36本目(6月27日鑑賞)


やっぱりAIは怖いなぁ

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トランセンデンス


監督:ウォーリー・フィスター

脚本:ジャック・パグレン

製作総指揮:クリストファー・ノーラン/エマ・トーマス/ダン・ミンツ

音楽:マイケル・ダナ

VFX:ネイサン・マクギネス

出演:ジョニー・デップ/レベッカ・ホール/ポール・ベタニー/キリアン・マーフィー/ケイト・マーラ/コール・ハウザー/モーガン・フリーマン


人工知能(AI)の研究者ウィル(ジョニー・デップ)は、公演先で反テクノロジーテロリストRIFTに襲われ、1か月の命となる。公私にわたるパートナー・エヴリン(レベッカ・ホール)と二人の親友マックス(ポール・ベタニー)は、彼らが研究していた技術で、ウィルの意識のみコンピューターの人工知能に「インストール」する。

インストールは成功し、ウィルはAIとして生き長らえることができた。ウィルはネットとつながり、エヴリンが思い描いていた貧困と差別のない世界を作ろうと、エヴリンに広大な土地を購入させ、自らの活動拠点とする。やがてウィルの行動はエスカレートしていき、バイオ技術で意のままに操れる人々を集めはじめ、人類にとって脅威の存在となる。

彼らの理解者だったジョゼフ(モーガン・フリーマン)はFBIのブキャナン(キリアン・マーフィー)と共に、人類滅亡のプランを阻止すべく、今ではブリー(ケイト・マーラ)らRIFTの指導者と行動を共にしているマックスとの接触を図る。

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今回はマッド・サイエンティスト。


「渇き」にしようかと思ったけど、上映時間の関係で、本作の先行上映を先に観ることにした。「渇き」はファーストデイに。

ノーラン×ジョニデ…ってことで話題の本作だけど、ノーランは監督ではなく製作総指揮。ノーランがメガホンを託したのはウォーリー・フィスター。「バットマンビギンズ 」「ダークナイト 」「ダークナイトライジング 」「インセプション」などのノーラン作品で撮影を担当。本作が監督デビューとなる。ずいぶんとお世話になっている模様。デビュー作のイノイチバン鑑賞は、菓子折代わりということで。

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「それでも恋するバルセロナ」のレベッカ。

「アイアンマン」でAIの声をやったポールがこの役(笑)


ジョニデの作品はいつもなんだけど、予告編とか観てても、誰が出てるのかわかんない。本作もモーガンさんはわかってたけど、ちらちらしか出てこないレベッカは、確認してから「ああ、たしかにレベッカだ」とわかる始末。ほとんど主人公だよ、レベッカ。ジョニデ一人に頼りきってるPR隊に、ちょっとがっかり。

モーガン、レベッカのほかにも、観たことある系俳優がそこここに。二人の親友マックスのポール・ベタニーは「ダ・ヴィンチ・コード」に出てたらしいけど…誰だろ。「アイアンマン 」シリーズ、「アベンジャーズ 」に声の出演。声ということはトニーとしゃべってたコンピューターか。で、本作のこの役とは、なかなか洒落てる。FBIブキャナンのキリアン・マーフィーは「インセプション」の依頼主。前述ダークナイト3部作も出ているので、いわばノーラン組みたいなものか。


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出てくるたびに信じていいのかと警戒。

「チーム敵か味方か」。


やっと本作の中身。AIが暴走…これは「2001年宇宙の旅」の時代からある話。「ブレードランナー」はまだ同情を禁じ得ない哀しさがあったものの、「ターミネーター」誕生後は、人類を危機に陥れる代表選手。本作ではAIになった天才科学者という設定だけど、そういう意味で斬新さは弱い。


終盤、障がいを持つ人々が、ウィルの細胞修復技術により身体機能が回復する。だけど、施術の時にちょっとウィルが手を加え、施術前よりも筋力は増強され、埋め込まれたチップでウィルと直接つながっているものだから、ウィルの言うとおりに動く。さらには銃で撃たれても、すぐに再生しちゃう…ゾンビじゃんか。


いろんなことやりたかったのかな、とは思うけど。前向きだということで。


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ケイトの父上はNFLニューヨークジャイアンツの

副社長というお嬢様。


映像はさすがノーラン仕込み。破壊された施設が修復されていく様は「インセプション」に通じる。


既視感があるストーリーも、これまで描かれてきた歴史的作品のなかで、わりと端折られてきてた「AIの乱」の瞬間が描かれている。テンポもよく、わかりやすい。

ノーランの映像世界が好きな方、ジャック・スパロウやマッドハッターみたいなジョニデが苦手な方、そんな方ならきっと楽しめる作品。心に残る作品とまでは、言いませんが。

hiroでした。

めずらしく鑑賞翌日のスピード更新。



脚本6 映像8 音響7 配役7 他(美術)7

35/50