今まで10回の研究会は、野外での調査研究でした。少し焦っていた感じもあるので、ここらで一度ゆたりとヒルと向かい合うことも大事と、コーディネータは考えました。
それで、午前中はヤマビルの解剖を久しぶりにすることにしました。これは技術ですから、間が開くと下手になります。午前中2時間集中して、解剖します。
研究員の希望で、手術室のような雰囲気にと、部屋を暗くして照明をつけて、マスクを着用して、メスを片手に練習開始です。
嗉嚢毛管を残すように切ってみようとか、
消化管が見えるようにしてみようとか、
膣を取り出してみようとか、
それぞれ目当てをもって解剖していました。いつも、腹開きか背開きなので、横開きをやってみようとする研究員もありました。
また、神経を取り出して、
それを切っても動いているとびっくりしている場面もありました。
これらのヒルは、乾燥させてラミネート加工して、
来年の夏山フェスタの来場者への記念品にする予定です。ご希望の方は、来年の夏山フェスタに是非お越しください。
昼食タイムになり、再びY研究員がシェフをして和食のサバ定食を作ってくれました。
珠算の検定で中抜けしていたM研究員も戻り、ジョニーさんも宿直明けから参加で、みんな揃っての昼食です。
抜群の焼き加減で、おいしくいただきました。
午後は、ヤマビルの吸血量を推定しようという実験です。ものの本によると、ヤマビルは2〜3ccほど吸血して落ちると書かれています。どう見ても、そんなにたくさん吸血するとは思えないので、私たちの手で確認しようということにしました。
方法は、注射器で水をヒルの口から押し込み、ほぼ吸血したときと同じくらい膨れた時の注入量を測ろうという方法です。
まず、ヒルの大きさを決めようということになり、見た目より重さの方がよいということで、上皿天秤を使って測りました。ほとんど同じくらいの大きさが20匹揃ったので、特に表にはしませんでした。重さは、約190mg です。
さて、1ml(=1cc)の注射器に水をいれ、膨らませることにしました。
やってみると、なかなか難しく、針が口に入りません。
何度も失敗を繰り返すうちに、コツをつかんだT研究員が成功しました。
こんな感じに膨れた所で、注入量を記録します。
実際20匹用意したのですが、なかなか難しくて、うまく水が入れられたのは、12匹でした。
それらの注入量は 0.4ml~0.7mlでした。 これなら納得できる数値です。
いろいろなホームページや本には、一桁多い数字になっています。それは、間違いです。
楽しみ乍ら、こんな実験で真実を確認できました。夕方お迎えに来てもらって、保護者の前で、今日のまとめの話を一人ずつしました。これは、秋にある研究発表会のスピーチの練習でもあります。みんな頑張ってます。応援よろしくお願いします。