研究をまとめています | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

この猛暑の中、今年は幸い研究日を6月を中心に設定していたので、今は部屋の中で研究のまとめをしています。

研究のまとめは、一杯実験してきたものを、過去の結果も総合して一つの考えにまとめていく作業です。

それぞれテーマを相談します。そして、まず、学校の夏休みの課題である自由研究のまとめをします。それをもとに、科学研究発表会の準備をしていきます。ここまでは、小学生研究員は全員やることにしています。自分が一番関心のあったことや発表したいと思ったことを出しながら、大まかな範囲とテーマを決めます。

新入会のT研究員は、まだ全体がよくわからなので基礎実験の再考察をするということになりました。それはヒルの活動と温度の関係です。今年は、暑くてニュースで熱中症の話がよく出できます。ヒルも熱中症になるのかなという素朴な疑問をまとめることにしました。

今年は暑さのためか蚊が少ないと思っていましたが、35℃を越えると蚊も活動を停止するそうです。ちょっとヒントになりましたね。

さっそく、彼は研究所になっているわが家に来てまとめを書いていました。8時間あまり頑張って、まとめ上げました。わたしは、並行して発表会用のパワーポイントを作りました。夕方暗くなるころやっと完成して、安どの表情でお母さんと一緒に帰りました。

新しい視点を取り入れ、うまくまとめられました。

10月の別の研究発表にも出す心づもりをしているようで、次のはいつまとめを作ればいいですかと、意欲満々でした。頼もしいメンバーです。

後の二人は、去年の経験者です。まず、M研究員は顧問のジョニーさんとよく気が合うこともあって、忌避剤の効果を自分の目で確かめたいという思いが強いです。夏山フェスタの時も、来場者から「本当にひる下がりのジョニーは効くのかね」と質問され、研究員たちは効きますと答えていました。でも、自分たちが実験で確認したことはなく、ただヒル捕りに山に入った時、ジョニーをかけておけば被害ゼロという結果だけをみて、そう答えていました。そのことをまとめようということになったのですが、公の発表の場に特定の商品名が出ると、宣伝に来たととられかねないので、少し範囲を広げて、ヒルの被害を減らす工夫という視点で、今までやってきたいろいろな実験を組み合わせて提案しようということにしました。整理してみて結構実用的な実証となり、その成果を雑誌のコラムに載せてもらえるくらいのものに仕上がっています。

次に、U研究員のテーマは、世の中の通説として語られているヒルが人を見つけるメカニズムを再点検しようというものです。ヒルのついての話は結構想像によるものもあり、今回もその辺りを再確認しようというもです。

それは、ヒルが動物を感知するのは、CO2と熱(体温)と足音(震動)だと言われています。この中で一番伝搬力の強いのは足音で、これに目を覚ましたヒルは動物がやってくるを臨戦態勢で待っている。そして呼気や体温でひっついてくる、という説明があります。よくできたストーリーですが、実際とは合わないところがあります。それは、足音です。本当に足音(震動)でヒルが寄ってくるかを、確認しようというのです。世の中の常識がまたひとつひっくり返りそうです。まとめが楽しみです。

小学生は、もう自由研究はできたので、次は研究発表会の準備に取り掛かります。この経験で、また一廻り研究員は大きく育ちます。人前で発表するということは、すごい成長のエネルギーをもらいます。楽しみです。

 

残念なことに、今年から中学生になったO研究員は、学校の宿題や塾の宿題、部活動と大変多忙で、研究をする時間がないので見送りますという、力のないメールが届きました。本人が決めたことなので尊重します。去年まで小学生としては大学生にも引けを取らない輝かしい研究成果をあげていたのに、もうそれを見ることは出来なくなりました。

新しい研究員にそれらを引き継いでいけるよう、今後考えようと思います。