ヒルは、どのようにして人を感じているのか(熱編) | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

蒸し暑い朝だったが、クーラーを利かせてもらってあったので、快適な睡眠がとれました。

5時半ころには全員目覚めて、ジョニーさんと散歩に出かけました。

朝食のメニューは、シリアルです。野菜とたまご、ソーセージの豪華メニューです。

 

8時半から今日の実験が始まりました。カメラマンのボランティアまなくんが、お昼で帰るので実験を急ぎ開始しました。

昨夜、呼気に反応する実験は完了したので、今日は、ヒルの人感センサーを調べる第2弾、温度編です。

 

ヤマビルをとりに行くとき、私たちはヒルを見つけるとヒルの目の前に人差し指をそっと出します。すると、ヒルはその指にひょこんと乗ってきて、上の方に上がってきます。

それをまず再現するのに、水槽の中に落ち葉を沢山入れ、その中にヒルを沢山放します。上をふたして極力二酸化炭素の影響を受けないようにして、ヒルをおとなしくさせます。ほとんどが葉の下におりたのを確かめて、遠くからそっと指を差し込みます。

 

ところが、たくさん入れていたのに、ほとんど出できません。あたりを見まわしてたまたま出できたヒルが、指を見つけてさっと乗り移ってきました。

仕方がないので、少し息をかけて葉の下からヒルをおびき出して、指を差し出しました。ヒルに1~2cm位近づけると、さっと乗り移ってきます。つまり、遠くから熱を感じてくるのではないようです。

 

では、指以外のものでも上るのかを確かめてみることになり、みんなの指先の温度を測りました。26℃~28℃だったので、その平均をとって27℃のお湯を試験管に入れて、指らしくしました。

それを、指の時と同じように水槽内に入れると、気づいたヒルはすぐ上ってきます。

以上の実験から、ヒトに近づいてきたヒルは、熱を感じで体に乗り移ってきます。ですから、ズボンをはいていてもカッパを着ていても、熱を感じて取り付いてくることが分かります。

 

カッパの表面を登っていくヒルが、やがて腰付近に達しゴムのしわなどから中にもぐっていき、吸血するケースの説明が付きます。ズボンのゴムの隙間から出る熱気を感じて、そこに引き寄せられていくものと考えることができます。

 

しかし、試験管に取り付いたヒルも上の方に上ってきますが、これは吸血できるものではないと判断したら、ぽたりと下に落ちていきます。

さて、その吸血できるものと判断する材料は何なのでしょうか。

ヒルの吸血を見ていると、手あたり次第噛みついてテストしているわけではありません。ここぞという場所を探して、その後吸血します。

その判断センサーは、何なのでしょうか。また、謎が出てきてしまいました。

 

でも、ここまでてはっきりしたことは、ヒルは動物を察知するのに、まず呼気で動物の存在を確認して、その方向に猛ダッシュでやってきます。

そして、体の熱などを感じてそこに取り付きます。吸血できるところを探し求めて、上がってきます。

前回の、ヒルは木から降ってこないという結論から併せ考えると、このように動物に取り付く仕組みが分かります。