昨年12月に、以前からメールでは数回やり取りさせていただいていたヤマビルの研究者のMさんからメールが入りました。
今度、ヒル研を見学に行きたい。そして子どもたちとも交流したいというリクエストが入ってきました。
大学の先生や大学院生のみさんが、こんなちっぽけな研究所を見学に来られるということで、ちょっと、否、かなりびっくりしました。でも、普段の姿を見てもらったらいいのだと、お受けすることにしました。だんだんお客様の人数が増えて、最終7人にもなりました。当研究所のキャパを越えそうでした。机も取っ払い狭い部屋に入っていただきました。
前日から研究員は泊り込んで、いろい準備・打ち合わせをしていました。
予定通り9時半に、車でお越しいただきました。簡単にご挨拶と自己紹介をして、直ぐヒル捕り場へ御案内しました。
子ども研究員が、ここで研究している中身をいろいろ説明していました。先生方も、うまく質問してくださるので、結構盛り上がっていました。
ヒルは、山の中どこにでもいるのではなく、この獣道の下りてきたここにたくさんいます。
今まで、これを理由にヒルは獣について運ばれてきたという説が生まれたのでしょう。
でも、僕たちは、これは水の流れで上の方から落ちてきたのだと考えています、と説明していました。
既に、ヒル研のブログでも見てくださっているので、なるほどここがこうなのねという風に、確認をしてくださっていました。
ヒルが水で流れる証拠を見つけた場所では、ヒルは水の中でおぼれないのかとか流されてどうなるのかというような質問が出ていました。実際ヒルを流した時の様子を説明していました。実験で48時間くらいで、全部死にました、と事実に基づいて説明できていました。
そのあと、この山のヒルが流れていくヒルのたまり場のような所に案内しました。
H研究員が、是非案内したいと気にしていた場所です。
ところが、まだ気温も10℃を越える日も少なく、ヒルは99.99%出で来ないと言っていたのですが、予想に反して0.01%の出来事がおこったのてす。
このように水が流れて来て、ヒルの時期にはここでたくさんのヒルが捕れます。水によって流れてきたのだと考えられます、と説明ををしていたH研究員が、足元にヒルを見つけました。
研究員たちが驚いて周囲を見たら、結構何匹がヒルが出できていました。まだ、日向ぼっこという感じで吸血相手を積極的に見つけようとする感じではないようでした。でも、中には、お客様の足に上っているヒルまでいました。
ヒルの取り方も実演しながら、手のひらに乗せて、いろいろ話をしていました。
このハプニングで大変盛り上がり、お客さまも含めて、ヒルの研究者の仲間という感じが出来上がりました。
何か一つになった感じを強く感じで、今日はいい日になった、良かったと思いました。
故山中先生(東大千葉演習林)の「ヒルをやるものは、みんな仲間だ」と言っておられたのを思い出しました。
それにしても、大学に先生や大学院生を相手に、堂々と説明している研究員を見て、改めてそのすごさを感じました。
小学生が、大学の先生方を相手にヒルの説明をするって、これってすごくないですか。原稿を書いてそれを読むというやらせではなく、一人一人の研究員が自分が経験してきていることを自分の言葉で説明してるのです。これって主体性の具現化したものではないですか。
そのようなことを自問自答しながら、午前のフィールドワークは終了して、研究所に戻って昼食となりました。
<続く>