津波の犠牲者を慰めるポニョ
崖の上のポニョ [DVD]Amazon(アマゾン)2,901〜8,963円今夜、金曜ロードショーで放送される、スタジオジブリ作品の「崖の上のポニョ」。特にお子さんや女性に人気の高い作品で、女の子に姿を変える魚のポニョの可愛さが人気の理由となった。「ポ~ニョ、ポ~ニョ、ポニョ♪」でお馴染み、大橋のぞみさんらが歌うテーマソングも大ヒットした。このポニョは2008年に公開された映画だが、実は3年後に発生した東日本大震災を予言していたという都市伝説がある。作品の中で、津波を描いているシーンがあるのだ。人間に変身すると同時に、魔法の力が強まったポニョ。ポニョの高ぶる気持ちによって嵐が巻き起こり、街をのみこんでしまうほどの大津波が発生する。車や家が押し流される光景は、東北地方の被災者にとってはあの悲劇を思い起こすシーンとなってしまい、現に震災からしばらくテレビでの放送が見送られた。3・11を彷彿とさせる津波のシーンまた、作品からは、単に津波の発生を予言しただけにとどまらず、まるで津波で犠牲になった人々への追悼の思いも込めたような描写がある。津波にのみこまれて海中に沈んだ町は、なぜか建物が壊れることもなく、住んでいた人々も息ができないはずの水中で、笑顔で走り回っている。主人公の宗介の母が働くデイサービスに入居する高齢者は、なぜか車いすから立ち上がり、元気になっている。そして、ポニョたちがボートで探索している最中に出会う家族の風貌が異様に古風で、ひと昔前の時代の人間のようだ。つまり、これは死後の世界を描いているのでないかと思われる。海に沈んだ町の描写シーン実際、3・11の震災では岩手県や宮城県、福島県の介護施設で、逃げ遅れた何人ものお年寄りが命を落としている。ポニョが描くように、津波によって命を落とした人々や町が、天国で元気に暮らしていると考えれば、遺族も少しはいたたまれるだろう。作品の中で、宗介の父親が船長を務める貨物船が、廃棄された船が漂う海域に来た際に、部下の船員が「船の墓場ですよ、きっと」と言い、続けてこのように言う。「あの世の入り口が開いたんですよ、きっと」まるで、津波発生以降のシーンを予告しているかのようだ。ちなみに、この作品の公開日初日は2008年7月19日。実はこの日の午前11時39分ごろ、福島県沖を震源とするマグニチュード6・6の地震が発生している。宮城県から福島県沖に掛けて津波注意報が発令され、宮城県の石巻や仙台港で20センチほどの小さな津波が観測された。https://www.jma.go.jp/jma/press/0807/19a/kaisetsu200807191315.pdf(気象庁発表)ちょうどこの時、東京の日比谷スカラ座では記念すべき1回目の上映が行われており、直後に舞台挨拶に臨んだ監督の宮崎駿は「地震が起きて津波が発生したみたい。ポニョが来たのかな…」とつぶやいた。https://eiga.com/news/20080722/3/(映画ドットコムより)この偶然な出来事も、予言と噂される一因だろう。