子ども研究員が研究成果を発表しました | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

今日は、三泗小学校科学研究発表会でした。市内小学校から22人の研究が発表されました。

一人持ち時間約5分という制約の中で、今まで研究してきたことを聞いてもらうのです。

開会にあたり、校長先生からご挨拶がありました。みんな理科好きの子どもたちばかりが集まっていると思います。今日は、皆さんの研究を聞かせてもらえるので、とても楽しみにしていました。なんと、ヤマビルの話が、市内2校の3人がそれぞれのテーマで発表してくれるので、ワクワクしていますというご挨拶でした。

私も、ちょっとびっくり、そこまで期待して待っていてくださるのかと、身の引き締まる思いでした。

ヒル研のトップバターは、U研究員でした。

「吸血鬼、ヤマビルの正体は」

です。

ヤマビルのことをちゃんと知れば、そんなに恐ろしい生き物ではありません。蚊と同じです。と話したのですが、会場からは、えーーーっ、という小さな声が聞こえていました。

血が止まらない仕組みや吸血のようすを話していくと、へえっそうなのというような驚きの声が聞こえていました。

続いて、M研究員の

「ヤマビルがたくさんいるところ」

です。

 

山のどこにでもいるのではありません。ヒルが集まっている場所があります。それは、水飲み場になっている獣道のところが多いです。

気温ではなく、地温に大きく影響されます。地温が20℃を超えないと、いくら気温が高くても、ヒルはほとんど出できません。というと、後ろの方から、うーーん、なるほどというような声が聞こえてきました。

皆さんの感覚と一致するところがあり、納得しながら聞いてくださっていたようです。

最後に、ヒルはとてもかわいいです、ペットとして飼っていますというと、笑い声の中に、うそやぁという声も混じっていました。最後のスライドが、腕にヒルを乗せている写真でしたので、みんなええっという感じでした。

最後は、O研究員でした。さすがに3回目となると落ち着いたもので、高度な内容をうまく伝えていました。

「ヤマビルを解剖して2017」~吸血した血の行方

です。解剖の話から始まり、細い消化管にあの大量の血液が入っていくとは考えにくい。それで再度解剖図で、入りそうなところを探したら、嗉嚢・嗉嚢盲管という器官を見つけて、実際血の代わりに牛乳を入れたらふくれました、という実験経過を示し、吸血したヒルを開いても血液のタールを見つけた。という説明で、引率の保護者の方も食い入るように見て研究のレベルの高さに驚いておられました。

そして、今年の活躍のまとめのページで、さすが頑張ってるねという声も聞こえてきました。

最後の講評の時間でも、いくつかの小さな気付きから追及しているのは、科学にとって大事なことだとほめてもらいました。

O研究員の研究で、私からのリクエストとして血が入るところは分かったが、それならなぜ胃や腸があるのかな、ということも調べてと言われました。

いい指摘を受けたと思いました。この角度から攻めれば、血以外のものも食べているという今年少し行き詰っていた部分をクリアーできると思いました。

発表はできませんでしたが、食紅を使って腐葉土を食べているはずという仮説を検証していたのです。ちょっと我々の持つ機材ではどうにもならないところへ行っていました。

来年の課題ですね。誰かがやってくれるでしょう。

 

ということで、発表会は終わりました。とても素晴らしい発表になりました。子ども研究員も満足できたと思います。そして、更に来年頑張ろうという気持ちが出きたと思います。

素敵な機会を与えていただいた科学発表会の担当の先生方ありがとうございました。

ヒル研のみんなも、よく頑張りました。

また、頑張ろうね。