7/16日のヒル研で、同じ鈴鹿の山なのにヒルが多いところと少ないところがあるのはどうしてか、について調査研究をしてきた。その装置が、60cmの水槽を使って、半分は御在所岳(ヤマビルが少ない地域)と藤原(ヤマビルが多い地域)の環境を模式的に作り、その中にヒルを放した。
写真のように、水槽中央に発泡スチロールで仕切りをして、右側に御在所岳の麓の川で取った砂と、ヒル探しをしたところの広葉樹の落ち葉を入れた。そのあと、採集場所で取った水を噴霧して、御在所岳の環境に合わせた。左側には、藤原岳のものを使って同じように環境を整えた。
その中央に、ビンに入れた約30匹のヒルを放した。
ヒルは、どちら側に集まるかを調べようという段取りである。
やってみると数の数え方が難しく、ふたを取ろうものなら、一斉に私たちの呼吸に反応して上に上がってくる。数えるどころか、水槽から出さないようにするのが大変で、どうにもならなかった。
二日後、ヒルが静かに底の落ち葉に身を隠しているのに気づき、そっとふたを開けて息を吹きかけた。
すると、例によって葉の下からぞろぞろと出で来る。その数を、縁を上ってくる間に数えればよい。
こちらももうまくなって数えることができるようになった。その結果が、驚くようなものになった。
御在所側にはほとんどヒルがいない。藤原側からは、たくさんのヒルがにょきにょき出てきた。
早速、ヒル研会員に集合をかけた。土日のどちらかで、確認に来るようにという連絡だ。
研究員とその保護者で確認した。土曜日のデータを参考に紹介すると、御在所側 7匹、藤原側20匹以上という結果。他の研究員が来るたびに同じようにヒルの数を数えたが、ほぼ同じ割合だった。
藤原は石灰岩の山、御在所は花崗岩の山、どちらが好きかヒルに尋ねたら、石灰岩という結果になった。というわけだ。
その水の水素イオン濃度を測ってみると、御在所はph6.4、藤原はph8.1であった。つまり、アルカリ性の水質を好むことになる。
次回のヒル研で、水系の水素イオン濃度を測ってみたい。
それにしても、連日の猛暑。今週末のヒル研をどうしたらいいか迷っている。もう10日も雨は一切降らず、気温が35℃を超えている。これからも、その天気が続くようだ。山のヒルもどこかに隠れてしまっているかもしれない。それも研究だと割り切って、予定通りやろう。
どんなハプニングがあるか、乞うご期待。


