昨夜の雷雨は上がりましたが、鈴鹿の山の雲は去らずに小雨を降らしています。
今日は、以前から追い求めているヒルスポットを探すのを目的に、篠立林道の上の方に登る予定です。ちょうど狗留尊岳に向う登山道が、その付近を通りそうなので、狗留尊登山を計画しました。私もまだ登ったことがないので、地元の人からいろいろ情報収集して準備しました。
朝、雨の中、篠立林道駐車場に向いました。気温20℃、湿度84%、地温16℃、カッパを着て登山を開始しました。
昨夜の雷雨で、林道にも水が流れていました。以前から、ヒルは水の中を流れて行くということを想像していましたが、ちょうどいい機会なので、コンクリート舗装した林道で試してみることにしました。
緩やかな流れの上流で流すと、ヒルは流れに任せて流れていくが、途中に落ち葉のたまっているところがあると、そこに取りつき自力で出てきます。このとは、次の実験の大事な証拠になります。
さて、狗留尊の入り口に来ました。普段はあまり人が通らない、荒れた道です。深呼吸して、心を引き締め登山道に入ります。
急な坂道を上ると、ヒルが出てきました。何匹も目に入りますか、採集はせずにひたすら登ることにしました。
たくさんいます。大きいのもいます。ほら、ここにもというくらい、もうにょきにょきいます。
その辺りには、石灰岩が転がっています。
取りあえず頂上まで行って、下山するときヒルをチェックしようと、先を急ぎました。
スタートから1時間、狗留尊頂上に着きました。
雨は止んだのですが、風が強く寒いので、軽食を食べてすぐ下山を開始しました。
立田への分岐をすぎて少し下ると、頂上からそこまではヒルは全く見掛けなかったのに、急にヒルが待ち受けています。
うっそうと茂った森の中。周囲は杉林です。
もう少し下ると、平地があり神様が祭られていました。その広場は、10m×10mくらいで、ヒルが一杯います。
本当にうじゃうじゃいます。ヒルスポットです。これだけ集まっていたら、交接の機会はいくらでもあるし、動物がやってきたら吸血の機会もあります。平らなところですから、動物もゆっくりしていけます。ここでヒルは増え続けることが可能です。
少しヒルを捕ましたが、結構吸血済みと思われるヒルも見つかります。
そして、下を見ると
林道が見えます。
この広場は、私たちが毎回ヒルを捕りに来ている場所の上に位置します。
ということは、強い雨が降りヒルが、ここからがけ下に落ちていく。でも、ここは平らな場所なので全部流されることはなく、増殖できます。
これが探していたヒルスポットです。大発見です。研究員も、興奮気味。どこの世界に、ヒルがたくさんいるところを見つけて喜ぶものがいるだろうか。私達だけですよね。
私達が、3年前から追い求めていたスポットです。
I研究員が、三重生物でこの存在を予言して以来、ずっと追い求めていたものです。
I研究員は、今ボランティアと研究員を兼ねて参加していて、今日も活躍しています。
そのあとを追ってH研究員が昨年、藤原自然科学館でヒルが多い所と水のPHが深くかかわっていることを発表しました。
帰り道、昨日仕掛けた監視カメラを回収して確認したところ、いつものヒル捕り場にシカが1頭遊びに来ているのが映っていました。しかし、夜間ヒル捕り場には来たシカはこれ1頭のみ。6日から11日までに来ていたのはタヌキだけです。シカはいません。
ヒルの生息範囲は、シカの広がりとともに拡大していると信じられています。
しかし、シカがヒルの散布機のようにばらまいていることはないのです。ヒルスポットで繁殖したヒルが、雨などにより上から流されてきて、広まっていくというのが正しいということです。
ですから、ヒルは山や野原などどこでもいるのではなく、集中して生息している場所があることは、これで説明が付きます。
そして、小動物を中心に動物に付いたものが、その付近に落ちて、例えば獣道などに落ちて、私たちに付いたりすると考えられます。
やっと見つけたヒルスポット。私たちは、大興奮で帰路につきました。
次回は、この付近に数か所あると思われるヒルスポットを見つけ出したいと思います。
後数回、野外の取り組みをしながら裏付けを十分とって、研究にまとめたいと思います。
やったぜ、ヒル研。大発見だぞ!!!