1789 ⑧ ’23年・星組・東京 「作品の真価」 | To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

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My Favorites:
①ちーずちゃん ②はばまいちゃん ③たけちゃん ④こっちゃん ⑤キキちゃん
①20世紀号 ②1789 ③ファントム ④王家に捧ぐ歌
①とうこさん ②あさこさん
①あすかさん ②おはなさま 

三井住友VISAカード シアター スペクタクル・ミュージカル
『1789 -バスティーユの恋人たち-』
Produced by NTCA PRODUCTIONS, Dove Attia and Albert Cohen
潤色・演出/小池 修一郎

東京宝塚劇場 令和5年8月3日 午後18時30分 新人公演LV


○ MUSICAL NUMBERS

1幕
Sur Ma Peau(肌に刻み込まれたもの) ★
Hey Ha(デムーランの演説)
Fréres de la révolution(革命の兄弟) ★
Je mise tout(全てを賭けて)
Au palais royal(パレ・ロワイヤル) ★
La nuit m'appelle(夜のプリンセス)
Maniaque(耐えてみせる) ★
Tomber dans ses yeux(二度と消せない)★
Pour un nouveau monde(三部会)
Pic et pic et amstramgram(自由と平等) ★
La Guerre Pour Se Plaire!(この愛の先に) ★☆
La sentence(許されぬ愛) ☆
Les Mots Que L'On Ne Dit Pas(声なき言葉) ★

2幕
À quoi tu danses?(誰の為に踊らされているのか)
Je suis un Dieu(私は神だ)
La Liberta d’Amour(愛し合う自由) ★
Prenez l'arme(武器を取れ)
Nous ne sommes(国王陛下の名のもとに)
Je Mise Tout(革命が始まる)
Je vous rend mon àme(神様の裁き)
Ça ira mon amour(サ・イラ・モナムール) ★
Sur Ma Peau(肌に刻みこまれたもの) ★
Fixe(叫ぶ声) 
Pour la peine(悲しみの報い) ★☆


○ 作品の特徴
ミュージカル・ナンバー
「全24曲中の12曲」
で、ロナンが歌っています。それに対して、ヒロイン/オランプの楽曲は
「3曲くらい」
かな? そして「ソロは1曲」だけ。
「初演と再演で、娘1役が変わっている」
ことにも表れていると思うのですが、この作品での
「ヒロインの役割は、かなり限定的 (所謂、やや「影が薄い」)
で、圧倒的に
「ロナンのミュージカル」
なんですよね。この辺が、
『エリザベート』『ロミオとジュリエット』『ME AND MY GIRL』『ファントム』『THE SCARLET PIMPERNEL』
などの他の
「タカラヅカ海外μ名作群」
との大きな違いだと思います。


○ 必須
そして、やはり、「物語を堪能」するよりも
「歌唱の魅力」
で見せるべき作品でしょう...ですから、

ロナン・マズリエ[官憲に父親を銃殺された青年] 礼 真琴(95期・首席・研15 「まこっつあん」「こと」「こっちゃん」) 芝居 ☆☆☆☆ / 歌唱 ☆☆☆☆☆

主役に、まず求められるのは
「圧倒的な歌唱力」
ということになります。多分、
「普通の歌うま (?)
トップスターさんでは、
「物足りなさ」
が残るであろう作品であり、
「初演のまさおさん~再演のこっちゃんまで」
8年もの期間があいたのは、そういった理由もあったかもしれません。その間にロナンがきっちりと務まりそうな方は...(私自身も再演を待望していた)
「だいもん」
位じゃだったんじゃないかな...。

そういった意味で
「帝劇版」
は、わたしにとっては、「物足りなさ」の多い舞台でした。いくらソレーヌやダントンが良くても、ロナンの歌唱が凄くない (「悪くない」といったレベルでは、全然足りない) と、この
「作品の真価」
は味わえないと思います。


○ これから
そして、もう一人の主役...

ロナン・マズリエ[官憲に父親を銃殺された青年] 稀惺 かずと(きしょう かずと 105期・11番・研5 「つんつん」) 芝居 ☆☆☆ / 歌唱 ☆☆☆

ちなみに、「そのような方とはつゆ知らず」での観劇でした。全体的に、芝居、歌唱ともに
「そつなくこなしていた」
といった印象だったでしょうか。逆に言えば
「傑出したもの」
は、あまり感じられず、観劇中の

「成績下位ではないだろうけど、最上位って感じでもないかな?」

という予想は外れてはいなかったようです。とはいえ、↑に書いた通り、非常に
「ロナン役への負荷の高い」
作品ですから、特に歌唱面において、最初から最後まで、
「大きなミスなし」
で破綻なくこなしたことは、十分に評価されるべきでしょう。声量、声質ともに悪くなく、歌詞もよく聞き取れ、音程のわずかなずれが散見されたのみでした。ただし、この
「作品の真価」
が味わえたかというと...。

● 新人公演 公演評 ☆☆☆

...まあ、新人公演に、この作品の「真価」を求めても...とも思いますが、実際に観劇した
「ARIちゃん/ロナン」
とつい比べてしまうので...。前にも書きましたが「カノン君で聞きたかったな」とも思ってしまいました。

...はともかく、宝塚的には、本当の「貴種」ですね...。周囲もご本人も大変そうだけど...結局、どなたでも真ん中を目指すには、何か「傑出したもの」が必要なことには変わりないと思います。まあ、まだ「研5」ですものね。(色々な意味で?)
「これからが楽しみ」
といったところでしょうか (まあ、その「高貴な血筋 (?)」こそが、傑出しているとも言えますが...)


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