鈴鹿の山の水を調べると(第8回ヒル研) | 子どもヤマビル研究会

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2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

<続き>

さて、宮妻峡を早々に切り上げ、次は朝明渓谷に向いました。

朝明渓谷も、ヒルが沢山いるという情報があります。でも、沢山の基準があまりないので、その基準は人によって違います。

また、基準の作りようもありません。私たちは、ヒルがいそうなところに出かけて、息を吹きかけ、どのくらい出で来るかで決めています。

・次から次と見つかると、多いと判断します。

・息をかける前からヒルダンスをして何匹がで迎えてくれると、非常に多いと判断します。

・逆に、息をかけても時々しか出で来ないと少ないと言います。

 

でも、普通はヒルの沢山の出迎えを受けると気持ち悪くなり、ギャーッと逃げる人が多いことでしょう。確かに非常に多いと判断できます。私達は、こんな場所を探しています。

でも、山登りをして帰ってきたら足に数匹ついていた、というのはたくさんいるという基準にはならないです。動物がそのあたりにまき散らしたのかもしれないし、少しだけいるだけだと思うのです。

何とか多い少ないの基準が作れないか考えていますが、その日によってヒルのご機嫌が違うので、なかなかいい方法が見つかりません。

その予備実験で、朝明谷のグリーンランドに寄りました。ここは、朝明石(花崗岩)なのであまりヒルはいないと思います。でも、多いという話ですから、一応水質を調べてみました。ph7.3です。ただ、日照りで水が少ないのであくまで参考値です。

 

そのあと、竜ヶ岳の麓、宇賀渓に行きました。この山も確かにたくさんヒルの被害に遭いますが、渓谷の中でたくさんヒルに出会うのは場所が限られています。今回は参考値として宇賀渓駐車場で水を取りました。ph7.6で弱アルカリでした。

 

とにかく暑いので、熱中症にならないように藤原の風穴にいそぎました。

実は、前回気になっていた看板です。ここに、ヒルの多い少ないのヒントがあるように思うのです。

ここは前回調査済みなので、今回は水遊びと昼食にしました。

水は冷たく気持ちがいいので子どもたちは、思い切り羽を伸ばして遊んでいました。

ちょっと遊びすぎて14時半になったので、急いで藤原の林道に向かいました。寺の駐車場について機材を準備していたら、ご老人が近付いてこられて、「その服を着ているので、何の運動しているの」と話しかけてこられました。

私はすぐ、研究員にお話ししなさいと促しました。

さすがに夏山フェスタで鍛えてもらっただけあって、M研究員が一手に引き受け堂々と説明していました。しばらく質問された後、「よく研究してるね。君たちは博士だよ」と褒めてくださいました。

そのお爺さん、なんと四日市市内にお住まいで、83歳だとわかりました。また、どこかでお会いできるのを楽しみに、ヒル捕り場に向う林道に入りました。

ちょっと薄暗くなってきたので、急いで実験準備をしました。

ビーカーをヒルのいそうな場所に置いて二酸化炭素を発生させます。まず重曹水をビーカーにいれて、続いてクエン酸を投入します。すると、周囲に二酸化炭素が出で、それに引かれて落ち葉の下からヒルが出できました。(左側〇印)

40℃の湯を入れたペットボトルをこの傍に置くと、前回同様ヒルは熱の方に寄ってきました。

でも、今日はほとんどヒルが出てきません。乾燥しすぎているのでヒルがいないのかもと思い、いつもの方法で息を吹きかけ探してみることにしました。

結構たくさん捕れました。小さいヒルも今夜の実験に必要なので、捕りました。大が40匹、小が20匹位を20分ほどで取り、暗くなってきたので急いて帰りました。

もう5時半になっていたので、みんなで協力して夕食を作りました。

きょうは、家が中華料理店のY研究員が鶏のから揚げを作りました。オニオンスープに凝っているO研究員、キュウリの塩もみづくりの名人M研究員、配膳担当はT研究員と約30分で準備完了。

ヒルの研究だけでなく、料理の腕前もかなりなものです。

こんなプラスアルファーの力も、確実につけています。  いただきまーーーす。

<夜に続く>