2017・韓国 ★★★★☆(4.4)
監督:チャン・ジュナン
出演:キム・ユンソク ハ・ジョンウ ユ・ヘジン キム・テリ パク・ヒスン カン・ドンウォン
翌年にオリンピックが開催される韓国で吹き荒れた民主化闘争に迫る社会派ドラマ。
警察で取り調べを受けた1人の大学生の死をきっかけに、国民が立ち上がった韓国の激動を
活写する。
キム・ユンソクをはじめ、ハ・ジョンウ、ソル・ギョング、カン・ドンウォンらが出演。
チャン・ジュナンが監督を務める。(シネマトゥデイより抜粋)
すびばせんねぇ~。 こんなに良い得点なのに、なんですぐに書かない!って叱らないでね。
ちょっと、時間に余裕のある時に書きたい作品だったので。 で、何処にも行かなかった今日。
なんだけれど~、反対に余裕ぶっこいて、新作ドラマ最後まで一気見してしまって…。
あちゃぁ~、こんな時間。 と、言い訳をしておいてからの~、記事と行きますか。
1987年1月14日。
軍事政権の圧政に反発する学生の民主化デモが激化する中、ソウル大学の学生が、
警察の取り調べ中に死亡する。
看取った医師も、検死官も「拷問」を受けていた事は、一目で明らかだったのだが…。
報せを受けたパク所長は、すぐさま部下に遺体の火葬を命じる。
警察から、時間外の申請書にサインせよとの一方的な申し出に、書類の内容に不審に思った
チェ検事は、上司の忠告を無視して司法解剖を強行し、やがて拷問致死が裏付けられる。
それでも警察上層部は拷問を否定するも、チェ検事に接触した東亜日報のユン記者によって
死因が暴露されると、今度はパク所長の部下2人の逮捕で事件の幕引きを図ろうとするのだったが…。
私にとっては、大好きな「キム・ユンソク」氏と「ハ・ジョンウ」氏の共演再びで、メッサ嬉しい作品
の筈がぁ~、余りにもユンソク氏の怪演で、もうちょっとで嫌いになりそうでした。なりませんがね。
この2人は、作品も未だ何回見ても大好きな「チェイサー」で、ジョンウ氏が、憎むべき犯人を
怪演しておったのですが。 今回は、反対の役処。
本作は、韓国でも屈指の主役級の役者が顔を連ねて、それだけでも凄いんですが、
ホンも良く出来ている。 一見すると、ちょっと難しそうではあるのですが…。
簡単に言えば、軍事政権下の韓国で、実際に起き民主化運動の転換点となった、大学生
拷問致死事件の真相を、隠蔽に奔走する警察関係者・その動きに疑問を抱いた検事・記者・
看守・学生と、事件に関わる様々な立場の人々の人間ドラマを通した実録群像劇。
群像劇なので、それ程露出が多くない方もいるのだが、それはそれで、印象に残る描き方で
大満足。
良くある、アンポンタンな刑事やら、脅されて、長いモノに巻かれろ的な人々が出て来ない。
時代もあるのだろうが、一般ピープルでさえ、自分で考え闘う精神を持つ。
それを力で抑えつけようとする軍事政権。
可哀想なのは、パク所長の部下達。 命令は絶対で、口答えなどは許されない。
しかも、「少しの辛抱」等と、パク所長に言われて、罪を被ったり、明らかに関係ない人間でも
とことん行ってしまう拷問等。
約束が違う等と言うなれば、「嫁や子供」も巻き込むぞと、さらなる脅しが待っている。
↑刑務所の看守で、運動の手助けをするビョンヨンは、捕まり酷い拷問を受けるが、独身の彼には
自分の身がどうなってもと、抵抗できるのだが…。
しかし、妹とその娘で可愛がっている姪の事を話しに出されると、やっぱりそこは…。
ポスターにも予告にも、名前は出るのに全くお顔が拝めなかった、ドンちゃんは37歳にして
大学生役。 しかも、自らこの役をやりたいと売り込んだそう。
この大学生も、強く印象に残ったよね。
結局は、パク所長に楯突いた、チェ検事は退職せざるを得なくるのだが…。
タダでは起きない…。
皆熱いよ~! 特に記者達は、捨て身で「ペン」を持つ。
とは言え、この国がひっくり返る様な、きっかけとなった「取り調べ中に死亡」した大学生の親の
声に出せない「嘆き」は、本当に辛かった。
学生運動とは全く関係のない息子が、帰らぬ人となり、その上遺体にさえ合わせて貰えずに
遺灰だけを渡される。
それを凍った川に撒くのだが、氷の上に落ちてしまい、凍った川に入り、跪き「ちゃんと流れて
いかねば」と泣きながら、すくって川の中に…。 母親は、失神してしまったのも分る。
それにしても、こんな大暴動がありながら、翌年にオリンピックが開催されたというのも
驚きだし、衝撃だった。
政治や、運動やらに、かなり「疎い」私でも、巨悪の根源はパク所長と言う図式が、明確なので
すんなりストーリーに入れるし、理解もしやすい。
そして、熱い国民の闘いを応援したくなる。 タダ、本当にキツイ拷問シーンも出て参ります
その辺の覚悟もいるやも。
もっと、本当は「こうなんだ」とか、こういう所が「カッチョヨス」とか書きたかったけれど
百聞は一見にしかず。 どうぞ、見て感じてくださいまし。
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