねられるとカエルから離れてしまいます。こんな動画を何本も撮らせてもらいました。

でも、はっきりしたことは、ヒルはカエルを探して吸血に行くという事実です。真ん中の写真を見てもらうと、その様子がよくわかります。蹴とばされても、蹴とばされても何度でもカエルに近づいていきます。

研究員も飽きずにずっと観察していました。

帰る時刻になったので、カエルを取り出して「娑婆に生還」と言いながら、逃がしてやりました。ヒルも、みんなのいる瓶に戻しました。

 

でも、大きなトノサマガエルを捕まえて、ぜひもう一度やりたいですね。