スパイ気球で、アメリカと中国の緊張が高まっている。

 

謎の気球がアメリカ本土上空に飛来したことで、両国が非難合戦。

アメリカは機密情報を偵察するための中国の偵察気球だとして、ブリンケン国務長官が予定していた訪中を中止。

対する中国は、気球は非軍事目的として「今回の件を利用して中国を攻撃、中傷している」と反論している。

 

アメリカ上空に飛来した気球

 

気球はどんどん東に流され、

日本時間の5日未明、アメリカ軍は住民に被害を及ぼす危険性がなくなったとし、

周辺の空港を閉鎖した上で、サウスカロライナ上空でミサイルで撃墜に成功。

白い風船が破れて落ちていく光景を、テレビニュースが中継で伝えた。

まだ、これとは別に2つの気球は米国周辺に浮遊しているという情報もある。

 

撃墜され、落ちていく気球

 

 

このスパイ気球、日本上空にも来ていた。

2020年6月17日、宮城県仙台市の上空に出現。

白く丸い球体に、下部には十字状の構造物がぶら下がっており、今回アメリカに来た気球とそっくりだ。

同じ場所から、同じ目的で飛んできたと見るのが自然だろう。

 

当時、警察はヘリコプターを飛ばして警戒するものの、「正体不明」と結論付けていた。

中国のスパイという憶測さえも出ず、日本の「平和ボケ」を象徴しているようだ。

 

 

実は、いまから13年前にも東京上空に似たような物体が飛来していた。

2010年9月10日。

当時、スポーツ新聞の記者としてプロ野球・東京ヤクルトスワローズの番記者をしていた筆者は、

午後3時過ぎから明治神宮野球場で選手たちの試合前の練習を見つめていた。

 

すると、ヤクルトと、対戦相手の広島カープの選手たちが上空を見上げだした。

 

「何あれ?」「UFO?」「風船でしょ」

 

澄み切った青空のはるか上空に、白く光る、丸い物体が浮いている。

筆者はカメラマンに頼んで、めいっぱいズームで撮影してもらった。

見てみると、丸い風船の下部に、構造物が確認できた。

 

この「UFO騒動」はちょっとした話題となり、翌日の紙面でも大きく取り上げられた。

これが、当時の紙面である。

 

 

あっUFO? の見出しがおどる。

当時、広島にいた前田健太選手らが見上げる写真も掲載されている。

 

 

 

アメリカや仙台上空に飛来した物体とよく似ている。

もし中国のものだとすれば、野球観戦に来たとは思えないが、

今回のように日本周辺を含む気流に流されてアメリカを目指していたか、

米軍の横須賀基地や横田基地を偵察しにきていたのだろうか。

 

2010年当時は、いまとは国際情勢は大きく異なり、中国を治める政権も違っていた。

それでも、すでにアメリカとの敵対や軍事化、海洋進出を少しずつ始めており、

この3年後に現在の習近平国家主席が就任している。

 

ちなみに、神宮球場上空に気球が訪れてから約2カ月後、

北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃事件が起き、朝鮮半島が一触即発の危機に陥っている。

 

 

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