菰野富士にもヒルがいる | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

昨年、T研究員が藤原自然科学博物館の研究発表会で、同じ鈴鹿山脈なのに藤原と御在所ではヒルの多い所と少ない所の違いがあるのはなぜか、というテーマで発表しました。

その概要は、山を構成する岩石の違いである。藤原は石灰岩で御在所は花崗岩でできている。その結果そこを流れる水のイオン濃度(pH)が違うということを見つけて、発表しました。地図の青色の所が、石灰岩です。上の方が藤原で下の方が御在所です。

今日は、その御在所岳の近くにある菰野富士に、ヒルが多いという情報を聞き、調査に出かけます。

 

久しぶりに全員揃っての調査研究です。朝の打ち合わせで、この冬に鈴鹿の地質に詳しいT先生宅を訪ねて、下調べしたことを確認して、出発しました。

はっきりしていませんが、左側中ほどが湯の山温です。地図の山の字の所の青色が石灰岩の所です。その付近が菰野富士になるので、石灰岩の露頭を探し出すのを第一目標に、そしてヒルのたくさんいる場所を探すのを第二目標に調査することになりました。

 

先ず、鳥居道の駐車場に車を停めて、登山道に入ります。

橋を渡ったら、すぐからヒルが見つかりました。

5分も上がらないうちに、登山道の真ん中でも、草むらでもヒルが見つかました。

それほど多くはないですが、みんなに取りついたヒルの数は、20匹ほどでした。

ほどなくすると頂上です。ここにはヒルはいませんでした。

ここに来るまでに、ヒルには出合いましたが、石灰岩の露頭はわかりませんでした。それで、再度地図をにらみながら、みろく苑側が怪しいと、急こう配を下山することにしました。

あっという間に下まで降りてしまいましたが、ヒルは、上りより少なかったです。ただ、道に転がっているのは、砕屑岩で花崗岩はほとんどありません。石灰岩はありませんでした。

 

この道を逆に上って帰るのは嫌なので、鈴鹿スカイライン沿いに菰野富士を半周して、鳥居道の駐車場に戻って来ました。

小休止のあと、今度は大石公園に行く道をたどってみることにしました。

菰野富士との分岐の所まで登ると、ちょこちょことヒルが出てきます。

すると、上の方から下りてこられた老人三人組に会いました。

「あんたら、何してるのや」と」聞かれました。子どもヤマビル研究会であることを話すと、この前新聞に載ってたあれか、と言われました。今駐車場で、ヒル研て書いた車があったが、あんたらか、と言われました。新聞のことを見てくれている人がいるとは、感激です。Y研究員は、ご満悦でした。そして、ヒルが足に上がってくるので、それを捕まえて、いろいろ話をしました。

ちゃんとつかまえて殺しといてや、後から来る人のために、と言われました。

おばさまの情報では、大石公園に向うコースにヒルは多いということなので、疲れていたが、もうひと頑張りすることになりました。

ここは東海自然歩道なのでよく整備されています。でも、すべて花崗岩です。

ゆっくり歩いていくと、ヒルを何匹も見つけました。

多分、昨夜の雨に流されて来て、この杉の葉に引っかかって止まったのだと思います。

もうこの区間の一番高い所に来ていますが、周辺すべて花崗岩です。

石灰岩の露頭はありません。

見つかるヒルは、適当に大きなものばかりで、生まれたての1cm程度のものは、見つからないのです。

この付近で増殖している様子は見られません。

今度時間を見つけて、菰野町の役場を訪ねて、地質の話を聞かせてもらいに行きましょう。

 

12時を回わりおなかがすいたので、研究所に戻ることにしました。

みんなのリクエストで、ラーメンになりました。こんな作り方をしたのは初めてなので、ちょっと写真を撮りました。

美味しかったです。全9袋、一度に入れて豪快でしょう。

10分ほどで完食でした。