四度目のトライ 食紅実験 | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

ヤマビルは、年に1度血を吸えば生きていけると言われていますが、昨年度Y研究員が50匹のヒルを解剖して調べた結果、ヒルは年に一度ではなくお腹がすいたら何度でも吸血しに来るという結果を発表しました。

そうなると、更に血を求めてたくさんのヒルが、動物が来てくれるのを待つことになります。でも、そんなにたくさんの動物が来てくれることは考えにくいので、何か他の物を食べて命をつないでいるのではないかと考えています。

一番可能性が高いのは、腐葉土です。多分ヒルはミミズの仲間なので、落ち葉や腐葉土を食べていると予想します。それを検証するのに、今年は植物繊維で作られているパルプで作られているろ紙を食紅で染めて、それを葉の代わりに入れることにしました。もし、食べていたら、解剖して食道を調べたら色がついているはず、という仮説の下、8月から何度も飼育実験をしました。

暑さでやられたり原因不明で死亡したりして、明確な実験結果は出ませんでした。今年、最後と11月10日にセットしました。

 

1カ月を超えたので、今日は、それを解剖して結果を見る日です。赤色と黄色の食紅を使った瓶の中に3匹ずつ入れていましたが、生きていたのは半分でした。食紅使ってない飼育水槽のは、殆ど死んでないので食紅がよくないのかもしれません。

生きているヒルを取り出して、午後1時半から解剖に取り掛かりました。

もう、何度も解剖はやっているので、上手に手早く開いていきます。

でも、私たちが見たい食道は、髪の毛くらいの太さなので、なかなか、思うように視野に入ってきません。多分これかな、もう少し切ってみよ

うと

話合いながら食道をさがしました。先輩ボランティアが、パソコン画面でチェックしながらT君に指示をしていました。

もう、私たちが持っているメスや装置では限界のようです。

上が口です。中央を通っている白いチューブが食道です。真ん中から上の方が、少し黄色くなっているように見えますが、食紅のろ紙を食べたとは判断できません。

どうもこの方法では、血以外の物も食べていると証明するのは無理なようです。また、新しい方法を考えてみようと思います。

 

また、今日は、来年の活動場所を提供して下さるも元県立高校の校長先生宅をみんなで訪ねました。先生は、植物分類学の権威でわたしたちを歓迎してくださいました。ここ数年ヤマビルが急に増え、私の研究フィールドにもいつもヒルがいる。どのようにここにやって来たかを調べてくると嬉しいという宿題をもらいました。

来年度の計画に入れることにしました。視野が広がりそうです。このブログで報告していきます。