第7回は、ヒル捕りデー | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

急遽予定がかわり、今回は宿泊なしの研究日。次回の実験のためのヒル捕りデーとしました。でも、毎回いろいろハプニングがあるのですが、今回も例外ではなかったです。

 

最近ずっと晴れが続き、気温は高いのですが、乾燥しきっています。どこにヒルを捕りに行ったらいいのか、昨夜は考えました。そして、決めたのが、藤原ではなく、宮妻峡でした。

何時も湿っていて、ヒルがたくさんいるところは、カズラ谷入口です。以前はよく捕りに行ったのですが、藤原を知ってからは、遠ざかっていました

久し振りに来てみると、いるいる。かなり大きいものがいます。

今回のヒル捕りは、次回の産卵させるための吸血実験をやることになっていて、それには成熟した大型のヒルがほしいので、特化して集めます。研究員も、久し振りに熱が入り、盛んに大物ねらいをやっていました。

もう、特大がにょきにょき出てきました。

みんな大喜びでした。

ヒル研が、ジョニーさんの工場の片隅を借りて再出発したとき、いつも、ヒル捕り場にしていたところなんです。言わば、ヒル研の原点なのです。

そのころは、ヒルの生態や拡散について、確たる知識もなく、ただ、実験のためにヒルを集めていました。

しかし、5年を経過した今、この山のヒルの分布もわかり、ヒルの生態もかなり解明できて、ここに大きなヒルがいるはず、と見当をつけて見つけることができるようになりました。

 

そうこうしていたら、10人くらいの山登りの団体が登山口に来られました。

「ヒル研の皆さんですか」

と声を掛けられました。

マスコミ関係の山の愛好家の方のようでしたが、僕たちの存在を知ってくださっていて、嬉しかったです。すこし、ヒルの広がり方の話をして、記念写真を撮って分かれました。ヒル研の存在を知ってくださっていて、嬉しかったです。

そのあと、カズラ谷のコースを300mくらい進むことにしました。ここは、ヒルが沢山いる薄暗い山道なのですが、今日は、乾燥していて明るい道に代わっていました。

よく見ると、自然災害でがけが崩れ、そこにあった杉の木が軒並み倒れて、青空が見える景色になっていました。これでは、ヒルは棲みにくいので、場所を変えたことでしょう。

もう、必要量のヒルは確保できたので、

お昼タイムとしました。

昼食中に、ポッサムの足に付いていたと思われる丸々太ったヒルがのそのそと出てきました。

このヒル、まったく吸血意欲はなく、手や足近づけても、見向きもしない状態で、隠れ家になるところをさがしているようでした。

10分くらいシートの上を歩き回っていたのですが、突然お尻の吸盤付近から出血し始めました。

そして、どんどん出血していきました。

そのあと動かなくなりました。出血は、肛門側です。口の方は、出血していません。

余分な血を捨てている。そんなことってありか。などいろいろボランティアと観察していたのですが、子ども研究員は全く興味なし。

これは、今後大きな研究のヒントがあるかも知れないのに・・・・、

 

今日は、30℃を超え熱中症に気を付けるようにTVは予報していたので、水着を用意していました。

ご褒美タイムというところでしょうか。しばらく遊んだのですが、水がとても冷たく、入るのにはかなり抵抗がありました。

 

そろそろ引き上げようかとしていたところに、ツーリングを楽しんでおられる二人の中年の方が来られました。

何をしているのかと尋ねられたところから、話が弾み30分くらいヒル談議が始まりました。

ヒルを捕って研究していると答えると、あの長いヒルですかという話になり、どうもこの方はヤマビルをご存じないことが判明。今捕ったばかりのヒルを見せました。その方も、スマホの写真を見せてくださって、それはコウガイビルであることが分かりました。コウガイビルは、血はすいませんし大きいですと説明しました。家の周りに、沢山いて、他人から血を吸われると言われたということでした。

以前にも、コウガイビルをヤマビルと思っておられる人に会ったことがあり、世の中にこの思い違いの人もかなりあるのではと想像します。

 

しばらく遊んで研究所に戻り、いつものように飼育ビンにヒルを移し替えました。

もう、去年までのように大騒ぎするのではなく、静かに移し替える技術を確立しました。催眠術をかける、という合言葉か゛できました。

でも、今日のヒルの捕獲の中にすでに吸血していると思われるものが、3匹ほどみつかりっていました。それだけは別の飼育ビンで飼うことにしました。

 

今日は、ヒル捕りが目的の一日でした。目的は十分達成できて、更に何人かの人から声をかけてもらい、有意義な一日になりました。

いよいよ来週は、このヒルたちに活躍してもらう大実験開始となります。期待が膨らみます。