42本目(7月21日鑑賞)


おやおや、そうきましたか
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マレフィセント


監督:ロバート・ストロングバーグ

脚本:リンダ・ウールヴァートン

音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

視覚効果:三橋忠央

出演:アンジェリーナ・ジョリー/シャールト・コプリー/エル・ファ二ング/サム・ライリー/ブレントン・スウェイツ/ヴィヴィアン・ジョリー=ピット/レスリ-・マンヴィル/ジュノー・テンプル/イメルダ・スタウントン


王が統制する人間の王国は欲にまみれ、隣国・妖精の国への侵略を狙っていた。そんな時代、若き妖精マレフィセントと人間の子ステファンは恋に落ちるが、やがてステファンも欲に目覚め、二人は疎遠になる。

妖精の国と王国の戦争が繰り返される中、マレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー)は強靭な翼をもつ最強の妖精へと成長し、王国の攻撃を阻止してきた。死期が近づいた王は、マレフィセントを倒した者に娘を嫁がせ、王位を譲ると宣言。王に仕官していたステファン(シャールト・コプリー)はマレフィセントを騙して翼を奪い、王位に就く。

ステファンの裏切りに失意したマレフィセントは、ステファンに娘が生まれたことを聞くと祝いの宴に現れ、生まれたばかりのオーロラに「16歳の誕生日の日没までに糸車の針に触れて永遠の眠りにつく」と呪いをかける。森の中に隠れたオーロラを発見したマレフィセントだったが、彼女を育てる3人の妖精のだらしなさを見かね、密かにオーロラの成長を支えるようになる。長じて美しくなったオーロラ(エル・ファニング)は、マレフィセントを見つけ、その存在と見守る「愛」に気付いていたと打ち明ける。


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最強の妖精マレフィセントは…


母性とは「守る」こと。

愛する子であり、

愛する人であり、

愛する国であり、

そして、無条件に弱い存在も。


ディズニーアニメの「眠れる森の美女」を、悪役マレフィセント目線で実写映画化。アンジーが、ディズニー史上最も支持される悪役に挑む。

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闇の魔女マレフィセントへと変貌するが


大胆な改変だ!
先日、改めて観直したディズニーアニメの、冷酷無比な魔女は何処へやら。森に隠れたオーロラを躍起になって探していたアニメの魔女は、森で生きるオーロラを愛し気に見つめる妖精にチェンジ。
子煩悩でお笑い担当感さえあったステファンは、もう、どうしようもないダメ男にチェンジ。妖精マレフィセントは、一体どこに惚れたというのだろう。「エリジウム」でアクの強い殺し屋を演じたコプリー。ダメ男も難なくこなしちゃう。天才だ。
呪い…アニメは「死ぬ」だし、妖精の魔法で「運命の人のキスで目覚める」ことに。本作では「永遠の眠りにつく」と改変。さらに「真実の愛のキスが眠りを覚ます」と、マレフィセント自らが解決法を用意してる。
オーロラを救うアニメの妖精は、オーロラが眠っている間、国中を眠らせたり、フィリップに真実の剣を授けたりと大活躍。本作では、救わないし、剣も渡さない。フィリップに至っては、単なるお飾りの美少年だ。

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心の美しいオーロラと接しているうちに…ね。

すべてはマレフィセントの失権回復。3人の妖精やステファンのファンにはきつい改変。ファンがいれば、だけど。
会ったことがない事情はあるにしても、ステファンとオーロラは実の父娘。血の絆よりも愛の絆。アンジーがそこに配されたわけがわからないでもない。
実の娘といえば、幼少期のオーロラを演じた少女…実はアンジーの娘ヴィヴィアン。なんでも、撮影に集めた子役たち、そろってマレフィセントの角に恐怖して泣きだしたのだとか。唯一泣かなかったのがヴィヴィアンだったという。それでもカメラの前での演技は嫌がり、カメラを挟んでブラピが遊んでいたもよう。変顔のひとつでもしていたのかと想像する…見てみたかった。(笑)

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母子共演!


監督は本作が初メガホンのストロンバーグ。美術・視覚効果の出身で、「アバター」「アリス・イン・ワンダーランド」「ライラの冒険 黄金の羅針盤」「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」「ハンガーゲーム」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」「オズ はじまりの物語」とその活躍は綺羅星。言われてみれば、の映像だ。2D字幕で鑑賞したけど、知ってたら3Dで観てたな~。

大物エンジニアストロンバーグに視覚効果を任されたのが、日本人・三橋忠央というのも、なんか嬉しい。とはいえ、「マトリックス」シリーズや「トロン:レガシー」などの大作を手掛けるなど、すでに「実力派」の保証付き。これも、言われてみれば。

やけに女性目線な脚本だなと思っていたら、これも、言われてみれば、の女性脚本家リンダ。


言われてみればのアンジー、言われてみればのストロンバーグ、言われてみればの三橋さん、言われてみればのリンダさん。実に「言われてみれば」の多い作品だ。

で、ありますが、

①マレフィセントはステファンのどこに惚れる?

②怒りにまかせて呪いをかけるが後悔。憎っくき男の娘でありながら、守ってあげたくなったきっかけは?

③エルは可愛いけど「美女」とは違う。

等々、気になるとこはある。特に②が話としての押しの弱さに感じてしまった。


hiroでした。



脚本6 映像8 音響6 配役7 他(美術)8
35/50