いつまでも女々しくて・・・ -100ページ目

いつまでも女々しくて・・・

20年連れ添った妻を自死で亡くした男(hiro)の日記

妻側の親戚は事情を知っているのか、俺に対して恨み言を言うのは誰一人いない。
病院で義弟に罵られただけだ。
本当は言いたいんだろうな。

ウチの親のほうが酷かった。
なんて女だ
なんて母親だ
無責任にも程がある と、辺り構わず罵った。

それを聞かせられていた妻側の親戚はくやしかったことだろう。
今でも法要などで会っても、ウチの親には挨拶一つしないどころか
目も合わせない。

子供達も母親を悪く言う祖母にはなつくはずもなく
母も、例え孫でもなつかないで反抗すれば可愛くもなくなる。

もうこういう負の事が、妻が逝って毎日の様にある。
その度に どうして俺ばかりこんな目に、俺なんかなにもしてないのに・・ と

でも最後には 自分で蒔いた種だよな と
自分を呪う。


結局俺の結婚生活はなんだったんだろう。
妻にこんな形で死なれたら、今までやってきたことを全否定されている様だ。
悔しいっていうか、悲しいっていうか、虚しい。
彼女にとって俺ってなんだったんだろう。

でも俺がどんなふうに思われていようと
子供達は明らかに妻が産んだのだから
妻が生きていたという証でもある。
だからこの子達を、自分で生きていける様になるまでは
それまではなんとかやっていかなくては。

もういいかな・・・
この5年間ずっと突っ走ってきたが、何かが切れてしまった。

年の初めに、敗北宣言をした。
ごめんね、俺はこれ以上は働けないと。

今から思えばそのときからなんだろうな、妻がおかしくなっていったのは。

この敗北宣言で、事の重大さに気づいたのか
それからいろいろとやってくれるようになっていったが
でも、動き出すにはあまりにも遅かった。

一度狂いだした歯車は元に戻ることはなく
あることがきっかけで、3月末に目に見えて少しおかしいと感じるようになり
病院に連れて行った。

それから容体はどんどん酷くなっていくばかりで
世間が賑わうGWに、妻は俺と二人の息子を残し逝ってしまった。

結局追い詰めたのは俺か
なんだよ
やっぱり俺があいつを殺したんじゃないか

家で仕事をすることになって、妻との関係はより酷いものに。
子供たちがいるから平静を装っているが
基本、家庭内別居だ。

それに生活もより一層苦しくなっていくばかりで、改善の兆しは一向に見られない。
だから何度も、家の売却の話になった。
俺は24時間働いているようなもので
これ以上どうすることもできないから、相談しているのだ。
遊んでいるわけではない。

でも、この話はいつも平行線だ。
家は売りたくない、生活はもう切り詰めたくない、働きたくない
ないないずくめだ。

俺から言わせば、身の丈に合った生活が大事だと思う。
家を売りたくないなら
より一層どこかで切り詰めなくてはならないし
より働いて、今より収入を増やさなくてはならないと思うわけ。
普通のことだ。

得るものがあれば、失うものがある。

それでも改善しようとはしなかったし
・・・妻の依存症は治らなかった。

いつかまたやれなくなるXデーがきた。
それでも1年半頑張った。
朝はやくから夜中まで働いた。
でももうダメだった。

これ以上は続ければ自己破産になってしまう。
それだけは避けなければ、一家路頭に迷ってしまう。

でも俺は決めていた。
いつかこの日が来るときに
そう、この事務所を借りるときに、やっていけなくなる日がきたら
けじめをつけようと。

また家に帰って頑張るか、ここで人生を終わらせるか を。

俺の場合、そのことが無責任な自死だとは全然思っていなかった。
どちらかというと、武士のような家を守るための切腹に近い。

俺がけじめをつけることで、家は残るし
当分3人で生活するのに、贅沢をしなければ
十分学校卒業まで暮らしていけるくらいの保険には入っている。
俺がいなければ、妻のストレスもなくなるだろうし
子供たちの心を傷つけてしまうが、路頭に迷うよりはいい。
家族を守るための最後の手段だと考えていた。

その最後は妻に判断してもらうことにした。
もちろん俺の考えていることなど知らない中で、けじめをつけることとか・・・

家に帰って再スタートをよしとするかどうか。
事情を聞いた彼女の答えは


家でやるしかないじゃない



俺の命は繋がった。
そっちの方向で死ぬまで頑張る ということになった。

ただこのときに、しぶしぶしょうがないという彼女の顔を見たときに
やっぱりけじめをつけたほうがいいんじゃないかなと、そのときは思った。
すごく悲しかった。
本当はもう俺のことなどどうでもいいと思っているんだろうなぁ・・・

事務所を引き払ってからの1年半
妻から笑顔が消え、会話も少なくなり、喧嘩もした。

もうどうしようもないところまできてしまい
最後に、俺が折れた。
借金して、また事務所を借りたのだ。
これで妻の機嫌も直るだろうと。

でも、生活がままならないから前の事務所を引き払ったわけで
いくら安い所に場所を借りたといっても、経費はかかるわけで
経理事務所から、あんたバカじゃないのと言われ

そうバカなのさ
でも散々話し合っての結果だ。
こんなことで離婚するわけにはいかない。

しかし、これから死に物狂いで働いたとしても、いつかまたやれなくなるXデーがくるはずだ。
そのときどうする。
自宅でやってったってかつかつだったのに。
やれなくなるのは火を見るより明らかだ。

先のことは考えないようにただ働くだけだった。



与えすぎてしまったのかな・・・
自営業は、いいときもあるけど悪いときも必ずくるからね
そのときはお互いささえあってやっていこう・・・
俺頑張るから幸せになろうね

むかしの会話を思い出すと虚しい