●父親の高級時計。
実際に相談された問題です。
大きな会社の部長さんだった父親が突然亡くなりました。
仕事中での脳溢血だったといいます。
残された家族は、
奥さんと2人の息子さんと1人のお嬢さんです。
問題は遺産相続でした。
まず、お父さんの預貯金は問題ありません。
母親が半分を、そして子供たちが均等に分けたといいます。
家は一軒家でしたが、会社から安く借りていた賃貸だったので、
いずれは出る事になるそうです。
最大の問題は、父親が学生時代からコレクションしていたという
高級時計でした。
ちなみに、この家族の場合、父親が残した財産がありましたが、
中には、死んでも借金しか残していない。という場合があるでしょう。
例えば、父親が3000万円の借金を残して死んだという場合、
妻や子供がその借金3000万円を払わなければなりません。
ただし、それを逃れる方法が1つだけあります。
それが相続放棄です。
しかし、それも注意が必要です。
父親が死んでから3ヵ月以内に相続放棄の手続きをしないと、
相続放棄が出来ずに、妻や子供がその借金3000万円を払わなければなりません。
(ちなみに、クレジットやサラ金業者の借金の時効期間は5年です)
だから、親が亡くなたら、
まず遺産の合計がプラスになるかマイナスになるのか、
すぐに調べないといけませんね。
他にも、残された家族には、以下の期限があります。
■死亡届は、7日以内に出さないといけない。
■年金受給停止は、14日以内に申し出ないといけない。
■世帯主の名義変更は、14日以内に申し出ないといけない。
■生命保険の受取は3年以内に請求しないと無効になる。
■死亡一時金の受取は2年以内に請求しないと無効になる。
そして、
■相続税の申告及び納付は死んでから10か月以内にしないといけない。
ちょっと話が脱線してしまいましたので、元に戻します。
最大の問題は、父親が学生時代からコレクションしていたという
高級時計でした。
それもロレックスなど、高い時計ばかり5点だったそうで、
長男さんがネットで調べると、1つ1000万円を超える時計もあるそうで、
合計は3500万円だったそうです。
ただし、相続税は払わないで済みました。
なぜなら、相続税には基礎控除というものがあり、
各家庭には、3,000万円+(法定相続人の数×600万円)の控除が認められています
だから、この家庭の場合、母親と子供3人ですから、
3000万円+(4人x600万円)の合計5400万以下なら、
相続税は0円になるわけです。
そこで、家族相談の上で、ロレックスなどの高級時計を全部売って、
均等に分けるという事になったそうです。
ここまでは、問題ないのですが、
では、なぜ、私に電話相談してきたのかと言うと、
問題は父親は、生前コレクションの高級時計をとても大切にしていて、
子供は勿論、妻にもいっさい触らせなかったと言います。
そんな大切な時計を、遺産相続とはいえ、勝手に全部売っぱらって、
亡き父に怨まれたりしないでしょうか? という相談でした。
ここで問題です。
皆さんが、そんな相談を友人からされたら、なんと答えますか?
少し考えてみてから、先をお読みください
大切な時計を、遺産相続とはいえ、勝手に全部売っぱらって、
亡き父に怨まれたりしないでしょうか?
私がアドバイスしたのは、
時計を売ったり、使ったりするのは、
父親の1周忌を過ぎてからの方が良い。
これは霊能者の宜保愛子さんが生前にも言っていた事でした。
しかし、相続税の納付期限は10か月なので、
おのおの時計を売って得るであろう金額を計算だけして、
その額を相続税として支払って、1周忌を過ぎてから、
売る3日以上前から、仏壇や写真の前で父親に許しを請いてから売る。
それまでは、時計は仏壇の中に保管しておくか、仏壇が無いなら、
父親の写真の前に置いておくと良い。
安全の為に貸金庫を借りてその中に写真と時計を入れても良い。
皆さんも、家族が亡くなった時、
故人がとても大切にしていた物があったら、
その方の1周忌が過ぎてから、売ったり、使わせてもらったりしてみてくださいね。
ただし、生前から物にこだわらなかった人や、
生前からあげるよ。とか自由に使ってと言っていた人なら問題ありません。
END