あの日、高校2年生の知華さんは「お友達と綺麗な珊瑚礁を見たかった」だけだった。
こんにちは。今日は重い話題を書かせてください。

すでにみなさんご存じでしょう。

下は、父親が立ち上げたnoteです。事実を書いていらっしゃいます。

 

 

2026年3月16日、沖縄・名護市の辺野古沖。修学旅行で訪れていた京都の同志社国際高校2年生の生徒たちが乗った小型船2隻が転覆しました。18人の生徒が海に投げ出され、2年生の武石知華さん(当時17歳)が亡くなりました。

知華さんは、事故の前日、家族にこんなLINEを送っていたそうです。「お友達と綺麗な珊瑚礁を見たい」。辺野古のコースを選んだ理由を、「美術館で怖い絵を見るよりかは、お友達と綺麗な珊瑚礁を見る方が楽しそうじゃん」と話していたといいます。

ただ彼女は、自分が乗る船が「抗議活動用の船」だとは十分に知らされていませんでした。

この事故で、知華さんと同時に、14人の生徒が重軽傷を負いました。約10名の生徒が重症を負い、今も心身に深い傷を抱えています。

「知華さんのご冥福を心よりお祈りします」
 

知華さんは2008年生まれ。3歳から11歳までインドネシアのインターナショナルスクールに通い、その後、京都の同志社国際学校へ入学しました。

そんな彼女がなぜ観光船ではなく、安全装備も十分にない、安全意識のかけらもない「抗議船」に乗せられなければならなかったのか。

 

なぜ学校は修学旅行で事業登録もない非旅客船に生徒を乗せ、波浪注意報が出ている中で出航させたのか。

 

引率の教師はあえて一緒に乗らなかった理由は。

 

そしてなぜ、保護者に「抗議船に乗る」、ライフジャケットも肩にかける程度で普通の人から見ると荒れた海に多くの生徒を詰め込んで出港するようなことがあると説明しなかったのか。

今も、その答えは出ていません。学校側、校長は、下見すらしていない、内容は把握していないとコメント。

 

つまり、知っていると責任問題が大きくなる。知らなければ、それでも責任問題はあるが、危険なことを無理やりさせたという状況よりはましな小さな責任問題ですむという考えからの発言のようではありませんか。

【悲しみを乗り越えて、発信を続けるご家族】


この痛ましい事故を受け、知華さんのご家族はインターネットの投稿サイト「note」で情報発信を続けています。

「本当に、どうしてこうなってしまったのか」
「初めて会った取引先の人にも2人の娘の自慢をしてしまうくらい、明るく、優しく、聡明な子でした」

「家族4人で過ごせる幸せな時間はずっと続くものと思っていました」

ご家族がnoteで綴る言葉の一つ一つが胸を打ちます。
ご家族は「誤情報を訂正する機会」「事実解明につながる情報収集」のために発信を決めたといいます。

どうか、一人でも多くの方に読んでいただきたいです。

【これを読んでいるすべての親御さんへ。これが日本の「修学旅行」の現実です。】
 

ここからは、私がどうしても伝えたいことです。

この事故は、決して「あの学校がたまたま悪かった」で終わらせられる話ではありません。日本の教育システムが抱える大きな問題を暴き出しているのです。

あなたは、子どもの修学旅行に「疑問」を持ったことはありませんか?
「あの行程、安全なの?」
「なぜこんな遠くまで行く必要があるの?」
「この時期にこの場所って、大丈夫なの?」

もしあなたがそう思ったとして……それを学校に言えますか?

言えないでしょう。なぜなら、「わがままな親」「面倒なクレーマー」と思われたくないから。そして最も大きな理由は——

子どもの内申書や成績、大学への推薦状を学校に握られているから。

これが日本の教育の「当たり前」です。修学旅行への「参加拒否」や「疑問の申し立て」が、後に子どもの進路にあからさまな影響を及ぼすことを、多くの親は「なんとなく」知っています。学校評価の重要な材料である調査書には、単なる欠席記録だけでなく「集団行動への適応状況」なども記載されるからです。

結果として私たち親は、子どもの将来を人質に取られた状態で、納得いかない行事に「仕方なく」参加させています。

「知華さんが乗った船が「抗議船」だったと、事前に知っていれば」
保護者の誰かが「ちょっと待ってください」と言えていたかもしれない。

しかし学校は「抗議船に乗る」という情報を保護者にも生徒にも伝えませんでした。「生徒はその部分に関して理解していると思う」と校長は当時の説明会で答えました。実際には、知華さんのご家族は「全く知らなかった」と言っています。

この「伝えない」という選択は、事故を引き起こした最大の要因の一つです。

なぜ伝えられなかったのか。もし「抗議船」という事実を保護者が知れば、クレームが来る。コースを変更しなければならなくなる。

 

金銭面での不都合、政治的活動実績低下、「思想の強要」の目標未達など、反社的な面を想像すれば、それは容易に思いつきます。それらを恐れたからではないでしょうか。

中学校や高校の修学旅行は、もはや「子どものための行事」ではありません。学校側にとっては「計画通りに遂行すること」が最優先のプロジェクトです。日程もコースも予算も、すべて決まったら「後戻りできない」。だから、少しでもクレームの種になる情報は「伝えない」か「薄める」。

そしてその結果が、今回の痛ましい事故です。

あなたが「参加させない」という選択を取ったら、どうなるか。
想像してみてください。

あなたの子どもが「修学旅行に行きたくない」と言ったとします。理由はどうあれ。いじめかもしれない。団体行動が苦手かもしれない。単純に「興味ない」かもしれない。

あなたがそれを承諾したら?

その子どもは「協調性がない」と評価され、内申書に何らかの形で影響が出ます。 多くの学校では、修学旅行を含む学校行事への参加状況が調査書の「特別活動の記録」や「行動の記録」に記載され、推薦入試などで合否を左右します。内申書は成績だけでなく、行動や態度も含めて評価されるものだからです。

そして、それが積み重なって

・志望校の推薦入試の対象から外れる
・「協調性に欠ける」というレッテルで、学校生活の様々な場面で不利になる
・最終的に、子どもが希望する進路への道が狭まる

学校も教師も、意図的にそうしているわけではありません。 しかし「システム」がそうなっているのです。

だから親は黙る。疑問を飲み込む。そして「みんなと同じように」子どもの修学旅行を「送り出す」。

このシステムは変えなければなりません。

知華さんはもう帰ってきません。でも、彼女のご家族が声を上げ続けているのは、同じ悲しみを繰り返さないためです。我々、他の保護者とその子どもを守ってくれることにつながります。

「風化させたくない」という言葉を胸に刻みながら

私たち一人ひとりが、この機会に「修学旅行のあり方」と「親が学校に意見を言えない構造」について、真剣に考えるべきです。

学校教育は、しばしば「絶対」です。絶対に行かなければならない。絶対に参加しなければならない。でも、それは「子どもの安全と成長のため」という大義名分のもとに運営されているにすぎません。

もし今回の記事を読んで、何か感じるものがあったなら

今日、お子さんの学校に「修学旅行の安全対策の資料」を求めてみてください。そして、それが適切かどうか、自分の目で確かめてみてください。

それだけでも、何かが変わるきっかけになるかもしれません。しかし、多くの親はそれすらできません。それが現実です。大好きな子どもを守る行為すら、受験の前ではかすんでしまう。それが現実です。

謹んで、武石知華さんのご冥福をお祈りいたします。そして負傷された生徒の皆さんが一日でも早く心身ともに回復されますよう、心から願っています。

 

そもそも「小船の転覆」と「リーフの浅瀬」がなぜこれほど危険なのか?


ここで、もう一つ絶対に伝えておかなければならないことがあります。それは「辺野古の海」と「転覆したボート」の危険性です。

この事故が起きたのは、リーフ(サンゴ礁)エッジにあたる非常に浅い海でした。リーフの外側から押し寄せる波は、水深が急に浅くなることで一気に高さを増し、砕けるようにして内側に流れ込みます。つまり、普通の場所とは違い、大き目の波が発生する場所なのです。船を出していた人達はその危険を知っています。それでもそんな場所に連れて行っています。意図的だったのかもしれません。投げ出せれた生徒がいれば、ニュースになる。それを基地建設反対につなげ、各所から来る資金の宣伝材料にする。

当日は波浪注意報が出ており、波高は2メートル以上。小型船(約7メートル、定員12名程度の漁船タイプ)がその波を受ければ、ひとたび横向きに波を被っただけで簡単に転覆します。船のバランスも重要ですが、生徒たちはてきとうに指示され、立ったり座ったり。しっかり座り、何かも持つだけの十分な場所はなかった様子です。投げ出されることが想像できます。

そして最大の恐怖は、転覆した後の「サンゴ」 です。水深はわずか1〜2メートル。船から放り出された生徒たちは、足をつこうとしても岩のように硬く、無数の刃のように鋭いサンゴの上に叩きつけられます。重症を負った10名の生徒の多くは、全身にサンゴで切り裂かれた深い傷を負い、中には頭蓋骨にまで達する裂傷を負った子もいました。

「小船の転覆。リーフにおける波の強さと水深の浅さ。サンゴの鋭利な形状。」

この危険を本当に想像できるのは、自分で海に入って波とサンゴを体験した人だけです。陸の上できれいな海だと思っているだけでは、想像すらできません。それがこの事故の、最も恐ろしい側面なのです。

うちの子、PYP・MYP経験済みだからDPも安心?

いいえ。結論から言います。甘かった…親の本音です


子どもが小学1年からIBのPYP(国際バカロレア小学校)、中学はMYP(国際バカロレア中学校)、そして現在高校でIBDP(ディプロマプログラム)をやっている母親からの投稿記事を編集したものです。

「PYPやMYPをやってきたからDPも大丈夫」という考え、完全に間違っていました。
実際にわが子を通して思い知ったので、同じような立場の親御さんにぜひ知ってほしいんです。

うちの子がDPでいきなりつまづいた5つの現実
 

1. 「探究」しかしてこなかった子に、「暗記と試験」は無理ゲーでした
 

PYPもMYPも、本当に楽しそうでした。自分でテーマを決めて調べて、ポスター作って発表して…「学び方」は身についたと思います。

でもね、DPになったら突然「知識を大量に覚えて、制限時間内に論述しなさい」と言われたんです。うちの子、定期試験のようなものを受けた経験がほとんどなかったから、最初のテストでは「時間配分ミスった」と半分しか解いていない状態で終了。


PYP・MYPは「プロセス」を評価される。DPは「結果と知識の正確さ」を評価される。この違い、親の私でも痛感しました。

 

 

〖注意〗

実は、IBのMYP(中学校)からいきなりDPコース(高校2・3年)に進むわけではありません。多くのIB一貫校では、中学3年~高校1年相当の学年(Grade 10~11あたり)に「Pre-IBDP」や「IGCSE(イギリス式の中級資格試験)」というカリキュラムが挟まれます。このIGCSEは科目ごとに最終試験があり、採点も厳格。つまり、子どもたちはDPに入る前に「試験慣れ」する機会を得られるんです。

 

もしこの期間がしっかりあれば、「探究しかしてこなかった」という問題は少し和らぎます。ただし、IGCSEはあくまで「食いつなぎ」。DPの試験とは問題形式や要求レベルが大きく異なるので、過信は禁物です。「IGCSEでAを多く取れたからDPも大丈夫」と思ったら大間違いです。でも、IGCSEでAを取れないなら勉強方法の見直しが必要です。


2. 「自分で科目を選べ」と言われて、大混乱
 

学校規模が小さいこともあり、MYPまでだいたい決められたカリキュラムをみんなで履修していました。選択科目はあっても「大学を意識して理系・文系を決める」なんて経験はゼロ。

なのにDP前の最初の生徒向け説明会で「HL(高難度)を3つ選びなさい。あなたの将来の進路に合わせて」と。うちの子、「医学に進みたい」なんてぼんやり言ってたけど、実際に化学HLを選べるだけの準備ができていなかったんです。

結果、最初の数週間で「化学HLが重すぎる」とパニック。学校のIBカウンセラーと相談してHLとSL科目変更の手続きのための確認と面談などでバタバタしました。

〖注意〗

ただし、もし最初の選択で間違えても、まだチャンスはあります。DPが始まってから数週間、学校によっては2ヶ月以内であれば、科目やレベル(HL/SL)の変更が認められることが多いんです。最初は「化学HL」を選んだものの、あまりの難しさに担任と相談して「化学SL」に下げてもらう生徒も。オフィシャルな変更の締め切りは大体、DP1の最初のターム内。でも学校によってかなり異なります。先生に遠慮せず「合わない」「重い」と早めに相談することが大事です。「もう決まったから我慢しなさい」は禁物。子どもの負担を減らせる道は、ちゃんとありますから。


3. 分厚い教科書に、白目をむいた


小中学校では日本語のサポートが手厚かったんです。授業は日本語と英語のバイリンガルで、わからない単語は先生が教えてくれる。

 

 

でもDPの理科の教科書のようなIBDPの書籍は分厚い巨大な英語の本。専門用語だらけで、読み解くだけで一苦労。「この単語、何て発音するの?」と聞かれても、私もわかりませんでした。

MYPで英語に触れていても、アカデミックな英語の読み書きは別物なんだと痛感しました。

〖注意〗
とはいえ、この「分厚い英語の教科書問題」にもいくつか救いはあります。まず、IBDPの理科や数学の教科書は確かに巨大ですが、試験で問われるのは全ページの内容ではなく、シラバス(学習指導要領)に沿った限られたトピックです。学校の先生は「この章は飛ばす」「ここは読まなくていい」と指示してくれることがほとんど。オンライン教材を使っている学校なら、紙の教科書より読みやすく、用語の定義もすぐに引けます。さらに、日本語で書かれたIBDPの参考書(翻訳版や解説本)も増えています。「英語の本文を読む前に、まず日本語の解説で全体像をつかむ」という作戦に切り替えて、かなり楽になりました。教科書の厚さに最初は泣いても、工夫次第で乗り越えられますから、諦めないでくださいね。

4. 「自分の子どもはできる」という親の驕り


正直に告白します。私は「うちの子はPYP・MYPで優秀だったから、DPも自然とこなせるだろう」とタカをくくっていました。

でも実際は「高校からIBに編入してきた子」のほうが、机に向かう習慣や試験対策のノウハウを持っていて、うちの子より成績が良かったんです。

PYP・MYPの成績が良かったからといって、DPの成績は一切保証されません。むしろ、「自由な学び」に慣れすぎたわが子は、DPの厳しさに適応できずにメンタルを病みかけました。

 

〖注意〗

IBDPの高校では、高校からの入学ができる学校も多くあります。受験は必要ですが、受験に際して英検2級程度を条件にしている学校もあり、決して難易度は高すぎることはありません。

 

 

5. 「DPってこんなに大変なの?」と親のほうが驚いている

 

授業、課題、EE(4000字の論文)、TOK(知識の理論)、CAS(活動)…もうとにかく量が多い。毎日深夜まで勉強しているのに「終わらない」と泣く息子。

MYPのときは「宿題はほとんどない」「遊びながら学ぶ」という感じでした。そのギャップに、子どもも親も対応できていません。
 

これからDPを目指すなら、ぜひ次のことをやってください。

DPの公式ガイドを親子で読む。「どう変わるのか」を具体的にイメージさせる。

英語のアカデミックリーディングを中学生時期から習慣に。

「PYP・MYPができていたから大丈夫」と思わない。むしろ、心機一転、リセットするつもりで。

まとめ

国際バカロレアは素晴らしい教育です。でも、IBDPはその素晴らしさすら忘れるほどの学習が必要。もし最初にこのことを知っていたら、もう少し準備ができたのに…と。
 

IBDPを始める前に読んでおきたい英語の本5選


「IBDP、難しそう…でも何から準備すればいいの?」
「英語の本を読む習慣、つけておいた方がいいって聞くけど…」

そんな不安を抱えたまま新学期を迎えるのはもったいない。Pre-IBからDP1に進む夏休みは、「DPの内容を先取りする時期」ではなく、「IBDPで求められる思考法と学習習慣を身につける準備期間」だと言われている。

そこで今回は、IBDPを控えた皆さんにぜひ読んでおいてほしい英語の本を5冊、選んでみた。どれも「知っていれば楽になる」「読んでおけば後の苦労が減る」ものばかり。1冊ずつ、なぜその本なのか、IBDPのどこに効くのかを解説していく。

1. 『Thinking, Fast and Slow』by Daniel Kahneman
(思考、速くそして遅く/ダニエル・カーネマン)

IBDPの核となるTOK(知の理論)で最初にぶつかる壁、それが「人間の思考には偏りがある」という事実。この本を読めば、「なぜ私たちは非合理な判断をしてしまうのか」が脳科学&行動経済学の視点から理解できる。

IBDPで求められる批判的思考の土台を築いてくれる1冊。TOKのエッセイで「認知バイアス」をテーマに議論する際にも、この本で得た知識がそのまま武器になる。

おすすめの読み方:1日1章、考えながらゆっくり進めるのがベター。一気読みしようとすると逆に頭がパンクするので注意。

 

 

英語版と翻訳版です。

 

2. 『How to Read a Book』by Mortimer J. Adler
(いかに本を読むか/モーティマー・J・アドラー)

「本の読み方なんて、誰でも知ってるでしょ?」と思った人、ちょっと待って。この本が言っているのは「ただ文字を追うこと」ではなく、「分析的に読み、論点を抽出し、批判的に評価する」というレベルの読書術だ。

IBDPではEnglish Aの文学分析はもちろん、EE(拡張エッセイ)の文献レビュー、各科目のIAに至るまで「読む → 理解する → 自分の言葉で論じる」という工程が永遠に続く。この本のメソッドを身につけておけば、読む効率が桁違いになる。

おすすめの読み方:実際に少し難しい英語の本を1冊選び、本書で紹介されている「分析的読書」の4ステップを実践してみる。

 

 

3. 『The Extended Essay for the IB Diploma: Skills for Success』
IB Diploma Programme (Paul Hoang)

EEは多くのIB生にとって最大の難関。「4000字の英語論文なんて書ける気がしない…」という人にこそ手に取ってほしい。

この本は、テーマの選び方からリサーチクエスチョンの立て方、文献の探し方、引用のルール、構成の組み立て方まで、EEの全工程をステップ・バイ・ステップで解説している。しかも、IBの新しいガイドラインに対応した最新版なので、学校の先生に「その情報はもう古いよ」と言われる心配もない。

おすすめの読み方:EEのテーマがまだ決まっていなくても大丈夫。まずは「どうやってテーマを絞るか」の章だけ読んで、頭の整理から始めてみよう。

 

 

4. 『The 7 Habits of Highly Effective People』by Stephen R. Covey
(7つの習慣/スティーブン・R・コヴィー)

「なぜ今さら『7つの習慣』?」と思うかもしれない。でもよく考えてほしい。IBDPでは同時に6科目の授業に加え、EE、TOK、CASの3つのコアプログラムをこなさなければならない。優先順位をつけ、先延ばしをせず、長期的な視点で計画的に動く力がなければ、あっという間に溺れてしまう。

本書で紹介されている「重要だが緊急でないことに集中する」という習慣は、IAの締め切りや試験勉強に追われる日々の中で、自分の軸を保つための羅針盤になる。

おすすめの読み方:「P/PCバランス」「Win-Win」「まず理解に徹する」といったキーコンセプトを、自分のIBDP生活にどう落とし込むか考えながら読むと効果的。

 

 

5. 『Oxford IB Diploma Programme: IB Theory of Knowledge Course Book』
by Marija Uzunova-Dang and Arvin Singh Uzunov

TOK専用のコースブック。この教科書はIBO(国際バカロレア機構)と共同開発された公式教材で、カリキュラムの隅々まで網羅している。

学校で配られる場合もあるが、もし配られないなら迷わず自費で購入する価値がある。なぜなら、TOKは「曖昧でつかみどころがない」と言われる科目だからだ。この本を先に読んでおけば「そもそもTOKって何をすればいいのか」という根本的な疑問が解決され、授業に入る前から他の生徒より1歩リードできる。

おすすめの読み方:全てを完璧に理解しようとしなくていい。まず「知識の領域(AOK)」と「知識の方法(WOK)」の全体像をざっくりつかむことが目標。

 

ほぼ、教科書参考書の代わりです。

 

 

まとめ:本を読むことは「先行投資」
 

「こんなにたくさん読めないよ」と思った人もいるかもしれない。しかし、これらは「宿題」ではない。むしろ、IBDPの2年間であらゆる場面で返ってくる先行投資だと考えてほしい。

読み終えた後に感じるのは、おそらく「ああ、IBDPってこういうことを求めているのか」という納得感。そして、その納得感は何よりの自信になる。

まずは気になる1冊から、手に取ってみてほしい。あなたのIBDPライフが少しでもスムーズで実りあるものになりますように。

「IBDP高校から日本の医学部医学科へ」を実現するためのロードマップ
知っておくべき現実:IBDPから医学科合格は「偏差値」では測れない

の連載第5話です。

 

5. IBを活かすとは

「IBを利用して医学部に合格する」という発想は、IBというプログラムを合格のための“道具”にしようと苦戦することになり、結局全てにおいて良い結果が得られません。

具体的には、本人の興味や希望を無視して、医学部受験の定番科目やCAS、EEなどを打算的に選択し、個性が消えてしまいます。そうなると、合格ラインすら見えず、混乱するだけです。このような姿勢では、どうしても学力や成績の向上ばかりに目が向きがちです。結果的に、他の受験生とまったく変わらない内容になり、学力で多少の差をつけられたとしても、医学部の選考者の視点から見れば個性や魅力を感じられません。浅い課外活動や志望動機に陥るリスクが高くなります。

IBDP選抜における大学受験では、学力だけが評価されるわけではありません。それにもかかわらず、学力に偏った考え方では、失敗してしまうでしょう。

医学部は明確に、「IBが育むべき内側の成長(好奇心、探究心、自ら問いを立てる力)」を重要視していると明記しています。

一方で「一般受験でも通用する学力を身につけたうえで、IBでの学びを活かして総合型入試に臨む」という姿勢は、まったく異なります。

ここでの「IBでの学びを活かす」とは何かを簡単に整理しましょう。具体的には以下のようなことです。

IBDPの理科科目や研究過程で学んだ深い理解を、志望理由書や面接で自分の言葉で語る

CASや自主的に取り組んだ活動を通じて得た気づきを、医師としての志と結びつける

TOKやEEで鍛えた批判的思考力を、小論文や面接での問いへの答え方に反映させる

さらには、自分自身やグループで行った研究とその論文を提出して、その評価を圧倒的な差にしていくことが重要です。

IBDPでは、CASとEEは必須ですから、成績と合わせて一定以上の質のものを仕上げることは当然求められます。しかし、それに加えて合格のために必要なことは、たった一つです。

それは、「最終スコアの高さ」ではありません。最終スコアは、志望大学が定める最低基準点で十分です。必要なのは、自分自身で行う研究と、その論文です。わかりやすく言えば、自分で何かに主体的に取り組み、それをレポートとしてきちんとまとめ、できれば何かの機会に発表して実績として残すことです。

レポートは論文形式で英語と日本語でまとめるか、あるいは日本語の要約を準備します。

その論文の質が、入試において非常に大きな差を生みます。これらはいずれも、「IBを利用する」のではなく、「IBを生きる」中で自然と身についた力を、入試という場で「活かす」ということなのです。

 

👇アメリカの大学とか、これで簡単に合格できますよ

 

では、なぜこれがそれほど重要なのでしょうか。

授業での学習がよくできることは、医学科の選考においては「当然」のことと見なされます。国内の一般入試で勝ち上がる生徒は、それぞれの学校でトップクラスの成績を収めている生徒です。そのような生徒たちの中で争われる医学科受験では、学校の授業や科目の成績や得点は「最低限やっておくべきこと」とみなされています。

幸いなことに、IBDPの場合はその特殊性から、最終的な得点にあまり意味を見出していない大学がほとんどです。実際、最終得点の高い順に合格者を出しているわけではなく、それによって入学後の実績に差がないこともわかっています。つまり、大学は「さらに何か別のもの」を見ているわけです。そして実際に、大学側もそのことを明言しています

また、「一般受験でも合格できる学力をつける」という考え方に対して、「それではIBの良さが活かせなくなるのでは」と感じる方もいるかもしれません。

おっしゃる通りです。できる生徒であれば両立に挑戦してもよいでしょう。しかし、一般受験対策を並行して行うことはかなりの負荷がかかり、どちらも中途半端になってしまうリスクがあります。もし両立が難しいのであれば、できることに集中するべきです。つまり、IBDPそのものに集中することです。

なお、一般受験対策自体は決して「IBの学びを軽視する」という意味ではありません。むしろ、IBという高度なプログラムに取り組みながら、同時に日本の大学入試に対応できる基礎学力を維持する。これは、決して簡単なことではありませんし、両立させることができる生徒というのは高い学習能力と自己管理能力があるという証になります。さらにその上でしっかりと課外活動を行う生徒もいて、周囲から「天才」と呼ばれることもあります。

大切なのは、自分がそのような「両立できる生徒」であるかどうかを早めに見極め、どこにどれだけ集中するべきかを考えることです。学校もある程度は見極めてアドバイスをしてくれます。しかし、IBDPの1年目にはまだ十分な情報が得られていないため、結果的に「とりあえず一般受験対策に参加しておく」ように勧められる生徒もいます。

 

👇国際バカロレアがきになったら読む本

 

つまり、一般受験対策は、IBDPの「逃げ道」ではありません。できる生徒がさらに上を目指すための「手段」です。そのため、「医学科受験のためにIBDPコースに進学する」というよりも、「IBDPコースに進学し、さらに余裕があるからこそ、一般受験でIBDP入試を行っていない大学も視野に入れる」という姿勢が望ましいのです。

それは普通に考えると非常に困難で、それを行うと偏差値教育に嫌気がさして、さらに偏差値教育に不満があり国際バカロレアの高校に進学したという理由が崩れてしまいますから要注意です。

次回は、さらにIBDP生の実例からみる
6. 不確実性の中で、確かなものを積み上げる
です。

今回は

「IBDP高校から日本の医学部医学科へ」を実現するためのロードマップ
知っておくべき現実:IBDPから医学科合格は「偏差値」では測れない

の第4話です。

 

4. 「目標」と「現実戦略」のバランス

ここで、「国際バカロレア(IBDP)を利用して医学科を目指す」つまり、「「医学科に合格しやすいだろうと考えてIBDPコースを選択する」という考え方はやめたほうが良い」について説明します。

まず、結論を言えば国内の国際バカロレア校(IBDPコース校)において一番安定して安心なのは「一般受験と総合型入試で合格できるように学習していくこと」と考えられています。

このように聞くと、「『手段としてIBを活用するな』と言いながら、『一般受験の学力をつけてIB特別選抜にいどめ』とは矛盾している」と感じる方もいるかもしれません。

 

👇海外大学を考えるなら、親が先に読んで把握して準備するべき

海外大学 合格の 手引き

 

でも、この二つは決して矛盾していません。むしろ、表裏一体だと考えています。

とはいえ、これは非常に難しい道のりです。なぜなら結局は一般受験で合格する学力を身に着ける必要があるからです。そうなると、あえてIBDPコースである必要がなくなります。むしろ、一般受験対策だけに集中できる環境である普通科高校の方がよほど現実的です。

IBDPコースに入学すれば自動的に学力が高まるのではありません。実際にはIBDPコースのハードな勉強についていくための学習と、同時に平行して一般入試問題対策を行うという必要がでています。これは、普通の高校生には想像できない状態になります。

つまり、そのようなことができる生徒は、普通科高校から一般入試枠(共通テスト+前期日程)で東大に合格できるレベルの生徒だといえます。

では、IBDPコースから医学科に入学することは、それほど難しいのでしょうか? 

 

👇学校でチックがあるとイジメにつながります

チック症とトゥレット症候群をコントロールする方法: 子供と学校生活、家庭での治療と自分でできるコントロールの方法

 

答えは、「研究実績や校内成績、課外活動の実績が十分に求められる水準を満たしていれば、合格は可能です」となります。

つまり、合格できますが、それは、IBDPコースに入ったから容易に合格できるという意味ではありません。

IBDPの最終スコアがそれほど高くなくても合格しているという事実を、「偏差値が低くても合格できる」と受け止めるのは誤りです。合格するための条件が、一般入試とはまったく異なるからです。

そもそも、IBDPコースに関しては、親や塾、学校ですら情報が少ないのが現状です。卒業生の実績も乏しく、何をどこまでどう取り組めばよいのかがわかりにくい環境です。そのような中で、「医学科に進学したいからIBDPコースを選ぶ」という考え方自体が、すでに矛盾していることに気づかれるでしょう。

 

👇インター校、国際バカロレア校を受験するまえに必ず読まれる本

 

それでは、現在IBDPコースに在籍している生徒はどうやって医学科に進学すればよいのか? と思われるでしょう。

その道筋は、少しずつ明確になってきています。すでにIBDPコースを卒業して医学科に入学した学生や、卒業した学生も存在します。ただし、あまりに年度が離れている場合は参考になりにくいため、たとえば2年前に医学科に入学した学生の指導やアドバイスは非常に役立ちます。IB塾などで家庭教師として登録している学生もいます。もちろん、大学医学部が公式に発表している情報も重要です。また、実績のある高校では、情報をしっかりと分析し、対策を始めています。

ここで話がループするようですが、高校側の対策の一つとして、共通テスト対策の補習を導入し、その内容を医学科に合格できるレベルまで引き上げるという方法があります。その理由は明確です。つまり、高校側は在校生の保護者を満足させたい。そのための最も効果的な対策がこれだからです。

同時に、保護者には理解されにくい対策も行われています。それは課外活動や研究です。実際にIBDPを活用して医学科に合格した生徒を分析すると、こちらが重要であり、共通テスト対策は必ずしも必要ではないことがわかります。共通テスト対策は、実際に共通テストを受験する場合以外には役立っていないのです。

 

👇国際バカロレアの学校にするか考える時に必ず読まれる本

 

しかし、保護者の理解は異なる場合が多いです。保護者は、研究や課外活動を「勉強とは別のもの」と感じがちです。そして、それに打ち込んだ結果、不合格になると「勉強が足りなかった」と感じてしまいます。実は勉強ではなく、課外活動の内容や質が不足していたとしても、そこに理解を示すことは非常に難しいのです。

その理由は、保護者自身がIBDPをよく知らないからです。もちろん、子どもの進路を調べる中で国際バカロレアやIBDPについて調べたことはあるかもしれません。しかし、本質を理解しているとは言いがたく、その後のIBDPを利用した大学入試について具体的に理解している保護者はほとんどいません。

IBDPコースに関する情報は少なく、多くの情報は曖昧です。一部の信頼できる情報は有料ですが、その数百円の情報入手費用さえも支払っていないのが現実ではないでしょうか。大学入試のプロセスに関してはさらに情報が少なく、信頼できると思われる情報も、個人の感想にすぎない場合があります。塾や学校も経験が浅く、人数が少ないにもかかわらず毎年変化するIBDP利用入試の環境に、本気で対応できていないのが実情です。

このような状況の中で、どうやって医学科に合格すればよいのでしょうか。その問いに対する答えは、ただ一つです。

「IBを利用する」のではなく「IBを活かす」ということです。

 

👇先行して全話公開のnoteのページリンクです。

 

次回第5話は
5. IBを活かすとは
です。


「IBを利用して医学部に合格する」という発想は結局全てにおいて良い結果が得られません。という話になります。