「九十歳。何がめでたい」同名エッセイ集の映画化。90歳の草笛光子が演じる痛快でパワフルな90歳! | 『Pickup Cinema』

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(C)2024「九十歳。何がめでたい」製作委員会 (C)佐藤愛子/小学館

2024年製作/日本 監督:前田哲 出演:草笛光子、唐沢寿明、真矢ミキ、藤間爽子、木村多江、中島瑠菜ほか 配給:松竹 劇場公開日:2024年6月21日 ★マスコミ試写会で4月24日に鑑賞

 

歯に衣きせぬ痛快なエッセイが人気の直木賞作家・佐藤愛子。昨年100歳を迎えた彼女のベストセラー・エッセイ「九十歳。何がめでたい」を元に日常のあれこれをユーモアたっぷりに描いた作品。

これまで数多くの文学賞を受賞してきた作家の佐藤愛子(草笛光子)は、90歳を迎え、断筆宣言をする。しかし、人づきあいも減り、新聞やテレビをぼーっと見るだけの退屈で鬱々とした日々を過ごしていた。

同じ家の2階で同居する娘・響子(真矢ミキ)や孫・桃子(藤間爽子)には、愛子の気持ちはなかなか伝わらない。

そんなある日、旧知の編集者・吉川(唐沢寿明)がエッセイの連載の依頼に来る。

吉川は、昭和気質なコミュニケーションがパワハラ、セクハラだと社内で問題となり、妻や娘にも愛想を尽かされ、寂しく悶々とする日々を過ごしていた。

吉川の申し出を一度は断った愛子だったが、日常に感じる疑問や生きづらさを怒りに任せて書いてみると、エッセイは大評判になり、単行本はベストセラーとなる。

愛子は積極的に外出するようになり、新しい世界を切り拓いていく。また、吉川も愛子からエネルギーをもらったかのように、前向きに人生を生きようとする。

老いを楽しみ、日々を幸せに過ごすためのヒントが散りばめられていて、人生100年時代をどう生きようか模索している人、まだまだ頑張りたいと思っている人にとっては元気の出る作品。

愛子の辛口の提言は、時に面白く、また時には切なくもあり、老若男女の共感を呼ぶことだろう。