この10日に新会員の募集を締め切ったのですが、残念ながら申し込みはゼロでした。なかなか、ヒルに関心を持っていただいても、いざ関わるとなると手が引けるという感じでしようか。
継続会員3名で、頑張って難問の解決に向かいます。ぜひ来年、勇気を奮ってヒル研に参加してください。お待ちしています。
昨年まで㈱エコトレードさんの会社の一隅をお借りして、頑張って幅広くヒルの生態を調べてきました。そして、研究発表でいろいろな賞をいただきました。
この4年間は、第二期として研究を推進してきました。どちらかと言うと、ヒルをつかまえて来ていろいろな機材を活用してその実態に迫っていました。そして、新しいことをたくさん見つけてきました。
例えば、解剖というキーワードで、あの小さな体の中を調べてきました。そして、分かったことは、
①体の中で一番大きな臓器は、膣である。体の中央部分にあって、よく目立ちます。この膣に、繁殖の秘密がありそうです。
②消化管はあるけれど、髪の毛よりも細いもので、とてもたくさんの血液を吸いこんで消化しているとは思えない。胃や肛門も確認できた。
③でも、たくさん吸血するのに、いったいどこに貯めているのか。それは、ブドウの房のような嗉嚢・嗉嚢毛管に貯めていることが分かった。
この研究成果から、ヒルは1年に一度吸血するという話は、間違っていることを証明した。
また、ヒルは下から上がることを実験室的にいろいろ工夫した。
①ヒルが体に上ってくる様子を観察し、ヒトに取りついてもすぐ吸血するのではなく、吸いやすい場所を探して吸うということ。
②腰まで上がって来るのに、1〜2分しかかからないこと。
③ビニルの袋に研究員が入り、周りにヒルをたくさん放し、体を上る様子を観察した。間違いなく、ヒルはビニルの袋を上り首まで達した。
野外の観察も取り入れてきた。
①ヒルが木から落ちてくるなら、木に上るヒルがいるはず、ということで試したが、一匹たりとも木を上がらなかった。
②ヒルがたくさんいる場所で大きなブルーシートを敷いて、3時間ヒルが落下してくるか調べた。落ちてきたのは水滴や木の実、小枝ばかりだった。ヒルは、木から落ちて来ないことを実証。
このように、数々の成果を挙げてきました。まだまだ、実験室的にすることは沢山あるのですが、今年度は、今まで得られた成果を基に、自然界でどのようにヒルは増えたり隠れたり仲間を増やしたりしているのかを調べる方向に、転換していきます。それは、「どうして同じ鈴鹿の山なのに、ヒルが多い所と少ないところがあるのか」という問題に直面したからです。
ヒルの生理・生態、習性などが大体わかってきて、それらを自然界に適用してみようという発想です。今までとは違うステージに立つことになるので、今年から第Ⅲ期は充実期ということで、新たに出発します。研究所も、いなべ市に移転したこともあって一つの区切りです。
今後も、皆様にお役に立てる研究成果が出てくると思います。どうぞご期待ください。そして、応援してください。よろしくお願いします。