12月に入り急に冷え込んだので、もう、ヒルを見ることはないでしょう。その気象状態を利用して、ヒルスポットの調査に出かけました。
今年ヤマビルの活動期に、ヒルがたくさんいる平らな所を見つけ、ヒルスポットと名付けました。20m×20mくらいの広場で、一歩足を踏み込んだら、うようよヒルがいました。そこが、私たちの観察場所の一つになっています。
さすが、ヒル研のメンバーも、自分の足に上がってくるヒルを振り払いながらの研究はできませんでした。
ヤマビル忌避剤を使えばいいのだろう、と言われそうすが、それを使うとヤマビルが死んでしまうので、実験に影響が出ます。ですから、この時期まで待って、じっくり現場を調べようというわけです。
仮説は、夏場にあれほどたくさんのヒルがいて、しかも、生まれて間もない0.8cmくらいのものから6cmくらいの大きなものまで各種いました。ですから、このヒルスポットには卵塊があるはずだ。もう、ヒルは産まれてしまっているだろうけれど、その卵の抜け殻はあるはずだと、考えました。それを時間をかけて見つけようということです。
この場所で数個の卵塊を見つけ出すことが出来れば、ヒルスポットはヤマビルの増殖スポットになるということになります。大発見です。
8時半に研究所に集まり、オリエンテーションをしました。体験入会の小4の子も、元気にやってきました。
この映像は、飼育瓶の中で生まれた卵塊の写真ですが、腐葉土の中に半分くらい埋まった状態で産み付けられました。
自然界でもこのようだとすると、ヒルスポットの落ち葉をそっとどけて、腐葉土をしっかり調べたら見つかりそうです。
今日は、とても根気がいる調査になります。2時間、集中してこのヒルの卵を捜しましょう。見つかれば大発見になるよと、モチベーションを高めて、いつもの場所に出かけました。体験のI君もお母さんと別れて、みんなと仲良く捜索隊に加わりました。
現場に着くと、外気温12℃、湿度60%、地温6℃ということで肌寒く、ヤマビルは、もう出てくることはありません。安心して、卵を捜すことが出来そうです。
500mくらい林道を上りそこから登山道に入りました。そして、ヒルスポットに着いたのは9時30分頃。
みんなは、それぞれここだと思うところで卵塊探しを始めました。
この広場で数個の卵を見つけるのは、大変なことです。、卵は、直径1cmくらいですから、簡単に見つかることはありません。
30分くらい経ったころ、I君が「イモリの子供を見つけた」と持ってきました。体長2cmくらいの黒いものでした。私はよくわからなかったのですが、同行していたケーブルテレビのディレクターが、「これは、サンショウウオだ」と教えてくれました。彼は、家でサンショウウオを飼っているようで、山の湿ったところにいる種類だそうです。思わぬ発見がありましたが、肝心の卵は隅々まで探したけれど、残念ながら見つけられませんでした。
ヒルが上ってこないので、腰を落ち着けてゆっくり探せたのですが、残念でした。多分、何度も降った大雨で流されて行ったか、土に埋もれてしまったのかわかりません。
来年ハイシーズンに、再度探してみます。
しぜんは、人間の思い通りにはならないことを思い知った半日でした。