2007・邦画 ★★☆☆☆
監督:長尾直樹
出演:堀北真希 役所広司 鈴木京香 森下愛子 手塚理美 岸部一徳 小林裕吉 きたろう
涌井家は仲の良い3人家族だった。 父の悟(役所)は、石材店を営み根っからの職人気質。
母の良子(手塚)は途方もなく元気で明るく、イルカが大好きだった。
娘のみつこは、ごく普通の娘だった。 家族旅行にイルカウォッチに出かけた事もある。
悟の妹・早苗(森下)は自由奔放な方で、夫が居ながら浮気はするはバーを開くわ、好き勝手な事をしている。
早苗の息子は信一でみつこと同級生。
その昔、街外れにポツンと立っている洋館にアルゼンチン生まれの女性がやって来た。
最初の頃は、「タンゴ」や「スペイン語」を教えていたが、やがて頭がおかしくなって奇妙な呪文を唱えているとかで
そんな彼女の事を町の人達は「アルゼンチンババア」と呼んだ。
急に良子が病気になり、父さんと毎日欠かさずお見舞いに行っていた、みつこ(堀北)が高校生になったある日の事。
今日も母親の病院に行こうと、学校からチャリを飛ばして帰ってくるみつこ。
が、父さんに声を掛けても「今日はお前一人で行け」と言われた。
今まで、1日も欠かさずお見舞いに行っていた父さんなのに「変なの!」と思いながら病院に行ったら
母さんは、鼻から血を出し息が出来ない状態になっていき、そのうち段々姿を消してそして居なくなってしまった。
父さんを呼ぼうと何度電話しても居なくて、仕方が無いので早苗おばさんを呼んだ。 信一(小林)も来てくれた。
その日から父さんは、行方不明になってしまい。 みつこは街のマッサージ店にアルバイトに行く様になった。
時々、早苗おばさんと信一が尋ねてくれる。 今は母さんの位牌と2人暮らし…。
ところが、ひょんな事から父さんの居場所が分った。
アルゼンチンババアの所で暮らしている事を聞いたみつこは、父さんを迎えに行くのだが…。
父さんは全く帰る気は無く、アルゼンチンババアは「私の事はユリと呼んでね」と言い、「何時でもいらっしゃい」
等と妙に母が亡くなった事を慰めてくれた。
けれど、何の臭いか建物やババアもとっても臭いのだった。
翌日は、その話を聞いた早苗おばさんと信一が乗り込んで行って、父さんを連れ帰してくれると言っていたが
やっぱり、無理だった…。
父さんは、母さんが死んだ事を忘れてしまったのだろうか?
母さんより、アルゼンチンババアの方が父さんは好きになってしまったのだろうか?
《***》
どうしてこの作品が観たかったか。 ズバリタイトルに惹かれた為。 そんなけ!!!
良く考えてみれば、原作者のよしもとばななとも合わない私には、不向きな作品だったのだろうか?
先ずは、ミスキャスト。
アルゼンチンババアことユリ役をやる、鈴木京香が綺麗過ぎ。
例え綺麗であっても、ババアと名の付くのだから、何処か摩訶不思議さが無いとねぇ。
妖艶でも、本物のババアでもない。
一番、ピッタリなのは「鰐淵晴子」だろうと思うが、そうすると余りにも嵌まりすぎて面白くない。
此処は一つ、綺麗だが何処か胡散臭い、妖艶だが魔法使いの様なイメージを出してくれる「岩下志麻」は
Do~でしょう?
そう、ババアの癖に赤ちゃんを産んじゃうのよ!(ネタバレだよね!)
でも、↑の2人なら何だか赤ちゃんも産めそうよね!
だから、現実的にはあだ名がババアなだけで、そんなには年寄りでは無いのだろうね。
でも、何処と無く不思議な感じで赤ん坊も産んじゃう様なのは、良いんじゃ無い?
そんな役なら、岩下さんOKしないかなぁ~?
それと、隣の席のおばさんは泣いていたりしたのだけれど(一体何処で?)ストーリーが余りにも
つまらな過ぎるぜ!
アルゼンチンババアの良さも全く出てなかったし。
信一が従妹じゃなくって、彼氏だったらまだその方がみつこの恋の行方を追ったり出来たのにね。
役所はうらぶれてもカッチョヨス!だけれども、コレマタ役所の良さが生かしきれていなかったなぁ。
母さんへの決着の付け方も、何だかなァ~でした。 本当に良い所が殆ど無い作品でしたが。
ババアの洋館のキッチンだけは、何気に可愛かったです。
それぐらいなんだよね。 かなり期待はずれの作品でした。
ももさん。 岸部氏は、何時もながらのスケベオヤヂを演じておられました!(うふ)
《+++》
昨日の記事に書こうと思ったが、余りに時間が遅くなってしまい今日にした。
昨日の夜に飛び込んで来た訃報で知った。 「植木等」さんが亡くなった。
「舞妓Haaaan!!!」が最後の作品になってしまったが、この撮影の時はかなりしっかりと演じておられた。
数々の作品も観ているし面白かったが、こんなに有名で重鎮と呼ばれてもおかしくない方なのに
どんなに格下の人にも丁寧に有難うと仰る方なんだと、昔TV放送のあった「電波少年」のアポなしで
本当に名も知らないような「松村」が勲章を授与されたお祝いに花を持って自宅に伺ったら、本人自ら
玄関先まで出ていらして、「ワザワザ有難う御座います」と花を受け取って、頭を深々と下げられていたのを
忘れられない。
こういう時に案外人間が見えたりするのだけれど、この時の植木をさんを観て「立派な人なんだ」とそう思った。
勿論、TVのブラウン管を通してしか知らない人だが「素敵な人」と言う印象はその後ずっと持ち続けていた。
昨日の訃報を聞いて、本当に残念でならない。 ご冥福をお祈りいたします。