今期、最後の合宿研究会。なかなかみんなそろわないですが、今日は全員揃いました。
今日の活動の目当ては、鈴鹿山脈でヒルが多いところと少ないところがあるのはどうしてかの続編です。
連日の猛暑で、熱中症特別警報まで出でいて各地で多数の熱中症患者が出でいます。今まで聞いたことがないほど熱中症で死亡するケースまで出ています。
私たちヒル研の研究フィールドもその例外ではなく、腐葉土は固まり落ち葉はかさかさに乾燥しています。ヒルは、いったいどこでどう過ごしているのでしょうか。そんなテーマで山に行かないと、今日のヒル研は何もすることがないくらいの気象条件です。
研究員に連絡メールを送るとき、突如台風がこちらに来るというニュースが入りました。そして、3週間ぶりの雨が研究日に降るという予報が出ました。これで、気圧のバランスが崩れて、晴れや雨のパターンが通常状態になるな、と思いました。台風は嫌だが、雨が先に降るというのは大歓迎。
さて、私の期待通りに研究日(7/27)の朝は、小雨が降りました。でも、連日の乾燥でお湿りにもならないものでした。
予定通り、8時半に宮妻峡に集合しました。昨年までは、ここをヒル捕り場にしていたのですか、あまり捕りすぎたのかほとんどいなくなりました。今年は、藤原町に場所を移したのですが、他の目的があり、1年ぶりに宮妻峡に集まりました。
少し表面が湿っている程度でしたが、まず、ヒル捕りを開始しました。ヒルが見つけやすいように、こんなスタイルで入る研究員もあります。
鎌が岳登山口のカズラ谷で、採集を始めました。
この薄暗い場所ですが、研究員の目にはヒルの動きがはっきり見えるようで、さっと手を伸ばしてつかまえ始めました。
「去年より、大きいのがいるよ。5〜6年年生くらいがいっぱいいる」
と、瞬く間にフィルムケースがいっぱいになっていました。わずか10分くらいです。
そのあと、鎌が岳に向う登山道を奥の滝のとこまで探してみました。
滝の手前で足元を見ると
ちゃんとヒルは上がっていました。絶えず足元をチェックしてヒルを採集していたにも関わらず、気が付かない間に忍び寄ってきています。
ここから引き返しながら、再度ヒルを探して歩きました。距離にして200mくらいかな、往復20分くらいの登山道ウオークです。
駐車場に戻って再度ヒル点検をしているとO研究員がアッといってTシャツを上げました。
いつの間に、こんなところまで上がってきていたのか。もう、かなり膨れています。
多分腰をかがめてヒルを探しているとき、裾についたものが上がったと思われます。
各自がフィルムケースに入れてきたものを大きな飼育瓶に移す作業が、駐車場での一仕事です。
でも、研究員たちは手慣れたもので、黙々と手でつかんで飼育瓶に移しています。その数50匹程度です。
ここで、考えたいのは、私たちヒル研のメンバーはヒルがいることを前提にこのカズラ谷の山道を歩いています。でも、一般の登山者は、そのようなことはあまり意識せずにここを通っています。
ということは、かなりしっかりヒル対策をしないと、ヒルの攻撃に遭うということになります。
あの異常というべき気象条件の中でも、ヒルはちゃんと生きています。さすが、かさかさに乾いたところには少ないですが、息を吹きかけたらちゃんと出できます。少し湿った杉林の中では、たくさんのヒルが獲物を求めて歩き回っていました。
カズラ谷を流れる川の水素イオン濃度は、ph7.6で、弱アルカリです。ヒルには住みやすい環境なのでしょう。
この後、私たちは水質調査を目的に、朝明谷、宇賀渓、藤原方面に向かいます。