ヒルは動物の足音で出てくるのか? (第8回ヒル研) | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

実は、今回の合宿研究が、今季最後の野外調査を含む研究の日です。今までいろいろやり残したことや再度考え直したところの詰めをしてます。それで、いろいろ単発的な報告になっています。

 

ヒルがどのようにしてヒトを見つけるのかという大きなテーマで、今まで研究してきました。

1.. 二酸化炭素に反応して人に寄ってくる。

2. 体温を察知して体を上ってくる。

3. 足音など震動に反応して、出で来る。

と、言われています。

1.と2.については、今まで詳しく確かめてきました。合っています。

しかし、震動というのが今一つ事実と合わないのです。

 

今回は、このやり残しテーマを詳しく調べてみようということにしました。

1〜3の観点で、一番遠くからヒルに届くのは震動だろうと言われています。つまり、人の足音を察知して攻撃態勢に入る。ということは、私たちが近づくまでに、ヒルは鎌首を上げて待ち構えているということのようです。

確かに、そのような場面はあるかもしれないが、ヒルがいるところに近づいて、そのような状況を見ていることから考えると、震動ではなく二酸化炭素に反応していると考える方が自然です。

また、人が近づいているので体温に反応しているのかもしれません。

いずれにしても、はっきり震動で集まるとは言えません。

 

そこで研究員が考えたのは、ヒルのいるところに近づかずに足音をどんどんさせて望遠鏡で、ヒルが出るか確かめよう、という方法です。

これは、何の反応もなく足音で人を察知しているとは考えにくいです。

また、飼育しているヒルの水槽をどんどたたいても、ヒルは出てきません。

音楽も聞かせてみました。音に反応するものでもありません。

 

もっと近づかないといけないとすると、二酸化炭素の影響や体温の影響をカットしないといけない。長い棒でたたくのも上手くいきそうにないということで、考え出したのがラジコンカーを走らせようということだった。早速、持っている子が倉庫から出して持ってきてくれた。

ヒルのいるところを走らせて、ヤマビルあぶり出し作戦と銘打って、遊んでいました。その後ろを望遠鏡で見ていました。

10分くらいやっていましたが、何も現れません。

 

ヒルを飼育しているケースをゆするとわっとヒルが出てくるのは、震動で出るというよりは、ねぐらを襲われてびっくりして飛び出してきたと考えるのが正しいと思います。

また、歩いていくと地面から出るのも、ねぐらを踏まれて出て来たと考える方が自然です。

 

ということで、山に入るとき忍び足で行こうがドンドン足ふみしていこうが、ヒルには関係ないと言えます。

 

このことについては、Y研究員が自由研究にまとめて発表する予定です。