新型コロナの性で、開催が危ぶまれていたのですが、最初の非常事態宣言が延長になる前に、そっと山にヒルを見に行きました。もう、ヒルは、活動体制で私達を待ち構えていました。
私達子どもヤマビル研究会は、ごく少人数の組織で、山の中で活動するので、細心の注意を払って開催することにしました。部屋には、ナノクロ2を規定量の倍設置してウイルス除去対策を施し、マスク着用、アルコールの消毒、換気に配慮してドアは開放、三密にならないように気を付けて活動開始しました。
第1回なので、保護者も含めて年間計画の説明や諸連絡をしました。そのあと、早々に何時ものヒル捕り場に出掛けました。
天気は小雨、気温20℃、湿度70%、地表面温度16℃と、ヒルが出て来る条件は整っていました。
何時ものヒル捕り場に向う途中、早くもヒルを発見。それらを捕りながらヒル捕り場に着くと、結構大きいものが次々出てきました。ざっと50匹はいました。
昨年見つけたヒルスポットも見に行きました。
ヒルスポットでは、去年ヒルを捕り尽くしたので、今日は、ヒルはとほんどいませんでした。それで、T研究員の発案で自然界にヒル密度の濃い所を作り、産卵実験がしたいということで、今日はその準備を始めました。
帰り道、今年から観察地点に追加した水の働きで拡散することはない場所に立ち寄りました。
それは、鈴鹿山脈の扇状地になっている高台で、ヒルが水の力では広がるとは考えられない集落です。その民家から、ヒルがいるので見に来てほしいという依頼があり、今年から調査場所に入りました。
この民家の裏庭へ行くと、研究員たちは、直ぐヒルを見つけました。結構大きめのヒルが次々出てきました。その場所は、中央の大きな木の下です。この木は絶滅危惧種のニッケイの木です。少し離れると、ヒルはほとんどいないのですが、木の下だけは、結構見つかりました。30分ほどの間に17匹のヒルを見つけました。全部捕獲瓶に入れて持ち帰りましたので、ここの住人の方も被害は減ったはずです。少し間を置いてまた、おじゃまして、カメラをしかける予定をしています。
研究所に戻り、昨年から越冬実験用にヒルを入れていた水槽の中を調べました。
砂の中や葉の裏にこびりついて死んでいました。去年は、生きていたのですが、今年は乾燥しすぎていたようで、残念でした。
水槽の掃除が終わり、今日捕ってきたヒルを入れることになりました。
フィルムケース1本に平均10匹は入っているので、今日の捕獲数は、約70匹というところです。
ちょっとグロいですね。
T研究員が、移し替えは俺に任せておけ、と胸を張って言いました。
去年までの経験から言うと、みんなで一斉に水槽の中にフィルムケースからヒルを出して投入します。そして、水槽から逃げ出してくるヒルを水槽の底に落とします。この操作を何人かで同時に行いながら、移し替えをしていました。大変な作業です。それを一人でやるというので、何か秘策を思いついたのでしょう。
T研究員は、マスクをしっかりつけて、水槽のそばに静かに座り、水槽から少し離れ気味に構えました。そして、ヒルを静かに水槽に投入していました。去年とは、全く逆の方法です。静かに傍で見ていると、空気を乱さないように、粛々と移し替えていました。ヒルたちは、催眠術にでもかかったかのように、水槽の中の葉の上でじっとしていました。これは、すごい技術だと思いました。ヒルの習性を理解しての技法です。15分くらいかかって、70匹ほどを移し替えたのですが、一度もふたを閉めることなく終了しました。凄い。
これ以上は、企業秘密ということで、ここでは内緒にしておきます。彼が、任せておけと言った理由は、これだったのですね。凄い。
コロナの影響下で、子ども研究員は頑張っています。正しく恐れて、細心の注意をはらい、今日から研究のスタートを切ります。今年もよろしく゛いします。