昨日の観察で、吸血した血が入ると思うふくろ 「嗉嚢」 を、うまく解剖して見つけることができました。白いチューブ状のものです。
子ども研究員の腕前は、かなりのものです。
わたしは、もう老眼が進みとても細かい作業はできないのですが、キュ-リの皮を切り開くように、メスをスーッと皮膚に沿わせて切っていくと、内臓に傷がつかない。今までの多くの解剖は、力を入れてごしごし刃先で切っているので、内臓に傷ついてしまう。と、助言したら、みんなが次々実体顕微鏡下に持ってくるものは、うまく切れているのですね。
本当なら、実体顕微鏡下で解剖するのがいいのですが、どうも、あの狭い範囲では頭が痛くなるそうで、裸眼で開いて顕微鏡で確かめるという方法を使っています。目がいいのはうらやましいですね。
今日の解剖の目的は、先に解剖したヒルの口から注射器で牛乳を入れ、嗉嚢が膨れるのを直接見てみようというコンセプトです。
早速、O研究員が首から下を開いたものを持ってきて、ハイビジョンカメラの下で牛乳の注入を開始しました。
最初はうまく膨れたのですが、力を入れすぎたのか、針が下に突き抜けたのか牛乳がこぼれてきました。(TV画面下方の白い部分)
次に、 I 研究員が注入します。さすがちょっと手つきが゛違います。
あまり大きくは膨れませんが、確かに嗉嚢が膨れました。
そっとピストンを押していくと、嗉嚢が膨れていくのがわかります。(ピンの横のところの白い管)
開腹しているので、下の方まではなかなか入りませんが、嗉嚢が膨れます。
そのあと、膨れた嗉嚢をメスで切って牛乳が出てきたら、血液は食道に入るのではなく、別のルートを通ってこの嗉嚢に蓄えられることが証明出来たことになります。
メスで切ったら、牛乳か出てきました。
これで確認が取れました。
また、別のヒルを解剖していたY研究員が、嗉嚢に血液がたまっているのを見つけました。これば、採取したときにはすでに吸血していたものと思われます。
この黒いところが嗉嚢で、それをそのまま切り取りました。
嗉嚢を破ると、タール状の血が出できました。
もう、こまで来るとさすがの子ども研究員も集中力が切れて、ダウンする子が出できました。休んでいいよというと、すぐ横になり、寝込んでしまう子もいました。
今日のお昼はあっさりとそうめんにしました。
すこし休んでから、3日間のまとめをしました。それぞれに関心の高かったことを文章にして、それを16時に迎えに来ていただいた保護者の前で発表するスタイルにしました。
なかなか力作ばかりで、子ども研究員の充実した研究であったことが伝わってきます。
保護者も一言ずつうなづいて、聞いてくださいました。
最後に、8月24日9時に いなべFM で、子どもヤマビル研究会の代表が番組に登場することを伝えて、終わりました。
長いようであっという間の2泊3日でした。疲れましたが、さわやかな気持ちがじわっと湧いてきています。