カジノ・ロワイヤル ① ’23年・宙組・宝塚 「○くも○くも」 | To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

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アクション・ロマネスク『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』
原作/イアン・フレミング「007/カジノ・ロワイヤル」(白石朗訳、創元推理文庫刊)
脚本・演出/小池 修一郎

令和5年3月26日 宝塚大劇場 11時公演 1階29列下手側A席

さて、久しぶりの更新となりました。サボっていた...というか、この間、単に観劇自体がありませんでした(笑)
2か月ぶりの大劇場...。そして

2年ぶりの
「桜のはなの道」
前回はかなり散ってしまっていましたが、今回は、
「8~9分咲き」
これで天気さえよかったら、本当に
「春爛漫」
な感じだったでしょう。今日あたりがそんな感じでしょうか?(笑)


○ 異例?
さて、トップスターの退団公演が、
「ショーなしの1本立て」
というのは、予想外でしたから、前にも書いたけど、演目発表の時には、
「もしかして、キキちゃん、トップに...」
って感じで、目の前が暗くなりました...

...はともかく(笑)、2000年以後しか調べていませんが、花組では、該当者なし。月組は、「りかさん」の2003年『薔薇の封印』 と「さえこさん」の2005年『エリザベート』。雪組はなし。星組は、「のるさま」の2001年『ベルサイユのばら 2001』。宙組は、「たかこさん」の2006年『NEVER SAY GOODBYE』。36名中、1本立てでの退団は
「4名(11%)」
のみでした。その上「17年ぶり」になるわけですものね。やはり
「異例」
といっていいでしょう。そっかー、4つの一本立て退団公演のうち、3つは
「イケコ先生演出」
だったわけですね...。さすが、巨匠...

○ 代表作?
さて、個人的に「イケコ先生」演出作品として、まず頭に浮かぶのは、まあ
『エリザベート』
でしょうか。そして、「オリジナル」だと、なぜか
『エクスカリバー』
なんですよね (勿論、映像でしか見ていないんですけど (笑))。実際、「キキさく」のプレお披露目公演の演目の発表を見た時にも、
「これを、再演するの??」
って思ったし...(笑)。あの、まるで○学生が考えたかのような (?)
「○タなストーリー」
...そして、あの
「超お気○なエンディング」
...繰り返し映像を見たわけではないけれど、(『エリザ』の演出家だと分かって猶更?) 忘れえぬインパクト (?) がありました。最近の作品だと
『ALL FOR ONE』
のタッチに近いかな...。正直、オリジナルでは、こういうイメージが強かったので、昨年観た
『NEVER SAY GOODBYE』
のグッと
「アダルトでシリアス」
なストーリーに驚かされ、
「イケコ先生、こんな作品も書いてたんだ...」
って思いました...(笑)。そうそう、原作ありではありますが
『グレート・ギャツビー』
も、こっち系 (?) でしたね。そして、今回は
「どちらのイケコ先生 (?)
だったのでしょう?

○ 007/カジノ・ロワイヤル
耳なじみがあったので、
「映画でみたことあるのかな?」
って思っていました。2006年の映画だったんですね。観劇した時には、
「もっと昔」
の映画かと思ってました。ということは、(全然、覚えていないけど) 映画は、全然違うストーリーだったんですね。だって、このお話、21世紀の映画のストーリーのはずないですから。

[解説]
時は1968年、世界はアメリカとソ連を中心とする冷戦の最中にあった。パリでは学生や労働者たちを中心に「5月革命」と呼ばれる反体制デモが起き、鎮圧後過激派たちは「赤軍同盟」を名乗る地下組織に吸収されて行った。
イギリスが誇る秘密情報部「MI6」では、コードネーム「007」を持つ秘密情報部員ジェームズ・ボンドに、ル・シッフルと呼ばれるソ連のスパイを倒すよう指令が下される。ル・シッフルは5月革命の際、ソ連の組織から赤軍同盟に送る資金を使い込んで窮地に追い込まれたため、カジノで一攫千金を狙っていた。ボンドのミッションは、ギャンブルの腕を生かして彼に勝って資金源を断つことと、彼を生け捕りにして情報を吐かせること。ボンドはジャマイカの大金持ちになりすまし、フランス大西洋岸ロワイヤル・レゾーにあるホテル内の「カジノ・ロワイヤル」に乗り込む。折しも、ホテルではロマノフ家の遺族たちが集まり、次代の家長後継者を巡って争っていた。末裔の1人、ソルボンヌ大学の院生であるデルフィーヌは、赤軍同盟に逃れた過激派学生ミシェルの恋人であった。ギャンブルでボンドに負けたル・シッフルは、デルフィーヌが相続した財産を狙い、ボンドはデルフィーヌと関わりを持ち始める。
華麗なるカジノを舞台に、密かにめぐらされる陰謀と策略。CIAやフランスの情報局員、ソ連側の工作員も加わり、ボンドの行く手には次々と危機が襲いかかる…
クールでソリッドな真風涼帆が、ジェームズ・ボンドに扮し活躍する、宝塚歌劇ならではのゴージャスでロマンチックなミュージカル大作に、どうぞご期待ください。   

○ テーマ
退団公演だし、
「クールでソリッドな真風涼帆が、ジェームズ・ボンドに扮し活躍する」
っていう感じの
「あて書き作品」
ってことなのでしょう。そういった狙いは、それなりに果たされていた気がするので
「ゆりかちゃんファン」
の方々にとっては、十分に見ごたえがあると思われます。ただし、そういった点を抜きに
「作品そのもの」
を鑑賞するとなると...そもそも
「冷戦??...共産主義?...スパイ?...学生運動??」
の若い方々にとっては、語られるセリフの内容も
「??? (暗号みたいなもの?(笑))
でしょうし、私のように、多少リアルにその時代を知っている者にとっても、
「今更?」
って感は否めない。この辺は
『NEVER SAY GOODBYE』
を観た時にも強く感じましたが、あの作品では、そういった時代背景をも、
「しっかりと骨太に」
描き切っており、さらに、トップコンビの絡みも、そういった背景に相応しい
「大人の関係」
でしたので、とても見応えがありました。それに対して、この作品は、そのいずれも、
「ちょっと (かなり?) 軽い」
んですよね。どちらかと言うと、そのノリは
『エクスカリバー』『ALL FOR ONE』
的というか...(しかも、一番ウケたのって、”ミシェル&アナベル”だった気がするし... (笑))。そういった世界の中だと、特に、ドルフィンが語る
(彼女なりに) シリアスな理想」
とかに共感することも、人物に感情移入することも難しくなってしまう...。結局、トップの
「クールでソリッド系芸 (?) (+個々のコメディーセンス)
を堪能するしかない作品になってしまっていた気がします。

● 作品評 ☆☆ 


「良くも悪くも」というよりも、
『エクスカリバー』的タッチと『ネバセイ』的タッチが、不調和的に同居して
「〇くも〇くもイケコ先生」
作品になってしまっていたかもしれませんね...。まあ、
「退団公演は...」
ってやつでしょうか?  


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