朝5時30分、起床の合図でみんな起きてきました。年長のO研究員の引率で、散歩に出かけました。意外とこの散歩が好評なんですが、今朝はさすがに暑い(この時点で28℃)のでしぶしぶ出かけていきました。
その間に、朝食の準備を半分くらい済ませて帰って来るのを待ちました。早速料理の好きな子からネギを切ったりオニオンスープを作ったり、キュウリの漬物を切ったりと手際よく準備できました。
午前のプログラムは、どっちの水か好きか、ヒルに投票させる装置を作ります。
60cmの金魚飼育用の水槽を使います。真ん中に2cmほどの仕切りを発泡スチロールで作り、片側には御在所でとってきた砂(花崗岩)を敷き詰めその上に御在所でとってきた広葉樹の落ち葉を敷き詰めました。さらにその上から、三滝川上流でとってきたph6.4の水を霧吹きでたっぷりかけます。
もう一方には、藤原でとってきた砂(石灰石)と広葉樹の落ち葉と、PH7.9の水を霧状にしてたっぷりかけました。
この装置は、ヒルの少ない御在所岳とヒルのものすごく多い藤原岳の環境の違いを模型化したもので、ヒルにどちらが好きか選んでもらおうという作戦です。
その中央の仕切りの上に瓶に入れておいたヒルを30匹放しました。
ヒルは、ふたを開けたビンのふちを上がり思い思いの方に移動して、やがて葉の裏に潜り込むもの、ケースをよじ登り様子を点検しているものなど様々でした。15分ほどで瓶からはほとんど出で行きましたが、特に有意差ありませんでした。たまたま葉があったのでとりあえず身を隠すという感じでした。
ぼくたちの期待予想は、全部のヒルが藤原に移動して、御在所は何もいないというイメージです。ところが、そうではないようです。多くのヒルは、藤原の方に行きましたが、御在所の方にもどれだけかは行きます。
ということで、半時間あまり見ていた限りでは結論は出ないようなので、6時間後にチェックすることにしました。
ても、どのようにして数えるかまで、考えていませんでしたので、それを考えながら、次の実験に移ることにしました。
少し休憩してから、今度は、解剖実習の時間です。それに入るまでに、ヒルの生殖についてのおさらいをしました。
解剖したときに一番に目に飛びこんでくる膣は、ヴァギナといってオスの精子を受け取る入り口であり、卵や幼生の出口になっている。ヒルは、雌雄同体で一つの体にオスの機能とメスの機能を併せ持っている。交尾をするということは、オスの力もメスの力も成熟したときである。
受精した細胞は、しばらくこの膣の中で待機していて吸血して栄養がたくさん入り込んだとき、発生し始めてやがて膣から外に放出される。
最初は、口から泡状のものを噴き出してそれが卵塊になると考えていたが、解剖してもそのような管ではつながってない。でも、膣口から出で来ると考えると自然の法則に合致する。だから、大きな膣を備えていて、受精卵細胞をいくつか蓄えておくことができると考えられる。
という学習をしておいて、実際膣の取り出しや膣を切り開いたりという、高度な技に取り組むことになりました。
昨年ら使っている解剖用のメスも切れ味が悪くなってきたので、新しいものを出してやりました。今度は、細かいところを切るのに適した切り出しナイフ型のものを使います。
試しに一匹切り開いたところで、ランチタイムになりました。
今日のランチは、そうめんです。みんなで、作りました。そうめんをゆでる子、キュウリの塩もみを作る子、ねぎの卵とじを作る子それぞれ手際がよくなりました。食べ終わってしばらくお昼寝タイムにしました。
外は、37℃、灼熱地獄です。外で遊びたいという小学生に、熱中症警報が出ているのでだめ、と言って今は寝るしかないと無理やり昼寝をさせました。しばらくしたらおいしい差し入れが届き、みんなを起こしていただきました
俄然元気が出て、解剖を始めました。
2匹目くらいでO研究員がうまく膣だけ切り取りました。早速、スマートカメラを使って拡大してみました。
左下が膣口につながっている部分です。すごい。
これを破らないと中が見えないので切ることになりました。かなりのプレッシャーがO研究員にかかりました。
結構硬くて切れないようでした。それで、新しいのでやってみようということになりました。
別のヒルを解剖していたY研究員が、膣を突き破ってしまったが、白い液体が飛び出してきたと報告しに来ました。
3匹目のヒルを開きました。膣を見えるようにしておいてそこにメスを入れていきます。まるで帝王切開している感じですね。
丸い卵状のものがぷちゅっと出て来ました。実際は、メスの先に乗っている小さなものです。
拡大すると
ここまで行くと、ちょっと何が何だか分からなくなりました。次のヒル研までに、コーディネータの方で調べてみることにしました。
さて、6時間以上たったので、鈴鹿の山の模式装置の中はどうなっているのでしょう。
よくわからないので、ふたをとりました。大変なことが起こりました。ヒルが一斉に二酸化炭素をかぎつけて上にあがってきました。数を数えるどころか、水槽内に戻すのが先決で大騒ぎになりました。この方法では、数を数えられない。どうしようということで、次回までの宿題となりました。
今日も新しい発見や技術を身に付けました。最先端の研究をしています。その実感があります。夏山フェスタで鍛えてもらって、子ども研究員はさらに力を付けています。
最後に保護者のお迎えの時、研究発表会の練習を兼ねて、自分の研究を発表しました。
ふーーーぅ。暑い、疲れた