Setp Up ステップ・アップ  音楽とダンスの分量は良いのだけれどね! | 新・伝説のhiropoo映画日記

新・伝説のhiropoo映画日記

映画が好きだ。ドラマも好きだ。
そして、イケてる面はもっと好きだ。

そんな好きなものが詰まった日記、読んでみるかい。



2006・米     ★★★☆☆(3.6)


監督:アン・フレッチャー

出演:チャニング・テイタム  ジェナ・ディーワン  マリオ  ドリュー・シドラー  へヴィー・D  



ボルチモアの低所得者地区で、養父母の元で暮すタイラー・ケイジ(テイタム)。

他にも多くの小さい子供の養父母になっている為、余り家に寄り付かないタイラー。

軽犯罪を繰り返し、パーティや賭けバスケ・車の盗難と警察の厄介にも何度と無くなっていた。

黒人が大半のこの地域に居て、肌の色こそ白人では有るが気持ちは黒人そのモノのタイラーであった。



悪友のマックスとその弟・スキニーとつるむ毎日。  

ここいらでは顔のPJには、白人だからというのも有るのだろうが、タイラーは特に目を付けられている。


今日もパーティで、ダンスを踊っていただけなのに「俺の女に手を出すな」とPJに絡まれ、パーティから

叩き出されてしまった。

何となく遊び足りないタイラー達は、名門メリーランド芸術学校に潜り込む事に成功した。

深夜の学校は不気味さも有るが、それよりも金持ちの子供の来る学校だしと、軽い気持ちで講堂の備品を

ふざけながら壊しだす3人。

が、運悪く警備員にスキニーが捕まりかけ、庇ったタイラーが2人を逃がして捕まってしまう。


養父母が来てくれる事も無い法廷に一人立つタイラー。

判事からは、200時間の奉仕活動を命じられ芸術学校の用務員として働く事を義務付けられる。



自分の学校が終了してから、芸術学校に向かい用務員として清掃や電球を替えたりしながら学校中を

見学するタイラー。

校長からは「遅刻は厳禁」と「此処の生徒はお金持ちの子供ばかりでは無いのよ」と言われる。

が、もともとちゃらんぽらんなタイラーは、学校帰りに賭けバスケをしてから芸術学校に向かったりと

一向に反省の色が見えない。


タイラー自身もダンスが大好きだが、此処の生徒の様なタイツを履いたあんなダサイダンスは

絶対に踊れないと小馬鹿にしていた。


         
生徒達は、卒業発表会に向けてダンスや歌の制作に懸命になっていた。

その発表会には、全米のダンスカンパニーの面々も集まり、優秀な生徒をスカウトするのであった。

ノーラ(ディーワン)も発表会でスカウトが無い場合は、母親の言う通りダンスを諦めて

大学に進学をすると言う約束が交わされていたのであった。


ダンスをやめる事等、考えられないノーラは何が何でもスカウトを獲得するために神経をピリピリさせていた。

が、そんなときに限ってダンスパートナーとなってくれる筈の男子生徒が足を捻挫してしまう。


仕方なく、そんなに忙しくない1・2年生の男子生徒でオーディションをやってみるのだが、誰一人ノーラを

正確な位置にまでリフトする事が出来ない。  このままでは、パートナーも無くダンスを諦める事に…。

落ち込むノーラに窓を拭いていたタイラーが思わず笑いながら声を掛けた。  「俺がリフトしてやろうか?」と。


始めは、窓拭きが嫌で声を掛けて来たのかとつっけんどんにしていたノーラだったが、試しにやってみると…。

タイラーは、完璧にノーラをリフトしてみせる。

捻挫したパートナーが復帰できるまでの2週間だけの臨時のパートナーとしてタイラーと練習したいと校長に

掛け合うノーラ。  タイラーは掃除よりダンスの方が楽を出来ると、それぐらいに考えていたのであった。



校長は心配げな様子で、一応OKは出したのだが。

校長の一番の心配は、ノーラの切実さがタイラーにどれ位伝わっているかだった…。


タイツを穿かないパートナーを得たノーラはタイラーに振付けて行く。  

最初はまるで踊れなかったタイラーだが、徐々に自らがアイディアを出すまでになっていた。

学校が終ると、芸術学校に走る様になるタイラー。  勿論ダンスが楽しいだけではなかった…。

自分の事を必用としてくれる人間がいる喜びも感じるタイラー。  ノーラも又タイラーの事が好きになって行く。



だが、今までの様に賭けバスケや車の盗難を一緒にやらなくなった付き合いの悪いタイラーに憤りを

感じる様になるのは、マックスだった。

毎日を楽しければそれで良いと言う風に過ごして来た仲間なのに…。

業を煮やしたマックスが芸術学校にタイラーを捜しに行くと、そこにはタイツこそ穿いていないが、

タイラーが馬鹿にしていたナヨナヨのダンスを夢中で踊っているタイラーが居た…。



マックスとの友情よりも「女を取った」とマックスに言われて、心にざわつきを感じるタイラー。

その頃、マックスに言われた様にノーラの事が大好きで、夢中になっていたタイラーだった。


そして、ノーラがプロダンサーになる為に発表会でスカウトされると言う目標を成し遂げると宣言し、

タイラーには、発表会でのダンスを転入試験にしてもらえば?と提案するノーラ。

生まれて始めてタイラーに希望や目標と言うものが芽生える。

このまま、一生此処から出れないんだという思いから夢や希望を持つ事さえ、諦めてきたタイラーに…。



が、しかし…。

思ったよりも足の捻挫が早く完治した元々のノーラのパートナーが復帰してくる。

自分の居場所を無くしてしまったタイラーは、そのままダンスの練習にも参加せずに学校にも現れなくなってしまう。
そして、ノーラからの電話にすら出なくなってしまう…。  2人の夢は果たされる事は無いのであろうか?





《+++》

ダンスモノの作品は大好物の私です。  この作品もかなり前から楽しみにしていた。


この手の作品で、不満に感じるのは主役のソロのダンスはふんだんにあるのに、群舞のダンスが少なかったり

する事なのだが、発表会で充分に見せてくれるダンスは、群舞も充分に有り大満足だった。


タダ…。  そう、問題はストーリーの方なんですよね。

幾ら青春映画だからと言って、ダンス映画だからと言って、一番大事なことがおざなりでは

観ている方には伝わらない。

貧困な養父母に養育費を目当てに育てられたタイラーは、一生このままの生活を送るしかないと

自分自身では夢を見る事や希望を持つ事を封印して来た、ある意味捨て鉢な今までを送ってきた青年。

そのタイラーが、夢に向かって直向に挑戦するノーラに恋をし、自分も夢を持つ事が出来るのでは?と

一瞬思ったりする。  そう、タイラーは一瞬思うだけで終わりなんだよね。


本来は、どんな困難が待ち受けていても希望に向かってトライし続け、諦めない姿が見たいのに…。

で、ラストは「しっかりした真面目に生きたい」とマックスが気付いて同調する…。なんて、主役なのに有り?



その上に、ほっぽって置いたノーラと間違いなく踊れるって、幾らハッピーエンドのストーリーでも

舐めてたらアキマセンゼ!!兄ちゃん。  世間と言うものはそんな甘いモンやおまへん!

だって、一番大事なポイントでっせ!!  基本中の基本でしょ!


こんなんで、タイラーが認められたら「やっぱ、俺って天才!世の中こんなもん!」ってなりませんか?

主に振付師としてやってきた方が敢えて、ダンス映画の監督にトライしたというのに。

ダンスの世界も、そりゃ~厳しいモンですぜ!ッてところを見せて欲しかったっす!

タイラーがどんなに歯を食いしばっても基礎の出来ている生徒達に太刀打ち出来ないなんてところも無かったしね。



ダンスの方は、流石振り付け師が監督をしただけあって、モダンバレエとヒップホップダンスを上手く組み合わせて

躍動的で、スピード感の溢れた力強さを感じる美しいダンスだった。

音楽も、ヒップホップにストリングスを合わせたりとなかなか良かったのだが…。


ノーラ役のジェナ・ディーワンは、動いている時の方が綺麗に見えるね。


サントラは是非ともゲットしたいのだが、大好物作品ながらDVDはちょっと考えてしまう。

もう一度レンタルでじっくり見るぐらいで良いかもなァ~。  やっぱ、感激出来るストーリーで無いとね。


まぁ、直球ど真ん中の青春ダンス映画です。  興味のある人は是非スクリーンでね。

やっぱ、迫力の違いは否めないでしょ。


エンドロールには、倖田來未のBUTが流れるのだが、海外ではどんな曲が流れたのでしょうか?

実は、今一番気に入っている曲が「BUT」なのである。  

最初聴いた時(見た時)は「ヲイヲイ!」と思ったものの、今では結構ガン見状態。

サントラとセットでゲッチュ!ッて事で…。  

歩きながら踊っている変なおばさんを見た時は注意をしてやって下さい叫び  



倖田來未, Kumi Koda, Tommy Henriksen, Masaki Iehara
BUT/愛証 (DVD付)


《+++》

今日、男前が一人で「蟲師」を私より先に観て来やがった!(チェ!)

レヴューの中身は読んでいないが、かなり評判が悪い様子が伺える。

レヴューのタイトルが「無視し」とか「ムシムシ」とかが多い感じ。  星の数も平均で2ぐらいしかなかった。


男前の感想も…。

明日は「ホリディ」と「蟲師」をイッチョ2本行ってきまっす!

で、出来れば「蟲師」の記事を男前の感想と共にUP出来たらと考えておりますです!はい!