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ピクサーが描く魔法とプリンセス

(C)Disney/Pixar All rights reserved

メリダとおそろしの森


スコットランドの森の王国ダンブロッホ。王の後継者メリダ(ケリー・マクドナルド/大島優子)は父王(ビリー・コノリー/山路和弘)に似て活発な女の子。有力な領主の息子との結婚話に不満を抱き、厳格な母(エマ・トンプソン/塩田朋子)と大げんかになる。城を駆け出し森に逃げ込むと、暗闇に現れた鬼火に導かれるように森の奥へと入っていく。


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そういえば初見(笑)。「トイストーリー」「モンスターズインク」「カーズ」等々人気シリーズを生み出してきたピクサー作品。「カールじいさんの空飛ぶ家」で最初の到達点にたどり着いた気がする。本作はその後の試行錯誤期になるのかな。


ということで、ピクサーが初めて魔法やプリンセスを扱った作品。ファンタジー独特のダークな空気が映像に漂う。ピクサーがディズニー傘下に編入された影響もあるのかな。ディズニー色が濃厚でディズニーの単独作品と勘違いしちゃうよね。


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ピクサーらしさが出たのがキャラの造形。もちろんフルCG。その後のディズニー本体もCGに完全移行しているので今でこそ違和感ないが、当時はフルモデルチェンジの域。「アナと雪の女王」「ウィッシュ」等々「今ディズニー」のプロトタイプだ。


ちょっと驚いたのはママのキャラ。度が過ぎた教育ママが大変なことになって娘が助ける。アメリカ映画ではおおらかな父と優しい母、というのが定番。本作、お子様も視聴するアニメではあまりないパターンでは。


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ジュリー・ウォルターズ(=ロンのママ)、トンプソン(=トレローニ先生)、そしてロビー・コルトレーン(=ハグリッド)とハリーファミリーが多数出演。主演マクドナルドもレイブンクロー役でちょこっと出演。


マーク・アンドリュー監督はピクサーの社員として様々な作品に絡んできた実力の持ち主。長編監督は初。ジョン・ラセターピート・ドクターらピクサーの重鎮も名を連ねる。日本語キャストのセンターは大島優子


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日本ではやや拒否反応があったのか、本作大ヒットには至らなかった。一方、米国での評価はアカデミー賞長編アニメ賞を獲得したことでもわかる。変化をサクッと受け入れられるあたりは、日本との温度差は感じた。


本作公開を前後してピクサーをディズニーが買収したり、大物が退職したりと大騒ぎだったピクサー。それでもこのクオリティで完成させるのは凄い。ラストの追悼文で、ピクサーの生みの親がスティーブ・ジョブズだったことを思い出した。



 DATA

監督:マーク・アンドリュース/監督・脚本:ブレンダ・チャップマン/脚本:アイリーン・メッキ/製作総指揮:ジョン・ラセター/ピート・ドクター/アンドリュー・スタントン

出演:ケリー・マクドナルド/エマ・トンプソン/ビリー・コノリー/ジュリー・ウォルターズ/ロビー・コルトレーン(日本版)大島優子/塩田朋子/山路和弘/木村有里/内田直哉



hiroでした。



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