「猿の惑星 キングダム」立場が逆転した300年後の世界。人類に希望はあるのか | 『Pickup Cinema』

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2024年製作/145分/アメリカ 監督:ウェス・ボール 出演:オーウェン・ティーグ フレイヤ・アーラン ウィリアム・H・メイシーほか 配給:ディズニー 劇場公開日:2024年5月10日 ※マスコミ試写会関西で5月2日に鑑賞

 

あの衝撃のラストから55年。「猿の惑星」シリーズの完全新作として製作された本作は、今から300年後の地球が舞台。

ウィルスの蔓延により、衰退した人類社会。わずかに生き残った人々は退化し、言葉を話すこともできず、野生動物のように森に隠れて暮らしている。一方、高い知能と言語を得た猿たちは、複数の部族を構成し、狩りをするように人を追いかけていた。

ある部族の長の息子ノアは、幼なじみと冒険を楽しむ日々を送っていた。ノアの父親はワシを操り、仲間からの信望も厚い。しかし、ある日、部族は世界統一を目論む暴君プロキシマス・シーザーの攻撃を受ける。

家族や友人を捕虜として連行されたノアは、仲間を救うためにシーザーのキングダム(王国)を目指す。途中、ノアは美しくて賢い人間の女性ノヴァと出会う。彼女は話すことができ、意気投合した二人は行動を共にする。

森で出会ったオランウータンからは、初代シーザーの教えを聞き、キングダムに対して違和感を抱くようになるノア。

しかしノアたちは、プロキシマス・シーザーの手下の奇襲を受け捕獲されキングダムに連れて来られる。そこでノアを待っていたのは、衝撃の事実だった。

若きノアのアドベンチャー物語…だけでは終わらない。退化したはずの人類と猿たちの今後を示唆するラストに次回作への期待がさらに高まる。過去作品を観ていなくても楽しめる内容となっているが、コロナ禍を乗り越えた私たちにとっては他人事とは思えない奥深いストーリーだ。